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第三章 落ちこぼれ剣客と神算の事務屋。三国志の英雄たちが「ドン引き」した、たった一夜の復讐譚 徐庶と向朗の完全犯罪  作者: こくせんや
第一章 丞相を継ぐ者 諸葛亮の法に抗い、諸葛亮の情を支えた一人の友の物語。

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30話 撤退戦 生きるための嘘を民に授け 泥の誇りは静かに明日を救う

本日1話目になります。

【崩れ去る砂上の楼閣】


 街亭での敗戦の報が届いてから、二日が過ぎた。

 天水郡、冀県城。


 かつて私が「漢室復興の手本」として心血を注ぎ、物流と法整備によって繁栄の兆しを見せていたこの街は今、長雨の続く春の空の下で沈黙していた。


 執務室の窓から見下ろす街並みは、数日前とは別世界のように色を失っている。


 軒先からは雨垂れが絶え間なく落ち、活気に満ちていた大通りの土は、無数の足跡によって泥沼と化している。行き交うのは、希望に燃える商人ではなく、逃げ支度を急ぐ荷車の列と、不安に押しつぶされそうになりながら彷徨う民の姿だけであった。


「……無念だな」


 私は、誰に聞かせるでもなく、湿った唇からその言葉を漏らした。


 机の上には、書きかけの都市計画書が残されている。この春には市場を拡張し、夏には水路を引き、秋には涼州の特産品を成都へ長安へと送り出す――そんな青写真が、墨の乾かぬうちに紙屑同然となってしまった。


 馬謖の敗北は、単なる一軍の敗走ではない。


 諸葛亮丞相が描いた壮大な北伐の絵図面を、根底から覆す失態であった。

 そして、私がこの地で積み上げてきた「信頼」という名の石垣もまた、雪解け水に洗われるように音を立てて崩れ去ろうとしている。


「向朗長史。……そろそろ、お時間です」


 副官の姚伷が、扉の向こうから声をかけた。その声もまた、湿気を含んで重く沈んでいる。

 私は杖を握りしめ、老いた身体を椅子から引き剥がした。


 軍の撤退準備は、有能な部下たちが不眠不休で進めている。

 だが、私には長官として、どうしても果たさなければならない、最も重く、苦しい務めが残されていた。

 それは、私が「安全と繁栄」を約束した、この街の有力者たちへの「敗北の宣告」である。


【商館の重い空気】


 場所は、冀県の商館。

 数ヶ月前、私が蜀錦の美しさと漢の徳を説き、彼らを熱狂させたあの部屋である。


 だが今、そこに春の陽気はなく、雨の湿気と人の熱気が混じり合った、不快な空気が澱んでいた。

 集められたのは、天水郡の経済を握る「行」の長たち。

 隊商を束ねる鏢行の頭目、毛皮を扱う皮行の長、薬種問屋の主人たち。


 彼らは一様に押し黙り、私の顔を凝視している。その目は、獲物を見定める猛禽類のように鋭く、そして冷ややかだった。


 私は姚伷と楊顒を背後に従え、彼らの前に立った。

 言い訳はしない。美辞麗句も並べない。今の私にできるのは、事実を突きつけることだけだ。


「……単刀直入に言おう。我々蜀軍は、全軍撤退する」


 私が告げると、部屋の空気がピクリと震えた。

 だが、怒号は飛ばなかった。悲鳴も上がらなかった。


 彼らは商人だ。情報の風向きを読むことにかけては、軍人よりも鋭い。街の空気、兵士の慌ただしい動き、そして何より、私の苦渋に満ちた表情から、すでに最悪の事態を悟っていたのだ。


