表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
~監査人・三ツ谷 華~  作者: 船橋新太郎
第1章・~宝石箱~
PR
34/34

第三十四話 白日の下に、そしてー

今回の登場人物


■ ▢ ■ ▢


・三ツ谷 華 (みつたにはな)

蓮太と同じく乙名学科を専攻、卒業し、沙汰人として、周囲からは女史と称える人格者。監査人といわれる権力に打ち克つ役職として、活動を開始した。前髪パッツンのボブスタイル、青いタータンチェックのベレー帽を被り、服装も気品漂うお嬢様スタイルに変貌。


・羽黒 宗助 (はぐろそうすけ)

乙名専攻学科卒業後、官人を束ねる官人所役となって活躍。黒の燕尾服に白のウィングシャツに黒のリボンにシューズを履いて如何にも紳士的な服装。


冴島 五郎 (さえじまごろう)

乙名専攻学科卒業。日輪在住。時が経ち、宗助と同じ官人所役・日輪支部にて活躍。正義感が強く人道的だが応用の利かないところもある。今はスーツにネクタイ、シューズという姿で、祖柄樫山の闇組織・禍津社を追っていた。


・浦路 光之介 (うらじこうのすけ)

日輪の宝石商。宝石箱の唯一の生き残り。冴えない商人だが、ここ数年で大きく利益を出す。華らに命を救われ、協力することを誓う。違法なる南蛮人・ロベルト・ロマノとの秘密の取引場所を知る人物。


・置田 藤香 (おきたふじか)

故・蓮次の妻。器量と度胸に優れ、夫亡き後は置田勢を率いてきた。若い世代を教育後、村を託そうと切に願う。若くして蓮次に見初められた強靭で屈強な戦士の資質と、美しく気の付く女性の品格を持つ。


○宝石箱(九狼党)


・瑠璃川 三葉 (るりかわみつば)

置田村東部・秘八上の沙汰人で顧問。ここ数年で名を馳せるまでになった、上流階級の娘で33歳。平和的思想が美咲に買われ、刀禰から沙汰人へと上がる。気品に満ちた出立と話し方が、更にその人間性を物語る。曲線美を見せる為か、常に胸の谷間を象徴する着物と、片足は生足を見せる着こなしをする。その実は❝初夢❞と呼称される【宝石箱】の幹部。


・❝頭❞ (あたま)

