↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/47

第11話 新たな街と冒険者登録

 家を出てから3日が経った。普通、今回のような長距離を移動する場合、貴族は馬車などを用いる。さらに、爵位の高い者になれば、当然護衛もつける。しかし僕は、父や皆の勧めを断って護衛なしで、馬車もなしを選択した。理由は簡単だ。自分の身は自分で守るほうが、安全だからだ。馬車を断ったのは、魔法を使って自分で移動したほうが早いからだ。

 そんなわけで、馬車で20日の道のりの王都までを、3日で3分の2程進んでいる。アドルクス領である、エイヴィスティン王国の西方の街、屋敷のあるウェストーナから出発し、今までに3つの街を通ってきた。と言っても、街の中で宿泊したのは1つだけだ。ウェストーナと王都の中央に位置するワーライド。エイヴィスティン王国の中で5番目に大きい街だ。この街に寄った理由は幾つかある。1つ目は、【投影石】がどの程度の物なのかの確認。2つ目は、物品の市場価格の調査。3つ目は、冒険者組合(ギルド)への登録だ。






◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎     ◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎






 ワーライドの検問所の【投影石】は、父に説明してもらった通り、[名前][年齢][種族][職業][Lv]が分かる物だった。しかし、父の説明では〖隠蔽Ⅲ〗までなら無効化。ということだったが、ここの【投影石】は〖隠蔽Ⅳ〗まで無効化できるそうだ。街の大きさによって決まっているらしい。王都では〖隠蔽Ⅴ〗まで、無効化できる【投影石】が設置されているそうだ。やはり、〖隠蔽Ⅹ〗を無効化できるのは、〖鑑定Ⅹ〗と本物(オリジナル)の【投影石】のみのようだ。

 検問所を難なく通過した僕は、次に市場価格、物価の調査だ。ウェストーナでの価格とどこも同じとは考えにくい。そこで今後、ぼったくりなどの被害に合わないために、調査をすることにしたのだ。エイヴィスティン王国の通貨は下から、銭貨、鉄貨、青銅貨、銅貨、銀貨、金貨、白金貨、龍金貨、王金貨、神金貨がある。数が多すぎないか?間違えたりしないか?と思うかもしれないが、それぞれ流通頻度や特徴が異なるので、決してそんなことはない。ちなみに、これらの特徴は、

 

 ・銭貨 赤銅色 直径2㎝程の歪な形 花の紋様

 ・鉄貨 鉛色 直径2㎝程の歪な形 鳥の紋様

 ・青銅貨 濃藍 直径2㎝程の歪な形 双剣の紋様

 ・銅貨 銅色 直径2.5㎝の円形 表/王国印の紋様 裏/船の紋様

 ・銀貨 銀色 直径2.5㎝の円形 表/王国印の紋様 裏/国花の紋様

 ・金貨 金色 直径3㎝の円形 表/王国印の紋様 裏/国鳥の紋様

 ・白金貨 象牙色 直径3㎝の円形 表/王国印の紋様 裏/王城の紋様

 ・王金貨 若芽色 直径3.5㎝の円形 表/初代国王の肖像 裏/王国印の紋様

 ・龍金貨 鉄色 直径3.5㎝の円形 表/龍の紋様 裏/盾の紋様

 ・神金貨 月白 直径4㎝の円形 表/神の紋様 裏/天使の紋様


 こんな感じだ。だがこの世界は、物価の安い物と高い物の差が激しい。もちろん、季節や場所によっても物価が変わる。普通使われるのは金貨までで、高額取引では、白金貨以上も使われることがある。しかし、神金貨はほとんど使われることはない。ちなみに、ウェストーナとワーライドの物価はほとんど変わらなかった。あまり物価が変わっていないことを確認し、次に冒険者組合(ギルド)へと向かった。

 冒険者組合(ギルド)。それは、様々な依頼を引き受け、冒険者を派遣する世界最大級の組織だ。登録前の説明によると、依頼は雑用から、魔物(魔獣)討伐まで、何でもある。しかし、引き受けることのできる依頼は、冒険者ランクによって決まっている。冒険者ランクは、その人物がどれほどの腕前なのか、どのような性格なのかを検査し、決定する。上から、SS、S、A、B、C、D、Eランクだ。登録時に決定したランクから、上がるためには試験を受ける必要がある。普通、一般的なLv、HP、MP、ATKを持っていれば、Dランクからのスタートだ。スキルや魔法適性が多いほど、ランクが上がる。驚いたことに、登録は複数できるそうで、2つ,3つ登録している人もいるそうだ。

