第十八話
我らが名物屋敷に無事に着いた双葉たちは今後の事を話し合っている。
「竹中殿。我が殿、織田信長に会ってもらえませんか?」
「大きな借りがありますゆえ、断れませぬな」
「拙者、殿より半兵衛殿の調略を命じられております。
何卒、織田家に仕えてくだされ!」
「それは信長殿に会ってから決めます」
「半兵衛殿、いっそのこと我ら風の党の同志になるのはいかがですかな?
大小さまざまな美女もいますぞ!」
「大小とは?」
「胸に決まっています⁈」
(決まっているのか⁈)
はてこのシチュエーションはどこかで⁈
「ずるいぞ、双葉! 色仕掛けは反則だぎゃ⁈」
「決めるのは半兵衛殿なれば、恨みっこなしですぞ、藤吉郎⁈」
「ぐぬぬ..」唸る藤吉郎。
「ぐふふ..」ほくそ笑む双葉。
「まあ、今日のところは我が名物屋敷の大風呂に入って疲れを癒して
大宴会といきましょう⁈」と龍馬。
「それは良い!」
(なんだろう?この居心地の良さは!
斎藤家に仕えていたときには決して味わえなかったな⁈)と半兵衛は微笑む。
双葉は早めに風呂を用意させて、そのあとの大宴会の準備も万全を期すようにと。
「皆、わかっているだろうな? 全力で半兵衛殿を籠絡...勧誘する⁈
なりふり構わず手段も問わず⁈
ぬかるでないぞ、標的は風呂場にいる! ゆけ‼」
おおー‼ 皆気合十分である⁈
色っぽい給仕係のお姉さん二人にも援軍を頼むと快諾してもらえた。
これで盤石の態勢⁈
これぞ、人事を尽くして天命を待つ⁈...であろうか?
双葉のこうゆうところはエロ師匠の影響をもろに受けている。
「半兵衛様、久作様♡ お背中を流します⁈」まさしく突然の乱入である。
「いやいやいや、それには及ばぬ! 構わんでくれ..よせ‼何をするか⁈」
「いえいえいえ、双葉様の厳命なれば是非もなし! お覚悟なされよ⁈」
「くノ一のエロ秘術、今こそくらいなされ⁈」と東雲姉妹‼ 口と手の動きがエロイ‼
風呂場は目も当てられない惨状と化す!
「うわあ!」 「ひええ‼」 半兵衛と久作の悲鳴が響き渡り修羅場が続く⁈
(どんな聖人君子であろうとも所詮は男!
体は正直、息子は元気‼〈御無礼!韻ヲフンデミマシタ⁈〉 チョロイもんじゃの⁈
ぐふふふ..)崇高な大志をもつ者のやることではないと気付かない双葉であった。
〈この場面はR15では許されない映像ゆえに音声のみになるやもしれるな⁈
筆者としてはそう感じざるを得ません⁈〉
半兵衛が目を覚ますと目の前に双葉たちが座っていた。
「おお、気づかれましたか! 誰ぞ冷たい水を‼」
ゴクゴクと一気に飲み干し起き上がると双葉が
「半時《一時間》以上も風呂に入ればのぼせるのも無理はありませぬが、半兵衛殿らしくもない(笑)。」
「双葉殿の差し金のせいではないか⁈」語気に怒りが見て取れる。
「はて? それがしのとは、何のことで?」白を切る双葉。
「風呂場での行き過ぎた接待?です!いくらなんでも度が過ぎましょう‼」
「はてさて、そのようなことをそれがしが指示するなど滅相もござらぬ!
湯あたりして気を失って良い..悪い夢を見たのでしょう⁈」堂々と白を切る双葉。
「あれは決して夢などではないぞ‼」
一歩前に出た東雲姉妹が
「その件は我らが説明いたしましょう。
我らの秘術春香の術で眠らせた後、耳元で暗示をかけエロイ夢を見させる秘術〈猿の自慰〉つまりるところ幻術です。
夢での出来事なれば何一つ気になさることなどありません。」
「そうだったのか? そうとは知らずとんだ御無礼を⁈ 許されよ、双葉殿!」
「頭を上げてくだされ、我らは全然気にしておりませぬ。
それよりもうすぐ宴の、用意ができますれば、着替えて広間の方に来てくだされ。(チョロ衛兵殿!)」
「わかりました。すぐに着替えて行きます」
浴衣を脱ぐと全身に赤い痣がある。
(はて? 何かに吸われたような痣、面妖な⁈
半兵衛を上座に座らせ双葉が口上をきる。
「皆の者! この席に竹中半兵衛重治どのを迎えることができ、めでたき事この上なし!
