僕と彼女の出会い 2
時間はあっという間に過ぎて行き放課後になった。
放課後に来るって言ってたんだけど遅いな。
現在時刻は5時ちょうどだ。教室にはもう誰もいない。
4時に帰りのHRが終わったのでもう1時間程ぼーっとしている。
ふと窓の外を覗くと運動部が汗を流しながら走っているのが見えた。
ご苦労様です……そんな僕は帰宅部だったりするんだけど。
そんなことを考えていると廊下から大きい足音が聞こえた。
「天海君!まだ居る!?」
激しくドアが開かれると同時に九条さんはそう言った。
「うん、ちょうど今来たとこだよ」
「そ、そんなデートみたいな事言わないでくれるかしら……ってここあなたのクラスじゃない」
「まあそんな事よりもさ、なんで僕を責任者に選んだのかとか色々と聞きたいことがあるんだけど」
「そ、そうね。まずは遅れてごめんなさい天海くん。」
「大丈夫だけど何かあったの?」
「え、えっと……」
話したくないことなら無理に聞かない方いいか。
「ま、別にいいや。時間もそこまで無いしね」
「そ、そうね!じゃあ早速天海君を選んだ理由だけど」
「楓」
「え?」
「だから、楓でいいよ呼び方。苗字とか堅苦しいの嫌だから」
「え?で、でも」
「あーなら別になんでもいいから、まずは説明して」
「あ、えっと、うん…」
「えっと……か、楓君?あなたを責任者に選んだのは」
「周りからの評価も高いし、すごく優れている人間だと思ったから、かな」
ああ、この人俺と同じだ。
「はっきり言えよ」
「……え?」
「だからはっきり言えって」
「え、えっと……」
「要は自分が会長になるために俺が責任者だと自分の票を集めやすいっていうことだろ?一々相手を褒めないと頼むことも出来ないのか?」
「……」
「あとさ」
「あ、あのさ!楓君さ」
「何?」
「な、なんでそんな急に口調が悪くなるのかな」
「お前と話してるとなんかよく分からないんだけどイライラするから」
我ながら酷い理由だな。
「は、はあ?何それ、わけわかんないよ」
「まあ別にお前が分かってくれるとも思ってないから別にいいよ」
「…っ!あんたねえ!」
「で、選挙はどうすんの」
「少しは私の話聞きなさいよ!!!!!」
これが本当の九条朱里か。
「九条朱里、だっけか」
「そうだけど、何?」
「なんで俺がここに来たと思う?」
「知らないわよそんなの、私をバカにしにきたんじゃないの?」
「まあそれもある」
「……っ!人をバカにするのもいい加減に」
「お前なんか悪い噂流れてるらしいな」
「……」
九条朱里は少しだけ下を向くとこう言った。
「それが何?」
「お前が会長になりたい理由は別になんだっていい、興味もないしな。けどお前が本当の自分を隠して生きてる理由はなんだ?」
「あんたこそ猫被ってるじゃない、教えなさいよ」
「ああ、けど教えない」
「は?それなら教えるわけ」
「その代わり教えてくれるならお前を生徒会長にしてやるよ」
「は、はあ?あんた何言って……」
九条朱里、お金を渡しているところをたくさんの生徒が目撃していた。
これでも噂には敏感な方だと思う。少し前に同じクラスの女子が教えてくれた。
「言い方を変える。なんでお前はイジメられてるんだ?」
「な……!なんで、知って……!」
「はあ?何言ってんの?お前イジメられてるの結構有名だぞ?」
イジメなんてのはよくある話だ。よく知ってる。
「なあ九条、俺はこの学院でお前にしかこの状態の俺は見せたことがない。つまり俺はこのことをバラされたら今まで積み上げてきたものが全部パーだ。」
「……?」
「俺はな九条、イジメられてるお前が生徒会長なんてものを目指すってのがすごく気に入ったんだ」
「……え?」
「お前さえやる気なら組んでやるよ、九条。楓君じゃなく俺なんかで良ければ、お前を生徒会長にしてやるよ」
多分俺は急にでてきた話に焦っていたんだと思う。
これで過去の失敗を少しでも取り返すことが出来る、と。
あー、ほんと……なんでこんなことしたかなあ!?俺は!!




