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Rober -奪い続ける者-  作者: 椎葉
第1期
12/51

第12話 【Monster】

 幕が上がる。

 サングラスの男は、剣状のセオウを構え、俊に突っ込む。

 だが俊はそれを避けもせずに瑠魂で守り、弾いた。

「なぜお前がその武器をもっている?」

なぜSEOでない組織の者がセオウをもっているのか。

俊が質問した。


 「間抜けなSEOの奴らから奪ったのさ!使えると思ってな」

男が剣を振る。俊はそれを躱す。

「そんなところだろうと思った」


 「だがそれじゃあ俺に勝てる理由にはならないなぁ」

俊が笑みを浮かべて言う。

男はずれたサングラスを直し、言った。

「馬鹿が…これだけだと思うな」

男が剣を振り下ろす。すると剣が変形し、大きな口の形になった。

「餌だ!」

俊はそれを躱す。廃ビル内に大きな音が響いた。


「すごいな」

さっきまで俊がいた床がえぐられ、1階につながる形になっていた。


 「喰ったのか?その剣で」

男は剣を元の形状にし、言った。

「このセオウは喰って、パワーアップする」

再び剣で斬りつけようとしたところを、瑠魂で守り、男の腹に拳を喰らわせた。

「ぐ…ッ」



 「しかし今のSEOにはそんな技術はないはずだが?」

腹を抑え、男が言う。

「フ……当然だ、これは俺たちが開発した能力だからな」

俊の片眉がピクリと上がる。

「…………?それほどの技術者がいるのか?」

男は再び口の形をつくり、俊を襲った。


 俊はそれを避け、その口の中に瑠魂の弾丸を連射した。

 するとその口内に突き刺さった弾丸を飲み込むようにして口が閉じ、剣の形に戻った。

「技術者とは、少し違うな」


 そう言うと、男は瑠魂を出した。

 どうやらそれは尻尾のような瑠魂で、打撃・斬撃タイプ。

「なんでも構わないけどな」

 俊が右腕に力を込める。すると、その右腕に大きな蛇が這うようにして瑠魂が巻き付いた。

そしてそれは大きな剣の形を作っていく。


 「面白くなってきたじゃないか」

俊がそう言って数秒後、2人の姿が消えた。

砂塵が舞い、火花が散った。

「ラァッッッッ!!!」

男が叫ぶと、剣で俊を斬りつけようとした。だが俊は瑠魂で剣をはじく。

 だがその背後から男の瑠魂が俊を貫いた。

「――――――ッッッッ!!!?」

そして剣が再び口の形になった。


 「終わりだァァァぁッッ!!暴食ゥゥァァ!!!!」



 口が俊の左半身を喰った。

俊の右半身は転がり、動かなくなった。


 「はぁ…はぁ………」

男の唇が開き、声が漏れた。

「勝った……………」


 「勝ったんだ………!」

「あの暴食に……」

男が重い足を動かし、俊のもとへと歩み寄る。

(死んだか?)

動かない。


 「はぁ…この任務」


 「完りょ……う゛ッ!!!???」

ところがそこで床から伸びた瑠魂が男を貫いた。

「くっ……まだ生きていたか」


 「教えてやろう。このセオウはまさに」

俊が再生し、起き上がる。




 「"天災"だということを」





 俊の身体が吹き飛ばされ、窓が割れ、そとに飛び出た。

俊の腹を巨大な弾丸が貫通していた。

「そんな攻撃で」


 「俺が倒せると思うか?」

俊が瑠魂を伸ばし、ビルの壁に食い込ませて張り付いた。

「ほう」

男も飛び降り、俊と同じようにビルの壁に張り付く。

「行くぞォォォォォォ!!!」

男が突っ込む。俊は瑠魂で攻防する。


 俊の身体が斬り裂かれた。

だがその先にあるのは男の勝利ではなかった。

 男は自分の死を悟った。

目の前にいるのは、もはや魂喰いではない。更に恐ろしい怪物だ。

圧倒的速度で傷が再生し、その瑠魂は全身に纏い、さながらこの世の終わりを思わせるかのようなその姿は。


 純白。とても美しかった。


 男のサングラスが落ち、そして地面について壊れた。

 死に隠された刹那の美麗。

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