第二十八話 初夢、その名はー
今回の登場人物
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・❝初夢❞ (はつゆめ)
九狼党の❝頭❞からも知性と教養、美貌に信頼を置かれる女性。現在の所属は不明ながら、九狼党に何らかの関りを持つらしい、胸を強調した着物に、片方の生足を出す美女。
・❝頭❞ (あたま)
九狼党のトップで、❝頭❞と呼称される絶対者。その実体は謎だが、祖柄樫山の表と裏で、かなりの権威を持つ存在とされる。
※回想
・豊倉 完以 (とよのくらかんい)
置田村南部・日輪の沙汰人で副統括。置田村でも指折りの豪商。出世欲が強く、またどこかケチで、小心者だが、知恵と金銭で権威を取り込んできた男。その実は九狼党への関与が疑わしい❝宝石箱❞なる組織の首魁。
・美咲 園 (みさきその)
若くして蓮次と藤香の側近となり、一揆でも大きな活躍と信頼を得たことで、置田村の乙名として村設立に関わった一人。非常に平和的で、革新的。男尊女卑と古い掟から真っ向から異を唱え、将来的には独自の村を設立しようと考えている。歳をとっても何処か色香を纏う雰囲気と服装。
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【前回までのあらすじ】
違法宝石の流通を探る華は、次々と暗殺されていく重要参考人を保護することを考える。
華と宗助は、手に入れた顧客名簿に載る人物を追うも、❝宝石箱❞の顧客たちは、次々と暗殺されていくのだった…
華と宗助は、桐谷医院で死体と密書を見つけると、浦路と水本(貴婦人)が宿屋・波にいる事が発覚。
急ぎ、保護へ向かい、受付前で張り込んでいた。
不覚にも睡眠薬を混ぜたお茶で眠らされる宗助は、犯人が暗殺者・雪平若子と断定する。
急ぎ部屋へと向かう華と浦路は、惨殺された水本とその愛人を前に、憎悪と悲しみの気持ちを抱く。
浦路から、【宝石箱】の正体を聞くと、その一人【薔薇】は、祖母屋だった。
そして浦路が違法宝石を取引していたのは南蛮人で、その者の名はロベルト・ロマノ。
翌日、赤島の死体が上がり、華と宗助は、冴島と合流すると、福本も現れる。
赤島は心中したと処理する福本に、異を唱える華。
福本は冴島に、この事件の背後には九狼党の脅威を示唆される。冴島は、華に真実を話す代わりに条件として、今回は赤島の件から手を引いて貰う事を提示。
華ら一行は、秘八上へと向かうと、美咲の代理と瑠璃川と面会となる。
これまでの経緯と、薔薇も正体が祖母屋であることが、生存者の浦路からの情報と説明する華。
これに対し、瑠璃川は後日、連絡をすると残し、この場を解散する。
瑠璃川は、美咲に華との報告を済ますと、しばらく外回りをすると伝え外出する。
祖母屋と、その腹心・棋山は❝頭❞より結果報告にと一早く旅館・瀬織津へ赴いていた。初夢への対抗心を燃やす祖母屋。
しかし、二人へのその評価は散々たるもの。浦路は生きており、華は祖母屋の正体に気付いたことに、生かす価値を問うが、❝初夢❞が最後のチャンスを与えるよう、フォロー。
二人は、悔しながらも、それに応じ、華らの殺害へと向かう。
その運びをする❝初夢❞に才を感じる❝頭❞。
❝初夢❞、彼女は一体何者なのか・・・
「さすがだな、❝初夢❞よ…」
「恐縮です。」
「宝石箱は閉め時であるという黒水晶の判断も然ることながら、その裏を操るは、まさか❝初夢❞とも思わないだろう。」
こうして宝石箱は一度閉じられた。
九狼党が手を回したのだ。
豊倉は、リスクを提唱し、祖母屋と棋山の計画に則って、忌部と雪平の手によって宝石箱は閉じられた。
では、赤島の暗殺を企てたのは一体誰なのか…
1人は、赤島が生きていることで乙名になる確率が減るであろう豊倉。
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「どうですかねぇ。既に、こう悩まされる時点で、我々の計画に支障を来しております。手を打つべきなのかもわかりません。」
豊倉は含みのある言い方をし、車窓から外を眺める。
※本編 第10章・23幕 闇を統べる者の面影より
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そして、もう1人…
「❝初夢❞からも提案があると聞くが…一体何かね?」
「はい。私からも1つ提案がありまして…」
その女性は座る時は足を組む。
そして生足を出している女性。
「彼の実質的な抹殺を提案します。」
曲線豊かな胸を強調する着こなし。
その名は…
「よろしい。来たる3月20日の会議にて、答えを出そう。」
「吉報をお待ち致します。」
「別件となる、浦路なる者の後継者として、私は❝初夢❞が妥当だと考えている。それもその当日、公に決を下す。」
「仰せのままに…」
❝初夢❞。その字の本当の名は…
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「赤島は…保険に知っている事を他の者にも話したといった…きっとその女中…おのれ!私の村造りもここまでか…」
絶望する美咲。
「いえ、私に名案がございます。」
瑠璃川がケダモノのような笑みを浮かべる。
※ 第10章・22幕 人間万事塞翁が馬 より
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その名は、瑠璃川 三葉…!
「❝初夢❞、お前の望みである赤島は沈黙し、南蛮人の違法宝石のルート確保においても素晴らしい成果をあげた。間もなく九狼党からも除名される者が出るであろう。その欠番に入ることを、予め約束しよう。」
「恐悦至極、ありがとうございます。」
「これからも、置田村を裏から手を廻し、祖柄樫山、本来の調和を保つのだ。期待しているぞ。」
❝頭❞の言葉に、瑠璃川は会釈する。
立ち上がり、再び会釈をし、出口へ向かう瑠璃川を、弱い灯りが照らし出す。
これからの秘めた野望を映し出すかの様に…
次回2026/5/1(金) 18:00~「第二十九話 初めての暗殺失敗」を投稿予定です。
※5月(金)はGW読書・強化月間です。
期間中は毎週(金) 及び祝日18:00に投稿致しますので、御期待下さい。




