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第8話 家庭教師と成長

 あれからさらに3年程過ぎたある日、僕は5回目の誕生日を迎えていた。


 「「おめでとう。ライル。」」

 「「「おめでとうございます。ライル様。」」」

 「おめでとー。にーにー。」

 「ありがとう。」


 父母や使用人の皆に祝われて、僕は嬉しかった。毎年のことではあるが、今年はエリスもお祝いしてくれた。毎年恒例ではあるが、みんなに祝われてとても嬉しかった。食事が終わり、部屋に戻ろうとした時、


 「あッ、ライル。ちょっと待ってくれ、話があるんだ。」

 「何ですか?父さん。」


僕は父に呼び止められた。父は真剣な面持ちで、


 「お前ももう5歳になった。そろそろ頃合いだと思ってな。」

 「?何のことです?」

 

いったい何の頃合いなんだ?


 「あぁ、エイヴィスティン王国では、7・8歳から学校に通うことが義務なのだ。」

 「学校ですか...ですが、僕はまだ5歳になったばかりですよ。」

 「それはそうだが、お前には王立フィオレンツ学園に通ってもらおうと思っている。」

 「王立フィオレンツ学園...あっ、【投影石】を見せてもらった時に言ってた、王国最大最高峰の学校ですか。」

 「そうだ。よく覚えていたな。王国にはもう一つ、国立レーナンス学院と言う、こちらも学園と並ぶ最大最高峰の学校もあるのだが、貴族家の多くは王が創設したフィオレンツ学園に行くことが定石だ。そしてなぜ、まだ5歳になったばかりのお前にこのことを話したかというと、学園と学院はとても人気なので、入学試験があるのだ。」

 「なるほど。だから、これからその試験に合格するように勉強をしろ、ということですね。」

 「その通りだ。そこで、早速明日からしてもらおうと思っているのだが、問題ないか?」

 

いきなり明日からかよ。もっと早く言ってくれよ。まぁ、いいけど。貴族が多く来るなら、公爵家跡取りとして、今よりも貴族の嗜みも覚えとかないとな。


 「問題ありません。ですが、どのように勉強したら良いのでしょうか。」

 

試験内容とか、全くわからないぞ。それで、どうやって勉強しろというのか。


 「あぁ。それなら問題ない。専属の家庭教師を雇った。明日紹介しよう。」

 「わかりました。では、また明日。おやすみなさい。」

 「おやすみ。」


家庭教師か...気が合う人ならいいんだが...


・・・・・

・・・・・

・・・・・


 「おはよう、ライル。早速で悪いが、お前の先生を紹介させてもらうぞ。」


僕は、朝食を終えた後、父に執務室に呼ばれていた。執務室は、父が仕事に使う部屋で、普段は立ち入り厳禁だ。この部屋には重要な書類がたくさんあるからだ。1つでも無くなれば、大変なことになると父が言っていた。そんな部屋に父の他に見知らぬ人が3人もいた。


 「はい。3人もいらっしゃるとは驚きですが、紹介をお願いします。」

 「うむ。左から、武術講師のデスト先生、魔術講師のセルナ先生、学術講師のホーラン先生だ。」

 「武術、魔術、学術ですか。入学試験の内容とはいったい...」

 「そのことについては、後でホーラン先生にでも教えてもらえ。では、後は3人に任せます。うちの息子、ライルをよろしくお願いします。」

 「「「はい。お任せください。」」」


3人が同時にそう答え、僕たちは執務室を出た。てっきり1人だと思っていたから3人もいたのは驚きだ。

 デスト先生は左目に何かに引っ掻かれたような傷があり、スキンヘッドで40~50代くらいの厳ついおやじって感じの人だ。ちょっと怖そうだけど...

 セルナ先生は青い瞳をしていて、黄金色の長い髪を垂らした20代くらいの美人だ。いかにも「魔法使いです」って感じの白いローブを着ている。

 ホーラン先生は銀髪で白衣を着た、科学者って感じの丸渕眼鏡をかけた男性だ。この人は若くも見えるし、年を取っているようにも見えるが、寝ていないのか目の下にクマができていた。そのせいで、年を取っているように見えたのかもしれない。


 「えーと、ライル様。我々はどこへ行けば...」


僕が執務室の扉を閉めると、セルナ先生がそう聞いてきた。他の二人も同じことを考えてるといわんばかりにこちらを見ていた。そこで僕は、3人を連れて自分の部屋を目指した。部屋に向かう途中で、僕は気になっていたことを皆に言った。


