姫様との初夜
初手から釣ろうとしている気配がプンプンしてやがる……!
朝早く目を覚ますのは農家としては絶対に外せないスキルである。つまり俺は毎日のようにとても早い時間に目を覚ます。そして農家として我が野菜たちの水やりなどをしなければならないのだ。
「んー、今日もいい朝だな」
俺は伸びをして窓の外を見る。光が照らされていい気分だ。が……
「なぜに姫様がここにいるんですかねぇ……」
横で眠る姫様はとても繊細で可愛らしい寝顔をしている。
「……まぁいいか、とりあえずは……農作業だ」
といつも通りに水やりをして、収穫時である作物はサクサクと収穫していく。
今回の野菜は少し重く、前回のものよりも味が良くなってると重さだけで感じれるほどだ。
……というより最近、ウチの土がどんどんいいものに生まれ変わっている気がする。
「土が変わるってのも変な話か……」
と思ったが、なんか前ギルドでステータスシート見せられた時に変なものがあった気がするのも事実……。
「ギルドに行ってスキルの詳細とか聞いても答えてくれるのかな……?」
「それなら、城にスキル関連のものの詳細を調べられるものがありますよ」
「お、そうか……ふむ」
なら城に……って、
「起きたのか」
「はい、でも起きた時に隣にアナタがいなかったので、どこにいるのかと」
「俺は農家だぞ?朝に農作業せずにいつするんだ」
言ってることは間違ってないはず、ほら、昼は店もやってるしね?
「まあ、そうですが……私が隣にいて何も思わなかったんですか?」
「ん?一人だと眠れないから一緒に寝て欲しかったとかそんなところじゃないのか?リーンなんてよく俺の布団に潜り込んでるぞ」
ちなみにこういうことを言うことで結婚する気はないと暗に伝えるという遠回しだが、あなたのことを異性として見てませんよ?を伝える。地味に効果的なセリフだったりする。
「いや、確かに城の外で寝たのは初めてなので少し寂しかったですが!!!」
「ほら、なら俺は別に気にしないぞ。まぁあんまり毎日やられると朝から心労はたえないがな」
だっていきなり隣に人いたら何事かと思って変に覚醒するし、最近はリーンだってすぐに気付けるから心労は減ったが……、姫様はまぁまだ慣れないだろうな……。
「隣で美少女が寝てるのに、何もしないとか大丈夫ですか?」
「少なくとも隣で美少女が寝てるだけでなにかするやつの方が大丈夫ではないと思うがな」
「いや……まぁ、そうですね……」
わかってくれたなら嬉しい、が、顔を少し染めながらコチラをちらちら見てくるな。なんか変なこと言ったのか俺は。
「そろそろ朝ご飯でも食べるか!朝の仕事は終わったしな!」
と気持ちを切り替えるように声を出した。
「よし!とりあえず飯だ。後のことはその後で考えよう」
「手伝いましょうか?」
「いや、姫様は待っててくれると助かる」
リーンが手伝ってくれるからな。台所に三人も入らん。という旨を伝えると、渋々了解をもらった。そしてその後、三人で朝ご飯を食べていると……畑の方で音が。
「食事中なのに……全くもって迷惑だな……」
多分いつものアレだろう。と思いつつも畑に出るとそこには案の定、巨大ミミズがいた。最近出没頻度が上がってる気がする。コイツは倒しても経験値が全く入らないほど雑魚なのでレベルは上がらないのだが、俺のモンスターとのバトル経験値は基本コイツしかいなかった。
ということでいつも通りサクッと倒し、収納スキルに詰め込む。
「……そろそろ収納スキルの中身もミミズばっかりになってきたなぁ……」
そうだな。じゃあ今日はギルドと城にでも寄るか。城は……まぁ、ギルドにスキル情報が無かった時の保険だからあまり行きたくないけど……。と今日の目標はそんな感じに決まった。
巨大ミミズ
「ジアースザタイラント」というモンスター。動きはとても遅く行動が読みやすいが、一撃で家屋を倒壊させるほどの力を持つ個体も多く、重要駆除対象として農家の平和を乱している害虫。
そしてこの世界の経験値システムですが、「強い敵を倒すと経験値が入る」「経験を詰んだものにしか経験値は入らない」とか一応複雑な設定があり、主人公は最初から戦闘経験があり、なおかつダメージを一切喰らわずに討伐してるため経験値が入ってません。そしてゴブリンの時はレベルが上がるほど経験値は貰えてませんでした。勇者が割と活躍したからね。という訳で彼のレベルは1のままです。(まぁ別にレベル1縛りじゃないしレベル上げてもいいんだけどね)
面白いよー、とか思っていただけたら感想、レビュー、評価をしてくださるとありがたいです。
では次回……。




