20話 イメージは大切なんだね。
更新間に合った。最近かつかつだなぁー
いつも読んでくれてありがとうございます(*'ω'*)
怪しい者を街へ通すわけにはとか言われ、僕らの行く手を遮る騎士の人。
「どうすればいい?」
「隠そうとした剣を見せてくれればいい。」
「まだ試し斬りもしてない剣だし。レブル以外の人に渡したくないんだけど。」
「隠すとはますます怪しいな。」
困った。あの剣はさっきの魔力を剣に込めた訳だけど。渡して何かあったら僕らのせいになるよね。
「それじゃ、レブルが使って見せるのはどう?」
「え?私がやるの?こんな人が居るところで?」
「知らない人に触らせるより、魔力操作で剣が使えるレブルの方が安全かなって。」
「安全って……それを聞くとますます自信を無くすわ。」
「え〜大丈夫だよ。火の剣使えるし。何もないようにフォローはするから。」
「それならやってみてもいいけど……。」
「それでどう?」
騎士の人が仲間と話し合う。
「その剣の性能が見れれば……それでいい。」
「そう?じゃ使ってみるけど。危ないから離れてね。」
皆んなが距離を取る。馬車は僕の側から離れないけど、少しは離れた方がいいと思うよ?
「馬が動こうとしないんだ。」
「囲まれて少し萎縮しちゃったかな。しょうがないから、僕が守るよ。」
「……それなら俺らもここに居る。」
「1人も2人も変わらないからいいけど。」
「助かる。」
「多分、馬もここが一番安全だと思ってるんだよな……。」
「何か言った?」
「「なんでもない。」」
まぁいいや。とにかく周りに被害がいかないよう何かしないとか。
「アイさん。一人一人に結界みたいなの張れる?」
『レブルは火を使うので、水で覆う様にすれば。シャボン玉がイメージしやすいかもしれません。視界も奪いませんので、その中から出なければですが。』
「それでいこうか。シャボン玉も分かりやすいし。さすがアイさんだ。」
『ありがとうございます。それではカバーストロング・エリア。』
「バブル!」
―ポワ。
「な、なんだ?」
「結界の様なものを作っただけです。あ、そこから動かないで下さいね。効果なくなちゃうんで。」
「それは何かの罠ではないのか?」
「なら好きにして良いですけど。その場合は自己責任でお願いしますね。」
やれやれ、疑り深い人だ。水の結界って見れば分かるだろうに。それ以外何に見えているんだろうか。
「私は?私には何かしてあるの?」
「レブルには動きを邪魔しないように、身体を覆う様にカバーしてるよ。」
「なら安心だわ。こんな形になったけど初振りね……すぅ……はぁ。」
深呼吸して剣の柄を握るレブル。
「はぁ!」
―ギン、ボォォォ。
鞘から抜いた光の剣は綺麗な赤色で輝き、その姿を現わす。
「火剣だと!?」
「やはり!ただならぬ魔力の正体はこれだったか。」
「それにしても……。」
剣は確かに炎を纏っている。ここで火と言わないのには理由がある。
「シノブさん。これ何?」
「火剣だね。僕がやった時と似てる。」
「……これじゃ使えないわ。普通のサイズにならないのかしら?」
「うーん。アイさんどう?」
『使う量は最低でもこれなので。光の魔力を他に回すしかないですけど……火を纏って同時に防御や機動力を上げるなど如何でしょう?』
「アイさんからのアドバイス。出力はこれで最低なので、魔力を防御や機動力面に回してみては?って。」
「魔力を防御や機動力に……。」
剣を掲げて考えるレブル。
「アイさんがアドバイスするって事は出来るのよね。」
剣と僕と交互に見るレブル。僕を見てどうしたのか?
「私ならどう戦うか。……そうね。」
―ボォウ!
火が通常の剣のサイズにまで小さくなる。変わった様子はあまり無いけど、レブルは……。
「は!」
―バッ!