 鏢行の頭目が、低い声で問いかけた。

「……魏軍が、戻ってくるのですな」


「そうだ。一月、早ければ十日のうちに、張郃率いる本隊か、郭淮の軍勢がこの街に入るだろう」


 その言葉の意味を、ここにいる全員が痛いほど理解していた。

 魏軍が戻れば、待っているのは「裏切り者への粛清」である。


 蜀軍を歓迎し、物資を提供し、共に新時代の夢を見た彼らは、魏にとっては許されざる反逆者なのだ。


「向朗公よ」


 皮行の長が、しわがれた声で言った。


「あんたは言ったはずだ。『我らを信じろ、この地を王道楽土にする』と。我々はその言葉に賭け、蔵を開き、魏の役人を追い出した。……その結果が、これか?」


 責めるような響きはなかった。むしろ、賭けに負けた博打打ちのような、諦観を含んだ静かな問いかけだった。


 それが余計に、私の胸をえぐった。


「……すまない。私の力不足だ」


 私は深く頭を下げた。蜀漢の重鎮が、一介の商人たちに頭を下げるなど前代未聞だろう。だが、今の私にはこれしかできない。


「共に漢中へ来る者は、軍が全力で護衛する。財産については案ずるな。我々には『木牛流馬』と、規格化された『方寸』がある」


 私がそう告げると、商人たちの間にざわめきが走った。

 通常、敗走する軍は荷物を捨てる。だが、蜀軍には私が心血を注いで整備した、狭小な桟道も、泥濘む悪路も走れる輸送法がある。


「貴殿らの財産、商品、家財道具……その大半は、木牛が運んでくれるだろう。財産を捨てずとも、漢中での再起は可能だ」


 商人たちの目に希望の光が宿る。財産さえあれば、どこでも生きていけるのが彼らだ。

 だが、私は続けなければならなかった。残酷な現実を。


「……しかしな、木牛は疲れないが、人は疲れるのだ。漢中への桟道は険しく、雨でぬかるんでいる。いかに荷を持たずとも、その道程は過酷だ」


 私は商人たちを見渡した。


「体力のない老人、病弱な者、幼子……。そして、土地そのものに縛られた農民たち。彼らを連れて行くことはできない。途中で倒れれば、助ける手立てはないのだ」


 商人たちの顔が曇る。

 彼ら自身の財産は運べても、彼らの家族全員、そして彼らを支える地元の農民や労働者すべてを連れて行くことは物理的に不可能なのだ。


 選別せねばならない。

 行ける者と、残らざるを得ない者を。


 私は顔を上げ、彼らを真っ直ぐに見据えた。

 ここからが、私の最後の仕事だ。

 私は懐から一巻の書状を取り出し、彼らの前の卓に叩きつけた。


「残る者たちよ。よく聞け。……これが、お前たちが生き残るための『最後の商談』だ」


【裏切りの指南】


 私が提示した書状。それは、彼らに対する「蜀軍への協力命令書」の偽造品であった。


 そこには、極めて高圧的で、脅迫めいた文言が並べられている。


「魏軍が戻れば、残った者たちは必ず追及される。『なぜ蜀に協力したのか』と。……その時、こう答えるのだ。『蜀軍に脅され、無理やり協力させられた』とな」


 商人たちが目を丸くする。

 私は続ける。


「今すぐ帰って、全ての帳簿を焼け。我々との友好的な取引の記録を一切合切抹消するのだ。そして、この偽の命令書を魏軍に提出し、涙ながらに訴えろ。『我々は被害者だ。蜀の蛮族に財産を奪われ、従わなければ殺すと脅された』と」


 私は、部屋の隅に積まれていた軍資の一部、蜀特産の錦や塩を指差した。


「我々が残していくこれらの物資も、持っていけ。そして、魏軍が入城した際、先陣の将に『貢ぎ物』として差し出せ。魏の将軍とて人間だ。欲はある。手土産を持って泣きつく被害者を、無下には斬り捨てまい」


 場が静まり返った。

 彼らは呆然として私を見ていた。

 蜀の長史が、自らを悪党に仕立て上げ、敵への媚びへつらい方を指南しているのだ。


「向朗公……。それでは、貴殿の名誉はどうなるのですか」


 薬種問屋の主人が震える声で尋ねた。彼には足の悪い老母がいる。残らざるを得ない側の人間だ。


「後世まで、『向朗は民を脅し、略奪して逃げた悪徳官吏』として語り継がれますぞ」


 私は、ニヤリと笑ってみせた。それは、古狸と呼ばれる、ふてぶてしい、けれどどこか寂しげな笑みだったはずだ。


「構わんよ。私の名声などで、お前たちの首が繋がるなら安いものだ。……それにな」


 私は声を潜め、悪戯を企む子供のような顔で身を乗り出した。


「勘違いするなよ。これは単なる慈悲ではない。……私の『欲』だ」


「欲……?」

「そうだ。私は諦めてはいない。いつか必ず、蜀軍はこの地に戻ってくる。その時、この街が廃墟になっていては困るのだ。残るお前たちには生き延びてもらい、経済の根を枯らさずに守ってもらわねばならん。……これは、未来の蜀漢のための、見え透いた打算に過ぎん」