自慢の料理に銘酒、宴会芸も用意してあるので今宵は無礼講で存分に楽しみましょうぞ!」
東雲姉妹による〈もすらの歌〉と奇妙な踊りの爆笑で始まった。
ヒューヒュー‼ 指笛が止まない⁈ 笑えるうえにエロすぎる‼
次は十三と紫忍による胸振り裸踊り! 腹に人の顔がかいてある定番の芸。
さらには東雲姉妹の新曲が披露される。
曲名は恋の風雅
《パヤ、パヤパヤ♪ ダダン パヤ、パヤパヤ♪ ダダダン
ダッダラダーダ、ダッタッタダーダ...
追いかけーて(ダンダン)追いかけーて(ダンダン)
すがりつっきーたいーの♪(ダダン)
...
息のピッタリ合った見事な振りつけ!
拍手大喝采が起こる。
この姉妹は忍びではなく旅芸人こそが本職なのでは⁈
「竹中殿、しっかり精をつけ性器を..精気を養なってくだされ⁈」
「私は生まれてこの方、これほど腹の底から笑えたことはなかった。
生まれ変わったような気分です。 感謝します、双葉殿⁈」
「過去の無用のしがらみや嫌な思い出は笑って吹き飛ばす家訓なればこそ⁈
これで明日の信長殿との謁見では無の心で話ができればよいですな」
「自分の正直な気持ちに従って身の振り方を決めようと思います」
「うんうん。」(念のためにもうひと押ししておくか⁈)
「半兵衛殿、そろそろ宴も終わりに近い。
今宵の夜伽は誰が良いか希望はありませんか? 大小より取り見取りですぞ‼」
「いやいや、それには及びませぬ!」
「いえいえ、遠慮は無用ですぞ!」
「いやいやいや‼」 「いえいえいえ‼」
(何か妙な既視感だな。 本当にあれは幻術だったのだろうか?)
(むう、何やら疑いの眼差し! これ以上の無理強いは逆効果か⁈)
「わかりました。 ただし今後のために一つだけお聞きしたい⁈」
「今後のため? 良いでしょう、何なりと聞いてください」
「ズバリ竹中殿の...好みは大中小のいずれであるか?」
「答えぬわけにはいかないようですね、私の好みは...
小です‼」
今公明がまさかの絶滅危惧種・貧乳派⁈
黒忍や双葉にも需要があるとは驚きである‼
ここぞとばかり黒忍は紫忍に胸を...ない胸を張り
「ふふん、どんなもんだい⁈」と。
紫忍は「チッ!」と舌打ちをしてそっぽを向く。
宴会はいつ果てるかも知れず夜が更けていく...
翌日 清洲城 謁見の間
「信長様、竹中半兵衛重治殿を連れて参りました」
「おお!でかしたぞ、藤吉郎! 竹中殿、よくぞ参られた!」
「お初にお目にかかります、竹中半兵衛と申します」
「単刀直入に聞く。半兵衛、織田家に仕える気はあるか?
あるなら十分な待遇で迎えるぞ!」
「そのことですが、木下藤吉郎殿の配下として織田家に仕えたくお願いします」
「直臣ではなく藤吉郎の家臣が良いと申すのか⁈
ふむ...よかろう、許す!
ときに半兵衛、美濃攻略の糸口となる助言はないか?」
「美濃三人衆の一人、大垣城城主安藤守就は私の義理の叔父にあたり例の稲葉山城の乗っ取りに手を貸してもらいました。
ゆえに斎藤龍興とも折れ合い悪く調略出来るかと思います。
守就が織田家につけば残りの三人衆、稲葉一徹と氏家卜全も織田家に味方する公算が大です。
支城をなくした稲葉山城ならいかに難攻不落といえども攻略は不可能ではありません」
「見事な献策! 明日から実行せよ‼」
「明日からと言わず今から大垣城に向かいます」
「その意気やよし! ところで双葉よ、浮かぬ顔だな?」
「藤吉郎にトンビに油揚げ攫われました⁈」
「半兵衛のことか、儂とて同じ気分じゃ。
小六といい半兵衛といい、猿め、なかなかの人たらしじゃの⁈」
「なかなかどころか《《希代》》の人たらしですぞ」
「それにしても噂以上じゃ、今孔明・竹中半兵衛⁈
墨俣以後は美濃攻略は遅々として進まず悩みの種であったが、一気に目途がたった!」
「半兵衛殿はできもせぬことを口にする方ではありませぬ。
数日後には城と領地ごと美濃三人衆を調略するのは間違いないかと」龍馬が断言する。
「吉報が届き次第すぐに稲葉山城を攻める!