背中に火の翼が生える。
「私はこれで戦うわ。」
「火の翼が生えた。あれって?」
『防御と起動力で言えば、機動力に見えますね。あれでどう戦うかイメージしたかレブル次第ですが。』
「レブルの戦うイメージか。でもあれって熱くないのかな?」
『忍様の張った結界に干渉していないので。自身を燃やす様な熱は無いと思われます。』
「へぇ〜イメージって大切なんだね。」
さすが魔法。もはや何でもありな感じがする。翼があるって事は飛べるのかな……。飛べたら気持ち良さそう。バイクで風を感じると似た感じは体験出来そう。
「ふーふー。これで動くのは少し練習が入りそうね。」
「おいおい。レブルに翼が生えたぞ?」
「さっきの相談役さんの話から、あそこまで出来るものなのか?」
「す、凄いで……うぷ。」
「セローは安静にしてろよな。これでも飲むか?」
「ありがとうございます、アマンさん。」
「とりあえず、危なげなくって事で。結界は解いちゃいますよ。」
―パァン。
シャボン玉が割れ、止まっていた騎士達が驚く。
「まさか、ただならぬ魔力は国宝級の武器でしたか。」
「国宝級……しかし何故こんな所に?」
「それはここにいた人にしか分かりませんよ。ね?お兄さん。」
「ん?僕?」
剣が気になるって言った騎士が、僕に話しかけてきた。
『忍様。光魔法の話は他言しない方が良いかと。作ったと分かると色々と巻き込まれる可能性があります。』
「うん。分かった。ありがとうアイさん。」
「アイさん?」
「あーこっちの話です。」
レブルも剣を鞘に戻して、いつもの感じに戻る。道を塞いでいた騎士達は今も変わらないけど、見せるもの見せたし行ってもいいよね。
「それじゃ僕らはこれで。1人調子も悪いので。」
「1人気持ち悪そうなご婦人がいるな。どうした?」
「ちょっと酔ってしまって。あ、お酒とかは飲んでませんよ。」
「そうか。治癒師がいるので回復魔法でもするか?」
「いえ、魔力は貰うと悪化しそうなので。」
「そうか。魔力はあまり子供に良くないらしいからな。若いのに大変だな。」
道を塞いできた騎士達もレブルの剣を見て、セローの調子が悪いと話すと優しく対応してくれた。
「俺の嫁も大変だと言っていたしな。大変だが頑張れ青年。」
「ん?そうなんですか。まぁ僕の責任なのでしっかり介抱はしますよ。」
「うむ。それでこそ男だ。」
微妙に会話に違和感があるけど……セローもまだ15歳だし、子供に魔力分けるのはあまり良くないんだな。憶えておこう。
♦︎
そのまま騎士さん達と一緒に街まで来た。
「ここが【トゥリーン】か。森を抜けてきた割に魔物にあまり出会わなかったな。」
「ここは森に囲まれているが、大人数で移動する者には魔物もあまり近寄らんのだよ。」
「そうなんですか。僕らだけならすんなり来れなかったかも知れないですね。一緒に連れてきて貰ってありがとうございます。」
「見た目はあれなのに、しっかりした青年だな。もうすぐ一児の男は違うんだな。」
「1時?もうそんな時間ですかね。」
「ん?時間?」
「ここまでありがとうございました。あ、オススメの宿とかありますか?」
「宿か?馬車持ちならば入って左手に行けば良い。探さずとも向こうからやって来るだろうよ。」
「向こうから来る?」
「はは。行けば分かるさ。それじゃ、我々は戻るので。」
騎士達は再び森へと消えていった。始めは疑われたりもしたけど、何故か途中から優しくなったし。今度会ったらちゃんとお礼しないと。
「左にまっすぐ行けば分かるって、騎士の人言ってたけどどういう事だろう?」
「前に来た時はどこ泊まったっけかな?」
「入口すぐだった事は覚えてるがな。確かあの時は……。」
「すいませーん!」
「そうそう、こうやって呼ばれて着いて行ったな。」
「す、すいませーーん!」
「あの時は確か走って客引きしてた人がいてな。」
「す、すー!止まっ。」
「ん?」
どこからか呼ばれて馬車を止める。
「やっと止まって……くれた。馬車とはいえ走るの……しんどい。」
「どうかしましたか?」