 嘘だ。


 戻ってこられる保証などどこにもない。だが、残される彼らに「生きる理由」と「役割」を与えるためには、こう言って、自分が悪党ぶるしかなかった。


 商人たちの目に、光が戻った。

 絶望の色ではない。計算高く、したたかな光だ。彼らは私の真意――不器用な「生きろ」というメッセージを、商人の論理で受け止めたのだ。


 鏢行の頭目が立ち上がり、私に向かって拱手した。彼は屈強な若者たちを連れて、漢中へ向かう側だ。だが、残していく仲間への配慮に、目が潤んでいる。


「……承知いたしました、悪徳長史殿。貴殿の『脅迫』に屈し、残る者は泣く泣く魏に従うことにいたします」


 その口元には、微かな笑みが浮かんでいた。


「ですが、覚えておいてくだされ。我々商人は、借りは必ず返します。……いつか、必ず」


 彼らは次々と立ち上がり、偽の命令書と物資を抱えて部屋を出て行った。

 その背中は、入ってきた時よりも少しだけ軽く、そして逞しく見えた。


【当帰と遠志】


 商館を出て、官舎への帰路につく馬車の中。

 春の雨が屋根を叩く音を聞きながら、私はどっと疲れが出たのか、座席に深く沈み込んでいた。

 だが、まだ終わらない。もう一つ、片付けなければならない「情」があった。


 官舎の私の執務室。

 そこには、一人の若き将が待っていた。


 姜維伯約。


 天水の麒麟児と謳われ、今回の戦いで蜀に降った、稀代の英才である。

 彼は雨に濡れた窓辺に立ち、東の空――彼の実家がある方向を、じっと見つめていた。その背中は、張り裂けそうなほどの悲哀と葛藤に震えている。


「……姜維よ」


 私が声をかけると、彼はハッとして振り返り、膝をついた。


「向朗長史。……ご多忙の折、お時間をいただき感謝いたします」

「よい。……母親のことだな?」


 私が単刀直入に切り出すと、姜維は唇を噛み締め、小さく頷いた。


 彼は今回の撤退に際し、蜀軍と共に漢中へ行くことを決意していた。魏に残り燻るよりも、その才能を漢室復興のために捧げる覚悟を決めたのだ。

 だが、彼にはこの地に、年老いた母が残されていた。


「母上は……高齢で足も悪く、この長雨でぬかるんだ山道を越える旅には耐えられませぬ。木牛に乗せることも考えましたが、長旅の揺れには……」


 姜維の声が震える。体力のない者は連れて行けない。先ほどの商人たちと同じ理屈が、この麒麟児をも縛り付けていた。


「私が蜀へ行けば、残された母上は『逆賊の母』として、魏軍に処断されるでしょう。……私は、どうすればよいのですか。忠義を取れば孝に背き、孝を取れば忠義を失う……」


 若き麒麟児の頬を、一筋の涙が伝った。

 才能豊かな彼も、人の子である。肉親の情と大義の間で引き裂かれようとしているのだ。


 私は、彼の前に歩み寄り、その肩に手を置いた。


 私も同じような悲劇を数多く見てきた。かつて荊州で共に過ごした旧友徐庶も、母の元に残るため、我軍を去った。夷陵の戦いで、荊州の家族と今生の分かれとなったものも多い。乱世とは、常に家族を引き裂くものだ。


 だが、この才気ある若者を、ここで失うわけにはいかない。そして、彼に一生消えぬ後悔を背負わせるわけにもいかない。


「姜維。……私に考えがある」


 私は、机の引き出しから、一通の書状を取り出した。

 それは、あらかじめ私が用意していたものだ。


「これは?」

「ん? これか? 私がでっち上げた、『姜維親族に対する脅迫状』だ」


 姜維が目を見開く。


「お前は自らの意志で降伏したのではない。私が、蜀の悪徳長史であるこの向朗が、お前の母親の命を盾に取り、無理やり降らせたのだ。『従わねば母を殺す』と脅されてな」


 私は筆を取り、姜維に持たせるための偽の書き置きを、悪戯っぽく、しかし真剣な眼差しでしたため始めた。


「魏軍が街に入れば、当然お前の家も捜索される。その時、この脅迫状が見つかるようにしておくのだ。そうすれば、母君は『逆賊の身内』ではなく、『蜀軍に利用された哀れな人質』となる」


 姜維の手が震えた。


「そ、そのような子供騙しが、魏に通じるでしょうか。魏の法は厳格です。事情はどうあれ、私が蜀にいる限り……」


「通じさせるとも。……姜維よ、耳を貸せ」


 私は声を一段低くし、彼に最後の、そして最も重要な策を授けた。


「よいか。以後、お前の母君と、言葉は、文字は、交わしてはならぬ。否定も肯定も全て裏切りと解釈されるのだ」


「お前の母君に、こう伝えなさい。魏軍が来たら、将軍に会いを請い、白紙の手紙と共に、ある薬草を入れた錦の袋を、蜀にいるお前に届けたいと願い出るのだ」


「薬草、ですか?」

「うむ。『当帰とうき』だ」

 姜維がハッとした。「当帰……『まさに帰るべし』……」


「そうだ。母が子を想い、『早く故郷へ帰ってきなさい』と願う。……無骨な馬遵とは違い、再度魏から太守に任命されるような人物であれば、才ある者に違いあるまい。おそらく『当帰』に込められた母の悲痛な願いと、その教養の高さに感じ入り、母君の命までは取らぬだろう」


