書き手さんへ
どうも、はじめまして。白と申します。
書き手というよりは、元書き手です。
過去でこちらのサイトに登録させていただき、小説も投稿させていただいたことがある者です。
もろもろの事情から一度退会しましたが、今回、このことだけちょっと書かせていただきたいなと思い、再び登録させていただいた次第です。
なので、書き手と言いつつ、作品が全くない状態ですがあしからず。
過去で自分の作品を持っていた時のことなどを、思い出しつつ書かせていただいています。
ここから先は、個人的に、書き手さんに「1ポイントをつけられた時にどうすればいいか」を書いていきたいと思います。
ここでは、「せっかく一生懸命書いた作品に1ポイントをつけられて辛い、悲しい」「この評価をどう受け止めていいのかわからない」という方に向けたコメントを書いていきます。
なので。
「1ポイントであっても、評価されたことが嬉しい」
「評価の合計ポイントが増えることが単純に嬉しい」
「1ポイントも読み手さんの意志だから、真摯に受け止める」
という書き手さんには不要のものです。そっと閉じてくださいませ。
「1:1」評価、もしくはそれに近い低いポイントをつけられて悩んでいる方はそのまま、読み進めて下さい。
まず、この「小説家になろう」(以下なろう)では、ブックマークをされたら2ポイント入る仕組みです。それ以外では、読み手さんがつけてくれたポイントが加算されていきます。
そして、合計のポイント数によってランキング入りも果たせますので、このポイントを心底求めている書き手さんもいらっしゃるでしょう。
しかし、多くの方が実感されていると思いますが、ランキング入りというのはなかなか難しく、自分には無縁の話だと思われている方もいることでしょう。
それなら、ランキング入りは求めないから、せめて読み手さんに自分の作品を読んだ感想を聞かせてほしい、そして、出来れば「ここが気に入った、よかった」などの具体的な言葉を聞かせてほしいというのが正直な思いではないでしょうか。
多くの人からブックマークしてもらい、感想をもらい、そしてあわよくばランキング入りが出来たらどんなにいいかと夢見て、自分なりに勉強して小説を書いていざ投稿。
誰かブックマークしてくれたかな? 感想書いてくれたかな? と期待しても全くの無反応。
ようやく読み手さんから反応があったと思ったら。
「文章評価:1ポイント ストーリー評価:1ポイント」
この結果にショックを受けて、もしくは怒りのあまりに、せっかく書いた作品を削除してしまったという方もいらっしゃるのではないでしょうか。感想がもらえないどころか、頑張って書き上げた作品を見知らぬ誰かに最低評価を下された。その痛み、よくわかります。
上記のポイントですが、結果的には2ポイント加算されています。初めはゼロだったのに、2ポイントも増えました。
しかし、書き手さんは、そうとは受け取れません。なぜかというと、大抵の書き手さんは「自分の中で最高の作品」を作りあげて投稿するからです。
「とてもじゃないけど、自分はこの作品に5ポイントはつけないな」というような作品を投稿する人はまずいないと思います。
自分の目で見て、もう手直しするところはないなと思ってから投稿するでしょう。誤字脱字を見付ければその都度訂正し、設定が活かされているか、また無理な展開ではないか、自分なりにしっかりと見直し、完璧を目指して作品を作り上げていることでしょう。
つまり、投稿する人の多くが自分の中で、自分の作品に「5:5」の評価を無意識にしています。と言いますか、みなさん、何度も手直しをし、自分の中で「5:5」と思える作品になって初めて投稿していると思います(まさか、誤字脱字を見付けたけど、手直しは面倒だからそのまま投稿、という人はいないでしょう)。
それなのに「1:1」の評価のみを下され、しかも、それに対しての説明や感想がない、どこの誰がつけたのかもわからないから、評価をしてくれた人に、なにか至らない箇所があったのかと確認することも出来ない。
なろうでは、書き手さんには誰が評価してくれたかは伝わりません。そのため、評価をしてくれた相手になにがいけなかったのか確認することも出来ないので、評価をされた書き手さんは黙ってその結果を受け止めるしかないのです。
それは、まるで一方的に背後から小突かれ、理由や説明も受けることなく逃げられるようなもので、もやもやした気持ちが残るだけでしょう。
相手は自分が嫌いだったのか、憎かったのか。それとも、好意を持っていて、ちょっとからかったつもりなのか。明かされなければ、理由はわからないままです。
そのことをどう受け止めていいのかわからず、一人悩まれる人もいらっしゃると思います。
「1:1」評価に対して、大人な人は、
「1ポイントも大切な評価」
「ポイントが加算されていくだけだから、こっちに損はない」
「好意でつけてくれる人もいるから、評価でなく、好意として受け止めてみては?」
ということをおっしゃいます。
しかし、そんな風に前向きにとらえられる人がどれだけいるのでしょう。
1~5ポイントまで任意でつけられるのに、わざわざ一番低いポイントをつけられて、それに対する説明はなし。そのことを心の底から素直に喜べる人はどのくらいいるのでしょうか。
また、好意であったとしても、五段階の中で最も低い数字で示される好意をどうやって受け止めたらいいのでしょうか。
仮に、ある人に自分を含め、五人の友人がいたとして、その人に、「私は五人の中で、あなたのことは五番目に好き」と言われて素直に喜べますか?
