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配信ダンジョン育成中~育てた最強種族たちとほのぼの配信~  作者: 空野進
第5話『アメリカ最強探索者のミーシャ』

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閑話 最強?

 ミィちゃんの言葉はミーシャたちを震撼させた。


 巨大な大木を悠々と持ち上げ、少し力を込めたらダンジョンすら軽々と壊せるミィちゃん。

 そんな彼女が「勝てない」と言いきる相手が柚月八代だというのだ。


 一日接して、「ミィちゃん様」呼びを許可されるほどに仲良くなったミーシャには、ミィちゃんが嘘をつけるような性格でないことは優にわかっていた。


 つまり柚月八代は強いのだ!


 アメリカ最強の探索者として名が知れているミーシャだが、それでもミィちゃんに勝てるかと聞かれたらまず間違いなく負ける。

 それも一太刀浴びせることなく一瞬で――。


 確かに思えば最初からおかしかった。


 最強種であるレッドドラゴンが自分より弱い人に付き従うなんてあり得ないのだ。

 しかもその次には一瞬で傷を癒やせる精霊の女王。

 更には悪魔を従え、ドラゴン軍団を作り上げ、ゴブリンも一瞬で従え、挙げ句の果てにはフェンリルだ。


 しかし、それも柚月八代が最強であるなら話しが簡単だった。


 強いものに従うのは魔物の習性である。

 確かに前々から密かに『柚月八代魔王説』なんてものが存在していた。


 あんなに可愛らしい子がそんなわけない、と鼻で笑っていた説だったがあながち嘘でないとわかってしまった。


 そうなると落とすべき相手がガラッと変わる。


 ミィちゃんたちを落としてから最後にリトルテイマー自身を落とすのが正規ルートなのだとはっきりとわかった。


 いきなり魔王に対して「仲間になれ」なんていうバカはどこにもいない。

 いや、今までの自分たちがそうであった。

 むしろ仲間にしてもらう、が行動としては正しいのだ。


 そんな相手なのだから仲間になってもらうにはそれこそ世界の半分とかを用意しないといけない。

 さすがにそんなものを上位探索者パーティーとは言えたった数人が用意できるものではない。


 そもそも交渉できる立場にすらないのだから。


 まずは自分たちが交渉できる立場に立つために配下の者達に好印象を持ってもらう。

 その上で世界の半分に匹敵するような何かを用意してそれを元に交渉。


 自分たちの動きが決まったのだが、それでも上手くいくような気がしない。

 なにか自分たちはとんでもない勘違いをしているような気がする。

 しかし、そんなはずはない。


 なにせ直接ミィちゃんに話を聞いてそれを元に対策を立てているのだから。



「(ミィちゃん様はすでに半分落ちているようなもの。あとは精霊女王と悪魔かしら?)」

「(フェンリルも落としておいた方が無難じゃないか?)」

「(フェンリルって何が好物なのかしら? やっぱり肉?)」

「(配信だとドッグフードを美味そうに食ってたぞ?)」

「(じゃあそれの最高級品を用意しておいて。精霊女王は結構好みにうるさいから色んな種類の水を用意ね。悪魔は――)」

「(供物を捧げたら良いんじゃないか?)」

「(ならリーダーね)」

「(ちょっとまて。どうして俺が供物役までやらないといけないんだ)」

「(それ以外に悪魔の好物がわからないから仕方ないでしょ)」

「(ちっ、そっちは俺が調べておく)」

「(なら当面は様子見しながらじっくり攻略していくわよ。あと、あの悪魔がダンジョン作ってくれたおかげでリトルテイマーがどれほどの力を現在有しているのか測れるのはいいわね)」

「(どちらにしても俺たちだけじゃ戦力不足だ。もっと増援をしないと)」



 もちろん八代にはそんな力はなく、今日もミィちゃんたちと楽しくトランプをしていたのだが、そんな事を知る由もない『ホイール・オブ・フォーチュン』の面々はミィちゃんから得た一部の情報を元にありもしない対策を立てていくのだった。

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