 これは、武器を使わぬ知恵の戦いだ。


 教養ある者同士であれば、言葉を交わさずとも意図を汲み取る「雅」が存在する。それを逆手に取り、魏の太守の情けと自尊心をくすぐるのだ。


「そして、お主はその母からの便りを受け取ったら、返書を送るのだ。……白紙の紙と、薬草『遠志おんじ』を包んでな」

「遠志……」

 姜維が呟く。

 「こころざし、遠大なり」。

 今はまだ帰れない。私の志は、遥か遠くにあるのだから――。

「そうだ。母への思慕を断ち切り、大義に生きる決意を、そして、心は遠い母と共にと、思いをその薬草に託せ。……そうすれば、魏の太守もお前の才能と覚悟を惜しみ、母君を丁重に扱うだろう。お前をいつか魏に呼び戻すための、大切な人質としてな」


 姜維は、ボロボロと涙をこぼし、その場に平伏した。

 床に額を擦り付け、慟哭する。


「向朗様……!! この御恩、骨に刻みます! 母を守り、私の志をも生かしてくださるとは……!」


 私は、泣き崩れる若者の背中を、無言で撫で続けた。

 酷な策だ。母と子、互いの無事を祈りながら、離れ離れに暮らすことを強いるのだから。

 だが、それが乱世を生きるということだ。


「姜維よ。生き延びろ。そして、いつか必ず、天下を平らげ、堂々と母君を迎えに行け。……それが、お前の『遠志』だ」


【泥の誇り】


 全ての処理を終え、誰もいなくなった執務室。

 私は椅子に崩れ落ちるように座り込み、天井を仰いだ。


「……あーあ。嘘をつくのは骨が折れるな。私には悪党の才能がないらしい」


 思わず、本音が口をついて出る。

 荒れた辺境の地に、法による安寧と経済という希望を抱かせ、彼らの心を掴んだ。

 だが、それもたった数ヶ月で水泡に帰した。


 その上、去り際にまた、民や姜維を、将来の「布石」として利用しようとしている。


 自分の舌先が、泥で汚れているように感じられた。 


「何をおっしゃいます」

 姚伷が、温かい茶を淹れながら静かに言った。


 彼と楊顒は、ずっと私の側で、この汚れ仕事の一部始終を見ていた。


「市井の者たちは、去り際に一様に感謝を伝えていましたぞ。『脅すのではなく、逃げ道を教えてくれた征服者は初めてだ』と。……貴殿が蒔いた種は、決して無駄ではありません。彼らは、貴殿の計算高さの中に、生きるための知恵を見て取ったのです」


 姚伷の言葉は優しいが、今の私には気休めにしか響かない。


 結果として、私は体力のない弱者たちを、魏の報復の前に置き去りにするのだ。敗北の責任を、彼らに押し付けて。


 その重苦しい空気を払うように、楊顒が冗談交じりに口を開いた。


「まあ、このような仕事、他の誰にできましょうか。もし魏延将軍であれば、話しかけるだけで民が怯えて逃げ出してしまいますよ」


 楊顒は肩をすくめて笑った。

「『ついて来ぬ者は斬る!』と怒鳴りつけるか、あるいは、あの鬼神のような顔でボロボロと大粒の涙を流し、『すまぬ!すまぬ!!!』と大声で無念を伝えて、民を困惑させるか……。どちらにせよ、まともな話し合いにはなりますまい」


 その光景がありありと想像でき、私は思わず苦笑した。

 確かに魏延ならば、感情のままに行動し、その結果、数十万の民が恐慌をきたして桟道に殺到した、二十年前の荊州・長坂の悲劇が再現されていただろう。


 情熱だけでは、人は救えない。

 涙や怒りだけでは、守れないものがある。

 冷徹な計算と、嘘をつく度胸、そして泥を被る覚悟を持った「法」の運用者が必要なのだ。


「……ああ。そうだな」


 私は立ち上がった。

 腰の痛みは消えていない。心も晴れない。だが、足は前を向いている。


「もうひと頑張りだ。我らは、我らだからこそ、最後まで法と規律を守らなければならない」


 窓の外では、撤退の準備をする兵士たちの足音が、ぬかるんだ地面を叩いている。

 春の長雨は上がったが、道はまだ深い泥に覆われているだろう。


 英雄にはなれない我々が、英雄たちの尻拭いをし、嘘と泥にまみれながら、民の命を一つでも多く拾う。

 それが、この撤退戦における、向朗という男の戦いなのだ。

 私は茶を一気に飲み干し、再び杖を握りしめた。

 漢中への道は遠い。だが、泥の靴で、一歩ずつ進むしかないのだ。

単に戦に勝つだけでなく、政治戦でもあるのですから、撤退するにもしなければならないことが山程あります。夜逃げするわけにはいきません。そんなイメージですね。

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