皆の者、努々《ゆめゆめ》準備を怠るでないぞ‼」
三日後にその吉報が届いた。 美濃三人衆調略完了!
まさしく電光石火!
信長は稲葉山城へ全軍出撃の命を出した!
稲葉山城を取り囲む信長の本陣に、藤吉郎が献策の進言にやってきた。
「正面から力攻めをすればこちらの被害も甚大になります。
そこで少人数で山の裏側から搦手にまわり忍込み
謀反と裏切者の虚言で混乱させ、さらに火の手をあげる。
火の手を合図に正面と内部から同時に攻めれば必ずや成功するかと」
「面白い! やってみよ。
ただし時間がかかりすぎたときは失敗したと判断して城攻めを始めるぞ⁈」
「御意! ときに双葉殿、是非とも手を貸していただけませぬか?
双葉殿が加われば百人、いや千人力⁈」
「お断りします!」真顔で即答する双葉!
どうやら半兵衛の一件をまだ根に持っているようだ。
意外と執念深い⁈
「さ、さようか...致し方ありませぬ、我らだけで...
情けなそうな表情の藤吉郎。
「冗談です! 同行しますよ」舌をだして笑った。
「人が悪いですな、双葉殿は⁈」
「今頃気付かれましたか⁈」
稲葉山の裏側のふもとまで馬で行けるところまで行き、下馬して徒歩で険しい道なき道を登る。
途中かなりの絶壁(といっても双葉の胸ではない⁈)もあり、ロープを用いて乗り切った。
これだけ険しいと大軍など進めようはずもなく、当然斎藤家の見張りも見当たらない。
中腹ぐらいまで進むと斥候の小胸が戻り
「少し先に木こり小屋らしきものがあり、人の気配がする」とのこと。
慎重に近づいて窓から中を覗くと、まだ若い男が一人。
入り口で声をかけ藤吉郎と双葉だけが小屋の中に入れてもらった。
若い男の名は茂助といい、代々木こりで生計を立てているという。
聞けば稲葉山城の搦手まで案内できるという。
首尾よくいけば藤吉郎が家臣に取り立てる約束で案内を快諾した。
これで大幅に時間が短縮できる。
それでもかなりの時間を要してようやく搦手に着いた。
見張りは二人しかいないうえに、こちらからくるとは露とも思わない様子で
まるで警戒心など感じられない。
東雲姉妹が同時に二人の見張りを倒し内側から閂を外して侵入する。
あとは手筈どうりあちこちに火を放ち「謀反だあ!」「裏切り者だあ!」と叫んで廻る。
東雲姉妹には早めに武器庫の場所を探り抑えるように指示をだし、残りの者で天守の最上階を目指す!
途中で出会う斎藤家の武者を次々と蹴散らして進む。
少しでも早く斎藤龍興の身柄を拘束すれば敵味方どちらの流す血も少なくて済む。
難なく最上階に辿り着いた双葉たちは数人の護衛の武者もあっさり倒し竜興に
「これ以上家臣の血を流したくなければ降伏されよ⁈」と。
「わ、わかった! 降伏する⁈」
「皆、勝鬨をあげて竜興の降伏を布れてまわれ⁈」
えいえいおー‼ えいえいおー‼
ほとんど無傷に近い状態で稲葉山城を手に入れた。
上機嫌の信長の前に斎藤龍興が座らされている。
「あの道三の孫がこのような馬鹿面のはずがない! さては影武者だな⁈
殺す価値もない、放してやるからさっさと立ち去るがよい⁈」
「馬鹿面じゃと⁈ 儂は影武者などではない、本物じゃ!」
「さあさ、こちらへ。影武者殿⁈」と半兵衛。(竜興の顔を知らぬはずがないのに結構人が悪い!)
「達者でな、影武者殿よ! わっはっはー‼」信長の高笑い⁈
―以下に続く




