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序
『そなた……、生きているのが難しそうじゃな』
突然、眩い光が放たれたと思い目を閉じていたら、そんな声が聞こえ、同時に目を開けると怖いモノは消えていた。そして、眩い光が放たれた方から聞こえてきたコエに視線を向けると、なんだかとても古めかしい衣装の美しい女性が地面から数メートル浮いた状態で、無表情で片膝胡座に肘をついてこちらを眺めていた。
「な、なに?」
春香は怖いと思いながらも心のどこかで相手に敬意を持っている己の気持ちを持て余しながら、目の前の存在に問いかける。恐れ慄く自分の心。けれど一方で神々しく恭しい気持ちも持ち合わせる自分の心もある。それが畏怖、という感情であることを身を持って知ったその日。
春香の十九年という短い人生に、新しい風が吹くことになった。
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