 「皆さんそんな畏まらないでください。皆さんの方がずっと経験を積んでいるでしょうし、そんな方々に敬語を使われると変な感じがしますので...」

 「ですが...」

 「いいんですよ。僕はまだ5歳ですし。たまたまこの家(公爵家)に生まれただけで、皆さんと何も変わりません。ですので、どうか気を楽に。」

 「ライル様がそう仰るのであれば...」

 「様付けも禁止です。」

 「...わかりました。では、ライル君で...」

 「ありがとうございます。」


何か皆、おかしな人を見るような目で見てくるけど...おかしかったかな?でも敬語使われるのとか慣れてないしな。もう少し貴族然としているほうがいいのかな?同年代の子にはまだ数人しかあったことないからな。


・・・・・

・・・・・

・・・・・


 部屋に着くと、まず自己紹介をしたいとホーランが言ってきた。確かにまだ名前しか知らないし、素性もわからない人に教えてもらうわけにはいかないからな。一応確認のために鑑定しながら確認しておこう。


 「まずは儂から、儂はデストだ。昔は冒険者だったんだが、この左目の傷を負って引退した。今は冒険者組合(ギルド)の冒険者育成機関【ATI】の武術部門で働いている。Lv76で、適性は火属性だ。主に剣術を得意としているが、だからといって体術も不得意というわけではない。」


おっ、敬語はやめてくれたようだな。この見た目で敬語とか似合わないからな。おっと、〖鑑定Ⅹ〗っと。


[名前]    デスト

[年齢]    51

[種族]    人

[職業・称号] ATI武術指導2等担当官

[Lv]    76

[HP]    1960

[MP]    1278

[ATK]   7534

[DEF]   3876

[SP]    30

[魔法適性]

 火属性 

[スキル]

 〖戦闘能力上昇Ⅶ〗〖攻撃力上昇Ⅵ〗


へぇー、なるほど。嘘はついていないようだけど...2等担当官って何だろう。まぁ、その辺はおいおい聞いていくとして。次は...


 「次は私です。私は、セルナ・イーリス、魔法師です。Lv53で、適性は火属性、闇属性、無属性です。」


この喋り方は彼女の素なのだろう。3属性持ちか、なかなかだな。


[名前]    セルナ・イーリス

[年齢]    20

[種族]    人

[職業・称号] 魔法師

[Lv]    53

[HP]    867

[MP]    5431

[ATK]   2985

[DEF]   2153

[SP]    9

[魔法適性]

 火属性 闇属性 無属性

[スキル]

 〖魔法無詠唱化Ⅳ〗〖魔法威力上昇Ⅴ〗


MPが高く、他は低いな。魔法師だからなのか?まぁ、とりあえず、次が最後か。


「私は、ホーラン・バルト、エイヴィスティン王国の学術研究者です。あと...一応男爵家の次男です。」


[名前]    ホーラン・バルト

[年齢]    33

[種族]    人

[職業・称号] バルト男爵家次男/エイヴィスティン王国学術研究者

[Lv]    13

[HP]    175

[MP]    197

[ATK]   212

[DEF]   197

[SP]    2

[魔法適性]

 風属性

[スキル]

 〖記憶力上昇Ⅲ〗〖鑑定Ⅱ〗


なるほど、ホーラン先生は男爵家の出身なのか。Lv13か、研究を頑張っていたらそうなるよな。まぁ、勉強を教えてもらうだけだし、Lvなんて関係ないしな。

 全員のステータスを見たけど問題なさそうだな。でも、ホーラン先生が〖鑑定Ⅱ〗を持っているから、ステータスは隠蔽しとかないとな。そういえば、僕のステータスってあれからどうなったんだろう?3年もたったし、毎日だんだんトレーニングを厳しめにしていたし、ある程度は上がってると思うんだけどな...ステータスボタンを...


[名前]    ライル・ベリル・アドルクス

[年齢]    5

[種族]    半人(ハーフヒューマン)

[職業・称号] アドルクス公爵家長男

[Lv]    883

[HP]    321340

[MP]    1001429

[ATK]   997387

[DEF]   264536

[SP]    16669

[加護]    最高神ゼウスの進化型加護Ⅸ

[魔法適性]

 火属性 水属性 風属性 土属性 光属性 闇属性 木属性 雷属性 氷属性 無属性 

 神聖魔法 回復魔法 時空魔法 呪術魔法 精霊魔法 

[固有ユニークスキル]

 獲得経験値超増加 獲得SP超増加 限界突破 絶対防御

[スキル]

 〖鑑定Ⅹ〗〖隠蔽Ⅹ〗〖威圧Ⅹ〗〖恐怖耐性Ⅹ〗〖言語理解Ⅹ〗〖魔法無詠唱化Ⅹ〗〖鍛冶Ⅹ〗


おおー、かなりLvが上がったようだな。種族まで変わってる。スキルの〖魔法無詠唱化Ⅹ〗〖鍛冶Ⅹ〗はこの前、増やしたんだったな。これで寿命はかなり長くなったな...

 あっと、自分のステータスを見ていたら、3人がこっちを凝視してる。何か言わないとな。


 「えーとっ、じゃあ、自己紹介も終わったことですし、これからについて話合いましょうか。」

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