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《岩もぐら1匹討伐により経験値10000を手に入れました》

《レベルが50上がりました》

《《炎呪文》と《氷呪文》のレベルがアップしました》

《《雷呪文》と《治癒呪文》を新規に取得、かつレベルアップを確認》

《ステータスをご確認ください》


うぉー。やっべぇ。

いきなりレベル50も上がっちまったのか。

そしたらステータスなんてかなりすごいものになってんじゃねーの?


「ステータス、確認」


―――――――――――――――――――――――――

ステータス


狩集夏

レベル                 : 90

HP                  : 130/200 

MP                  : 135/200

SP                  : 201

スピード                : 35

攻撃力                 : 69

レベルアップに必要な経験値       : 200


―――――――――――――――――――――――――


――――――――――――

所持スキル

数値固定(マスマティカ)》、《処理(ディール)》、《察知 Lv.15(センス)》、《跳躍強化(ジャンプラス)


使用可能呪文 

炎呪文 Lv.3(ファイア)》、《氷呪文 Lv.3(フローズン)》、《雷呪文 Lv.2(ライジング)》、《回復呪文 Lv.2(ヒーリング)


――――――――――――

「すっげぇ。なんか新しく魔法も増えてるし、しかも魔法のレベルまで上がってるじゃん」

「ほら、俺のステータス見てよ。すごくない?」


俺はステータスを綾瀬に見せびらかす。


「興奮してるところ申し訳ないんだけど…。どうせだったらその新規に取得したっていう《回復呪文》を私の足にかけてほしいんだけど?」


「わかった。じゃぁ、足だして」

俺の指示に従うように綾瀬は足を俺の前へと差し出す。

患部が俺によく見えるようにわざわざズボンをめくりあげ、恥ずかしそうにしながら。


多分、ズボンをめくる必要はないんじゃないかと思う。けど綾瀬が恥ずかしがってまでやった行為が無駄だとわかったら、恥ずかしさが倍増するだろうから言わないでおいてあげることにしよう。


綾瀬の足に手のひらをかざし

「《回復呪文 Lv.2(ヒーリング)》」

俺がそう叫ぶと俺の手のひらが光り始める。

《鶴ヶ島綾瀬のHPの回復を確認。あと10分で完全に回復します》


ありゃ?HPの回復だって?

ということは、回復呪文じゃけがは治せないのか?

よくわからん。


とりあえず10分ほど手をかざし続けた。

が、綾瀬の傷は治らなかった。


「つまり…、回復呪文はけがを治すことはできないでHPの回復にとどまるということでいいのか?」


「そう考えるのが妥当でしょうね」


ステータスのシステム上、HPが残っている間は、ダメージを直接体にくらうことはない。ただし、HPが0になったら、ステータスによる付与がなくなるっていうのがこのシステムのルールだ。


でも、近秋の戦いでは綾瀬はHPが残っているのにも関わらず、壁に当たった際に足にダメージを受けた。このことから推測するに、モンスターからの直接の攻撃はHPの減少という形で現れ、間接的なダメージはHPの減少を伴わず、体のほうに直接ダメージが来るってことだ。


で、今回手に入れた《回復呪文 Lv.2(ヒーリング)》はHPの回復しかできないってことがわかった。


「ほんと、何のために私のきれいな足を見せたんでしょーーね」

少しいじわるそうに聞いてくる綾瀬。


「ごめんな。綾瀬。俺…、役に立てなくて」


「べっ。別に本気で言ったわけじゃないわよ。できないことは仕方ないんだし」

「でもそれとは別に不思議に思うことがあるの」


「何が?」


「岩もぐらってホントはこのダンジョンの最下層の住人で、本来はこんな階層にいるようなモンスターじゃないのよ。でも、なぜか岩もぐらがこんな浅めの階層にいた」

「推測できるのは、このダンジョン自体に異常が生じているのか、もしくは岩もぐらよりも強い何かが新しく現れたのかってことじゃない?」


「結局何が言いたいの?」


「少しは考えてからものを言ってほしいわ」

「これ以上、下に潜らないほうがいいんじゃないってこと。何か嫌な予感がする。ただの勘で済んでほしいんだけど」


「でも…」


「でも?なんか言いたいことでもあるの?」


「せっかく新しい能力手に入れたから使ってみたいな、なんて思ったりして」


はぁーー、と大きくため息を漏らす綾瀬。

「そんなあほなこと言ってるの?ほんとに探索者(シーカー)になる気あるのかしら」

「危ないものには近寄らない。そしてリスクをできるだけ小さくしてコツコツと積み上げてくのが探索者(シーカー)よ。不確定なものに頭を突っ込んでくのは探索とは言わないわ」


綾瀬の言うことは至極当然だ。

ただでさえリスクの多い探索者(シーカー)なのに不確定リスクまで増やしたらまさにあほだ。


それでも、心の中に静かに燃え上がる炎を止めることはできない。


「だとしてもっ」

「ムグゥッ」

いきなり俺の口に手を当ててきて、俺の発言を遮る綾瀬。


先ほどまでの綾瀬の険しかった表情はほぐれ、優しそうな笑みを俺に向ける。


「説教めいたのは終わりっ。私も人のこと言えたもんじゃないから。この話だって私がダンジョンに潜るときにお父さんに言われたことだしね」

「ただ、危なそうだったらすぐに戻る。わかった?」


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