私としては、好いてくれている以前に「一番低い順位」に関しては素直に喜べません。
そもそも書き手さんは小説を最初から最後まで楽しんで書いているわけではありません。
時に、「この後の展開、どうしよう」と頭を悩ませたり、「○○○について書きたいけど、詳しくは知らないから、調べなきゃ」とネットで調べたり、本腰を入れて書いている人は、図書館に資料を探しに行ったりもするでしょう。
そこまでしなくても、産みの苦しみというものは多かれ少なかれ誰もが体験するものです。
それを乗り越えて生み出した作品に「1:1」と一番低い数字だけを説明もなくつけられて、「私にとっては好意や応援のつもりでした」と言われても納得いかない人もいると思います。もちろん、私も納得できません。
そもそも評価というものは、どこかダメか、どうすればよりよくなるかを説明され、その説明に納得できて初めて受け入れることが出来るものです。
無言で数字だけ突きつけられて、それに納得出来る人はそれほどいないと思いますし、数字だけでどこがいけなかったのかを瞬時に察知できる人なら、投稿する前にそこを訂正出来るでしょう。つまり、具体的な説明がないと、評価とは受け入れられないものです。
それに、本当に作品を気に入ってくれて、応援してくれるつもりがあるなら、たった一言「面白かったです」とか「応援しています」と言葉で伝えてほしいと思うのが、感情のある人間のまっとうな反応だと思います。
一番低い数字に込められた好意は本当に好意なのか。そう戸惑う人もいるでしょう。
「読み手さんがわざわざつけてくれた1ポイントを、好意や応援として受け取れない自分は心が狭いのか」
そんな風に思う必要はありません。
説明もなく一番低い数字を突きつけられて、楽観的に「ポイントが増えた! わーい」と純粋に喜べる人は限られていると思います。
むしろ、真面目な人ほど、こんな低いポイントをつけるということは、自分の作品に何か至らないことがあったり、読み手さんを傷付けてしまったりしたのでは、と思い悩むかもしれません。
物事を前向きに捉えられる人もいれば、簡単に前向きに捉えられない人もいます。
あの人は前向きに捉えられたのに、自分は……と悩むことはありません。
「1ポイント」はあくまでも「1ポイント」ですが、そこには、「本来なら5ポイントをつけてもらえたのかもしれないのに、なんらかの理由があって4ポイントも減点された」可能性も潜んでいるからです。
その可能性を思って不安になったり、落ち込んだりすることは至って普通の反応だと思います。
なので、読み手さんからの「1:1」評価を喜べないご自身を責める必要はありません。
では、理由のわからない「1:1」評価に悩み、落ち込んでいる書き手さんに出来ることはあるのでしょうか?