「宿を……お探しではないですか?」
「え?探しているけど。なんで分かったの?」
「前に一度見た馬車だけど。逆方面から入ってきたから。」
「前にって……あーこの嬢ちゃん。前に泊まった宿の。」
「はい。覚えていただき光栄です。どうですか?馬車持ちならばうちがオススメですよ!」
気合の入った客引きの人だった。
「前回より少し人が増えてんだが、男3人に女2人で2部屋いけるか?」
「勿論です!」
元気な客引きも今度は、馬車に乗り込んで道案内をする。そこ、乗っちゃうんだ。まぁいいけど。
宿を決めた僕達は、今後の方針を決める為に集まった。
「で、ここの街だけど。あのミルクの生産地で間違い無いよね?」
「そうだな。」
「よし、食べ歩こう。」
「本当、シノブは欲望に忠実だよな。」
「そりゃそうだよ。やりたい事やらないと。人はいつまで生きられるか分からないし。」
「まだ若いのに考え方が歴戦の戦士だな。」
「戦場で死ぬなんて事は、無そうだけどな。」
と言う訳で反対意見も内容なので、食べ歩き案は採用された。
「ただ食べるだけじゃ太るわ。適度に依頼というか魔物と戦いたいわ。この剣の使い方も試したいし。」
「それは僕も気になるところだな。」
「私も……師匠に魔法を……教わりたい。と言うか、魔力を消費したい……。」
「「「……。」」」
一番始めにやる事は決まったようだ。まずは外に行き魔力発散。森の外に行くけど、アマンとゾンも今回は着いてくる。
♦︎
森に来た僕ら。
―バシャーン!バシャーン!
「体が軽いよ!あはは!」
「セローはあんな感じだったか?」
「魔法使っている時は、活き活きするとかかしら?」
「迎え酒的な感じかもしれんぞ。」
「「あぁ。」」
確かにこのセローは少しテンションがハイである。
「あははは!それそれ!それ!!」
少し……そろそろ話しかけるか。
「セロー。」
「はい!師匠!」
一気に距離を詰めて来るセロー。だから近いって。
「そんな闇雲に魔法ぶっ放しても、何も上達しないよ?」
「え!使えばレベルアップする的なものでは?」
「レベル?そんなのあったっけ?」
『ありません。』
「無いんだ。」
「無いのですか!?」
がっくり倒れ込むセロー。一体今まで何を見て学んできたんだ?
「せっかく魔法のコントロール上手なんだから。集中して魔力を操作する事をお勧めするよ。」
「ご教授ありがとうございます!」
「この前の円盤もそうだし、僕の使う水玉もちょうどいい練習だよ。」
「師匠の技!やってみます。」
―ザブ。
「こうですか?」
「そうそう。それをこーやって。」
―ザン!ザン!ザン!
目の前の木に当てる。速度も上げているから、当たっても無くならず貫通する。それを指で動かしたい方へ誘導する。
「凄いです!私も!えい!」
―ベシャ。
セローの水玉は木に当たって無くなった。
「へー同じ魔法に見えて違うのね。」
「師匠はどうやってそうやって作りますか?」
「ん?これ?やっぱりイメージかな。水玉の大きさはこれ!でも集める水のイメージを変えているんだ。」
「集める水のイメージですか?」
「そうそう。例えば桶一杯の水と、桶が2つ分とか。僕は湖とか海とか想像しちゃうけど。」
「大きさのイメージのみじゃない。成る程です。こうですか。」
―ザブ。
「それで……えい!」
―ザン!
「出来ました!これ凄いです!今までの足踏みが嘘のようです!」
「うんうん。喜んで貰えて何よりだ。」
上達を喜ぶセローとそれを見守る僕。なぜか後ろの3人から心配そうな目を向けられているけど、気のせいだろう。
こうしてセローは魔法を上達させ、今度は魔力切れで倒れるのであった。
レブル「あの水玉どんどん危険になるわね。」
アマン「しかもそれが2人……。」
ゾン「俺らでどうにかするしかないか。」
レブル「しかもちょっと教えてすぐ出来るから。どんどんシノブさんのような魔導師に……。」
アマン「(ん?それを言うならレブルも……。)」
ゾン「アマン……。諦めるか。」
アマン「そこは一緒に頑張ろう。とか言えよ……。」




