表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
40/47

40.壁ドン


「あぁん♪ 参りましたわん♫」



『「おおっとコレはどうしたことかぁー!?

あっという間に勝負が決っしてしまったー!!」』


一回戦第2試合

第5、第6王子の闘いは

互いがレイピアで2、3斬り結び

第5王子アズールが放った胸元への突きを第6王子ネロが絡め取りその剣をはじき飛ばし、そのままアズールの首元にネロが剣先を突き付けアズールが降参することで決着した。


ぶーーー  ぶーーーーー!

   ぶーーー     ぶーーーーー!

『「これには観客席からもブーイングの嵐ぃ!嵐ぃ!嵐ぃ!Oh!いえす!

はてさて、コレはいったいどういうことでしょうか?

解説のベルダーガ騎士長?」』


『「まあ、今の闘いを見る限り茶番。八百長でしょう。はじめから決まっていたのでしょうな勝敗の筋書きは。第5•第6の御兄弟の中で」』


『「なるほど。それにしても今回レギュ決めで王子本人同士のシングルマッチにするとは。コレはどういう思惑なのでしょう?騎士長?」』


『「温存。そして手の内を明かさないという事でしょう。自らの守護者の。この試合の勝者は次の準決勝であのライト選手と当たりますからね。彼の…あの強さは異常ですから。」』


『「確かに!中継魔導設備のトラブルで我々の放送は間に合いませんでしたが第1試合の勝者、第1王子の守護者ライト選手は闘技場を半壊させ観客席前の結界バリアーすらも突き破るというとてつもないスキル攻撃を放って一撃で勝利しましたからねぇ。」』


『「ええ、あのスキルは武道家職の究極(アルティメット)スキルですね。私も初めて見ましたが。まさか武道家職も極めているとは!驚きです!!」』


『「ところで騎士長。お聞きしにくいのですが第1王子の守護者について。

何故?貴方ではなく、あのライトという少年なのでしょうか?」』



『「単純な事です。」』

『「はい?」』


「…強いんだよ。あの小僧。

…このオレより。…満足か?…この答えで? 

え? 王立情報局長アヴィリスタ?」

ベルダーガは放送用マイクを包むように握り答えた。


『「ええ、ありがとうございます。ベルダーガ騎士長。そして。えー、只今、若干音声が乱れました事お詫び致します。」』


アヴィリスタは斥候(ぶか)からの情報で既にわかっていた事だが本人の口から直接聴いて情報をより完全なモノへ補完した。


集めた情報では

王国最強の騎士ベルダーガを2度破っている。

…あのライトという少年は。


1度目は油断も有ったのだろうが

昨夜は第1王子の御前でのことと聞いている。

…本当に強いのだな。彼は。



…やはり第1王子の次期王位、覇権は揺るがないのか?






「第2試合只今終わりましたー!スタンバイお願いしまーす!」


守護者控え室にスタッフからの呼び込みの声が掛かった。


「マヂで出るんすか!?なんでなんで?

このアホになに吹き込まれたんすか!?姉御!?」


「失敬ねぇ。いや不敬である。第1王子守護者らいとよ。いや、この裏切りものぉ!部外者は出てってくださーい。ねぇ?プリンちゃーん!」


「そんな!まさか!姉御!いけません!

別に偏見とかではそういう事ではないんですが…

…あの、その、コイツのカラダなんて貰ってナニするつもりですか?…やっぱソッチ系だったんすか?姉御!…百合展開。まあアリよりのアリですけど。だったらもういっそ3人で!ごにょごにょ」


「ふぁ!あ、あほぉ!ナニがやっぱだ!

エアルのカラダなんぞいるか!熱苦しい!耳貸せ!ライト!」


「・・・ごにょごにょ」



うひょ!姉御の息がオレの耳に当たってるぅぅ。


「おい!聞いてんのか?ライト。」


「あ、はい。姉御の目的はわかりました。

でもやっぱ止めさせて下さい。ブラストはLV40くらいはあったのでちょっと勝ち筋が見えないです。」


「ライト。心配するな。勝ち筋はある。

まあヤバかったらすぐ降参するからよ。」


「でも…


「…お前と比べたら頼りなくて信じられねぇかもしんねぇけどよ。

たまにはさ…信用してくれよ。」


「あ…ちが」

姉御。寂しそうな顔してる。目もなんか合わせてくれないし。


…最近オレ、姉御を差し置いて仕切ったりしてたから

なんかいつの間にやら関係性がギクシャクしてる。

ダメだ。嫌だ!こんなん!


「姉御!」

どん!

「あっ


「す、すいません。あの


控え室から出て行こうとしていた姉御を気付ば壁ドンするカタチで止めていた。


お互いの瞳の中に自分が見えるくらいの至近距離で見つめ合っていた。


「姉御を信じてます。いつだって。オレは。一生。」


「…わかった。悪ぃごめんな。

なんか知らんがオレお前に対して卑屈になってたみてぇだ。

…見てな。ライト。カッコいいとこ見せてやるからよ。」


「はい!」

ドキドキドキドキドキドキ…うぅ既にカッコ可愛えぇ!

久しぶりに姉御とこんな近くで喋った気がする…。


「うおっほん!」

じーーーーっっっ


咳払い&ジト目のエアルが壁と壁ドンの間に頭を捻じ込んできた。…つまりくそ近ぇわ。


「まったく、プリンちゃん!

敵の守護者とイチャコラ禁止!

そして、らいとくん!決勝で会おう!!」


「じゃあ、レギュ決め行って来るね〜!」


超至近距離でほざいてから闘技場に向かうエアルを俺と姉御は笑って見送った。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