 今回僕は、無属性の上級魔法である十七段魔法〘身体偽造(ボディーフェイク)〙を発動し、大人の姿になってやって来た。ちなみに、エイヴィスティン王国の成人は17歳なので、17歳の姿だ。この街に来るまで、魔獣に何度か襲われたので、用心のために【制御(コントロール)腕輪(ブレスレット)】の<能力制限>をレベル3まで解放していた。ついでに、そのまま登録しようと思いつき、子供(7歳)でこのステータスはどうかとも思ったので、ワーライドの検問所を通る前に〘身体偽造(ボディーフェイク)〙を発動したというわけだ。ついでに、貴族であることも隠した。そのおかげで、面倒ごとになることもなく、検問所を通ることができた。

 

・・・・・

・・・・・

・・・・・


 そんなわけで僕は、冒険者組合(ギルド)いつもと違う(17歳の)姿で、登録検査を受けていた。


 「私は、2等検査官のイレーナです。今回、あなたの登録検査の検査官を務めます。よろしくお願いします。」

 「僕は、ライル...です。よろしくお願いします。」

 「ライルさん。では初めに、あなたの鑑定をさせていただきます。よろしいですね。」

 「はい。よろしくお願いします。」


【投影石】を持った検査官が、僕のステータスを調べ始めて間もなく、笑顔だった顔が青ざめていった。


 「あのー、どうかしましたかイレーナさん。」

 

僕の問いかけによって、10数秒固まっていた検査官が慌てて口を動かすが、声になっていない。


 「-------------」

 「ちょっと、落ち着いてください。」

 

 検査官が大きく深呼吸するとようやく、


 「えっと、ライルさん、いえ、ライル()。少しお待ちいただいてもよろしいでしょうか。」

 「あっ、はい。それは構いませんが、どうかしましたか。ものすごく焦っていたようでしたが。」

 「いっ、いえ、何でもありません。それでは少々お待ちください。」


なぜ、敬称がさんではなく、様になったんだろう。まぁ、それは良いとして、どうして待たされているんだろう。次は面接とかなんだろうか。

 それにしても、検査官焦っていたなー。何かまずかったかな。レベル3までしか開放してないからそこまでではないはずだけど。まぁ、なんにしても、名前をライルだけに変えといてよかったな。家に迷惑はかけられないし。

 しばらくすると、イレーナさんと見知らぬお爺さんと、()()()()()()おじさんがやって来た。


 「えーとっ、お前か、ありえねぇようなステータスを映したっていう新人は。」

 「ほーう、あまりそんな風には見えんが、本当なのかねイレーナ君。」

 「本当ですよ、支部長(ブランチマネージャー)。ほら、これ見てください。」


 3人の会話から、このお爺さんがここの責任者ということはわかったが、なぜここにあの人がいるんだ?僕に武術を教えてくれたデスト先生。たしか先生は、ATIの2等担当官。ここには関係ないんじゃ。


 「よう、お前がライルか。ライルっつーう名前の奴ぁ、皆そうなのかー。」

 「これ、デスト。そう、がっつくんじゃない。すまんなライル君。デストは優秀ではあるじゃがなぁ...」

 「ちょっ、支部長(ブランチマネージャー)そのあとは何なんだ。」

 「まぁまぁ、デストさん。そう熱くならずに。ライル様、申し訳ありません。」

 「いいですよ。それより、こちらの方々は?」

 「あぁ、すいません。こちらは、冒険者組合(ギルド)ワーライド支部支部長(ブランチマネージャー)のボーレドさん。こちらが、冒険者育成機関(ATI)武術指導1()等担当官のデストさんです。」

 

 えッ、デスト先生1等担当官ということは、昇進したのか。あっと、黙っていたら怪しまれるな。


 「どうして、支部長(ブランチマネージャー)さんが、いらっしゃったのですか。」

 「あっ、そうでした。支部長(ブランチマネージャー)、こちらを。」


イレーナさんが僕のステータスを映した【投影石】を支部長(ブランチマネージャー)に手渡した。


 「ムッ、これは。」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。