九狼党のトップで、❝頭❞と呼称される絶対者。その実体は謎だが、祖柄樫山の表と裏で、かなりの権威を持つ存在とされる。


■ ▢ ■ ▢




【前回までのあらすじ】


違法宝石の流通を探る華は、次々と暗殺されていく重要参考人を保護することを考える。

華と宗助は、手に入れた顧客名簿に載る人物を追うも、❝宝石箱❞の顧客たちは、次々と暗殺されていくのだった…

華と宗助は、桐谷医院で死体と密書を見つけると、浦路と水本(貴婦人)が宿屋・波にいる事が発覚。

急ぎ、保護へ向かい、受付前で張り込んでいた。

不覚にも睡眠薬を混ぜたお茶で眠らされる宗助は、犯人が暗殺者・雪平若子と断定する。

急ぎ部屋へと向かう華と浦路は、惨殺された水本とその愛人を前に、憎悪と悲しみの気持ちを抱く。

浦路から、【宝石箱】の正体を聞くと、その一人【薔薇】は、祖母屋だった。

そして浦路が違法宝石を取引していたのは南蛮人で、その者の名はロベルト・ロマノ。

翌日、赤島の死体が上がり、華と宗助は、冴島と合流すると、福本も現れる。

赤島は心中したと処理する福本に、異を唱える華。

福本は冴島に、この事件の背後には九狼党の脅威を示唆される。冴島は、華に真実を話す代わりに条件として、今回は赤島の件から手を引いて貰う事を提示。

華ら一行は、秘八上へと向かうと、美咲の代理と瑠璃川と面会となる。

これまでの経緯と、薔薇も正体が祖母屋であることが、生存者の浦路からの情報と説明する華。

これに対し、瑠璃川は後日、連絡をすると残し、この場を解散する。

瑠璃川は、美咲に華との報告を済ますと、しばらく外回りをすると伝え外出する。

祖母屋と、その腹心・棋山は❝頭❞より結果報告にと一早く旅館・瀬織津へ赴いていた。初夢への対抗心を燃やす祖母屋。

しかし、二人へのその評価は散々たるもの。浦路は生きており、華は祖母屋の正体に気付いたことに、生かす価値を問うが、❝初夢❞が最後のチャンスを与えるよう、フォロー。

二人は、悔しながらも、それに応じ、華らの殺害へと向かう。

その運びをする❝初夢❞に才を感じる❝頭❞。❝初夢❞、彼女は実は❝瑠璃川 三葉❞だった。


そして、その正体も知らず、ただただ【宝石箱】根絶を目指す、華たちに、忌部と雪平の魔の手が忍び寄るも、華の機転と仲間の反撃で撃退する。

❝頭❞への報告をしに、棋山と出頭する祖母屋は、いきなり責を問われ、棋山は祖母屋を切り捨てようと反論を述べるも、毒茶を飲まされ殺されてしまう。

❝頭❞に藤香と華の会合の日を教えてもらうと、それが殺害の最後のチャンスと、毒茶にて二人の殺害を狙う。

そして、当日、華は藤香に謁見する。祖母屋の話をし、女中の手伝いをと台所へ向かう華。

しかし、その女中は祖母屋だった。決死の攻撃を振り切り、茶釜の湯を浴びせかけると、祖母屋はその毒茶を飲み込み、倒れる。

その時、遺言の様に宝石箱は九狼党の資金調達部隊であることと、その首領は豊倉であること、果ては❝初夢❞を殺して欲しいと華に託す。それが誰かを言い切る前に・・・

◎和都歴452年 3月27日 13時 置田村・本置田 置田家


馬車へ宗助と冴島、浦路を呼びに行った華は、皆を連れて戻ってくる。

藤香と家守が、改めて広間で出迎えていた。

「まさか、祖母屋自身が…?」

「恐らく特攻だろう。」

宗助の疑問に、藤香が答える。

「祖母屋の話から、宝石箱は九狼党の一味だとわかった。まずは、豊倉の確保が一番の近道だろう。」

「ただ、奴は今、白石組集会所の中ですね?」

藤香の整理に現状を答える宗助。

「ああ。」

「となれば、もう1人は❝初夢❞という女。かなりの地位にいるらしいが、情報はない。」

「情報…そう、三つ…三つとか言ってた!」

藤香の❝初夢❞に対する言葉に、付け加える華。

「三つ?」

「何て言ったのかよくわからなくて...『あの女、三つ』…って?確かに言ってた。」

宗助の疑問に答える華。

「三つ、というか…三ツ谷華のミツタニ…じゃないのか?」

「え?」

「最後を❝初夢❞を華に託した、とも取れる。」

宗助がそう推理する。

「そうかなぁ…?ミツタニ…?」

「…ここで推理してても仕方あるまい。」

華の悩みを他所に、締めくくる藤香。

「今後は、小さな事件に戻るとするか。いずれ、九狼党にぶち当たるだろう。」

「そうですね。」

宗助の今後の方針に同意する浦路。

「僕は禍津社の調査に戻ろうかと思う。」

冴島が溢すように話す。

「ああ。ここまで色々と助かったよ。」

宗助が冴島に礼を言う。

「お前はどうする、宗助?」

「ああ…浦路と共に、ロベルトとやらのルートを探ろうと思う。宝石箱から浦路が消えて、きっと後任を立てた筈だ。そいつにも繋がる可能性はある。」

冴島の質問に答える宗助。

「宗助と浦路の調査に期待、というところだな。華はどうする?殺されかけたのだ、少し休暇を取るか?」

藤香が華に優しく接する。

「殺されかけたのは、藤香さんもですがね。」

からかうように宗助が口を挟む。


「ーそうよ!」


「いきなり、どうした華?」

沈黙していた華が大声をあげると、宗助はびっくりする。

「私と藤香さん、2人を狙ったのよ?」

「え?ああ…だからどした?」

華の閃きについてこれない宗助たち。

「私と藤香さんがここで会うことを知っていた人、誰かしら?」

「…あ、そういうことか!」

華の機転に頷く宗助は、藤香を見る。

「ん?そりゃ家守と、栗の母親だけだと思うぞ?」

「その誰かが、九狼党に繋がる可能性はあるんじゃ?」

藤香の話しに答える宗助。

「ん?待てよ…春浪さんにも話した。」

「春浪?秘八上の副統括の春浪十茶?」

「ああ。しかし、彼は九狼党の事で人脈を使い、調査してくれている筈だ…」

藤香の春浪への恩赦に、皆は聞くほど疑惑も沸く。

「いや、春浪さんへは私が調べる。皆はそれぞれ、やるべき事に注力してくれ。」

「わかりました。」

藤香の話しに一同は納得する。


「じゃあな、無茶するなよ。」

冴島はそう言って馬車へ向かう。


「俺たちもそろそろ行くよ。またな、華。」

宗助と浦路も馬車へ向かう。


「では、私もこれにて失礼します。」

「ご苦労だった。華の活躍で、宝石箱は半ば壊滅だろう。思うところはあるだろうが、権威に隠れる事件は1つ、解決したのだ。今はゆっくり休むといい。」

「ありがとうございます。」

華の挨拶に応える藤香。


しばらく雑談をすると、それぞれの馬車が走り出し、帰路につく。


「九狼党…まさか…な。」

何となく危惧を感じつつ、馬車を見送る藤香だった。



◎和都歴452年 3月27日 22時 置田村・秘八上 旅館・泡沫 秘密部屋


「申し訳ございません、❝薔薇❞がやられ、華らの殺害に失敗したとの事です。」

「いや、予定通りだ。❝薔薇❞が死ねば漏れる情報もあるまい。」

「とはいえー」

「ー❝初夢❞よ、お前には期待している。次なる任務は既に与えてある。全うし、九狼党幹部入りを果たすのだ。」

❝頭❞が三葉の言葉を遮り、そう伝える。

そのまま、赤い羽織りをして席を立つ❝頭❞に、三葉は軽く会釈する。


華らは、一度、宝石箱と九狼党から離れることになるが、九狼党の躍進はこれから始まろうとしていた…

~監査人・三ツ谷 華~


    ー完ー


~監査人・三ツ谷 華~

これを以って完結となります。長い間の御愛読、ありがとうございました。


しばらく、華もお休みしますので、機会があれば、続編も考えていきたいと思います。

続編を描くことを考慮した上で、ここでは1部・完、ということで(笑)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
謎がたくさん残ってるので、続編楽しみにしてます。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