真っ先にあげられる模範的な回答は「みんなから面白いと思ってもらえる小説、『5:5』と評価したくなる小説を書くこと」でしょう。
しかし、それが自分の意志一つ出来るのなら、この世につまらないと言われる作品は存在しません。どれだけ心血を注いで作りあげた作品でも、質として素晴らしくても、人によって「好みじゃない」の一言で切り捨てられたり、批判されたりすることはあります。
では、どうするか。
もし可能なら、「なんの説明もなく1ポイントを付けられるのは辛い」と発言していくことです。
ブログやツイッターをやっていて、そこで自分が小説を書いていることをアピール出来る人はその場で自分の気持ちや、下された評価をどう受け止めているかを素直に吐き出せばいいと思います。また、ブログやツイッターをやっていない人は、プロフィール欄に「評価をして下さる場合は、なにか一言付けてくださると励みになります」と書いておくのもいいかと思います。
しかし、これは、小説を書いている全ての人に出来ることではありません。
中には、「自分の気に入らない評価を否定する傲慢な人」と叩かれることを恐れてなにも言えない人もいるでしょうし、大抵がそういうタイプの人だと思います。
ならば、その人が出来ることはなんでしょうか。
それは「常に選択すること」です。
1ポイント評価に傷付き、小説を書く意欲を失くした。その後はどうするか。
その後にとる行動は、自分で選ぶしかないのです。
「それでも、小説を書く」のか、「もう、小説を書くのをやめてしまう」のかを、「この小説を残す」のか、「削除してしまう」のかを。
自分の思いを伝えられない(伝えない)代償は読み手さん側にも、書き手さん側にもあります。
例えあなたが1ポイント評価を受け、ショックや怒りで反動的に作品を削除してしまい、そのことに1ポイントをつけた読み手さんが後から「あれは批判でなく、好意のつもりでつけたものです。気に入っていた作品を消されてショックです」などと言っても、気にする必要はありません。
好意や応援を告げることを数字だけに任せてしまった読み手さん側の怠慢に問題があるのですから。
伝える努力をしなければ、なにも伝わりません。なにも伝えてないのに、全てを伝えた気になっているのは、信頼などではなく、ただの甘えです。
その一方的な甘えに傷付いたあなたがいちいち気にする必要はないのです。
そして、最終的な手段は「評価を受け付けない」に設定してしまうことです。
この設定にすると、ランキング入りから遠のいてしまうので、躊躇われる方も多いと思います。また、「他人から評価を受けつけないと主張する傲慢さ」のように思われる方もいるかもしれません。
しかし、「小説を書きたいけど、見知らぬ人からの低評価に怯えたくない」という人は、思いきってこういう手段もあることを覚えていて下さい。
結果として、私から言えることは以上です。
最後まで読まれても、なんの解決にもならなかったと思われる方もいるでしょう。しかし、こういうことに、万人に共通する正解はないのです。
それなのに、この手の悩みに対する回答の多くが「気にしないこと」や「前向きに受け取ること」ばかりでした。というか、それ以外を見たことがありませんでした。
中には「プロの小説家だって批判はされる」という、「だから、なんだ」としか返せないことを主張する人もいました。
どんな世界にも批判あるし、あって当然。しかし、プロの小説家さんはそれに傷付いていないと思っているのでしょうか。
批判や最低評価は覚悟していても、実際にされれば傷付きます。
自分の作品が酷評されたら、プロもアマチュアも関係なく、辛い、悲しい、腹が立つ、ムカつく、そういった感情が生まれるのは当然なのです。
そういった感情が芽生えることそのものを否定することは、評価された人の心や感情を否定することと同じだと思います。
低い評価を受けて落ち込んだり、傷付いたりしている書き手さんに「1ポイントも大切な評価。評価をしてくれるだけでありがたい」と前向きな言葉を浴びせる人が多く、そのことが私個人にとって、なんだかやるせなかったのです。
真剣に、必死に書いた作品をどこの誰かもわからない人に「1:1」と評価をされ、なぜ、その評価をしたのか、明かされることはない。つい悪い意味で捉えてしまう書き手さんに、「悪く捉える方に問題がある」というような、追い打ちをかけるような人もいて、行き場を失くしている書き手さんもいるように思えたのです。
解決のための記事というよりは、最低評価に傷付いても、それは悪いことじゃない、あなたの責任じゃない、そういうことを伝えたかったのです。
真面目な人ほど「1:1」評価を重く捉えてしまうでしょうし、そんな自分を責めてさらに悪循環に陥ることもあるかもしれません。
ですが、繰り返し言います。
なんの説明もなく、最低ポイントをつけられたのなら、手放しで喜べないのは当然です。
頑張って書きあげた作品に「最低評価」をされて悲しいと思うのは普通です。それが好意や応援であってもです。
「1:1」が好意の可能性もあると言う人もいるでしょうが、明言されていなければ「批判されている」「つまらない」と言われている可能性も同時に含んでいるのです。その可能性に傷付いたり、不安になったりするのは普通です。無理に前向きに捉えようとしなくていいんです。
また、好意や応援であっても「その中では最低」であることに変わりはありません。
上を見れば4ポイントの好意や5ポイントの応援もあるのに、自分に与えられたのは1ポイントの好意や応援。そのことを寂しいと感じるのは普通のことだと思うのです。
辛いものは辛い。悲しいものは悲しい。ムカつくと思ったならムカつく。
それでいいんです。傷付いたり、不快になったりしているご自身を、ご自身で追い詰めないでください。
「1:1」評価をされたことが辛いのは、それだけあなたが自分の作品に情熱と愛情を注いだということですから。
むしろ、否定されたことに傷付くほどに、あなたはその作品を大切に、真剣に書きあげたのです。そして、それほどの作品を生み出せた喜びだけは忘れないでください。