【配信】『チーム対抗犬小屋選手権』(結果発表編その4)
次は『月夜の光』の面々のはずだが、なぜか彼らの前には何もなく、がっかりと項垂れた姿があった。
いや、よく見ると目の前に何か木の残骸が転がっているのが見える。
「あの……」
「言いたいことはわかるが何も言わないでくれ……」
「わかりました。ではその木の残骸に、見えるものが犬小屋、ということで」
“なかなかに酷いw”
“でも結果はわかってたことだ”
“夢くらい見させてあげて欲しかった”
“こういう役目だろう”
「さて、それじゃあ最後に『ホイール・オブ・フォーチュン』の皆さん……ですが、いないですね」
「どこに行かれたのでしょうね?」
「(待たせたわね。真打ちの登場よ)」
どこに行ってたのか、ミーシャさんが満を持してやってくる。
「えっと、どこに行かれてたのですか?」
「犬小屋を準備してきたわ。ちょっと大きいから少し遠くで準備したわよ」
「ミーシャさんもトカゲ君達みたいに大きい犬小屋を作ったのですね」
「大きい?」
ミーシャさんはトカゲ君見た瞬間に鼻で笑っていた。
「その程度で大きいなんて片腹痛いわ。私たちのものはもっともっと大きいわよ」
「えっと、それって犬小屋ですか?」
「えぇ、犬よ」
“別の意味の犬に聞こえるな”
“事実別の意味の犬なんだろうな”
“どんな家なんだろう”
“楽しみだ”
「えっと、その家ってどこに?」
「駅前の今建築中のマンションよ」
「マンション……?」
「えぇ、立派な犬小屋でしょ」
“どこが犬小屋w”
“俺が住みたいぞw”
“このためにマンション買ったのか?”
“どこまで本気なんだよ!”
「えっと、それっていいのかな?」
「そっちのちびっ子が買ってきた犬小屋はありなんでしょ? それなら私たちもありよね?」
「うーん、わかりました。では、早速そこを見に行きますか?」
「まだできてないわよ」
「えっ?」
「言ったでしょ。建築中って」
「……つまり何も完成しなかったと言うことでいいですね」
“今は何もないわけだw”
“つまり圧倒的最下位ということか”
”アメリカ最強が一番のボケだったと言うことで”
”ここから勝者を決めるのは難しいなw”
「さて、全員見て回ったところで勝者を決めていきたいと思います。私とわたがし、あとは皆さんに決めてもらいますので投票、よろしくおねがいしますね」
「お願いしまーす」
"八代たん一択だな”
”自分で住むならゴブ君かな”
”フェンリルが一番気に入ってたのは椎ちゃんのものだな”
”デレ気突入のユキちゃんもありだぞ”
”無難に選ぶなら明けの雫だな”
コメントをそれぞれ残しつつ投票をしてくれる。
「さて、投票が集まったところで私とわたがしさんの票を合わせて……と。おっ、これは意外な結果になりましたね」
「私に決まってるのだ!」
「ティナもお兄ちゃんと頑張ったの」
「ダンジョンこそが至高ですよ」
「……楽勝」
「椎には負けられないわね」
「Sランク探索者の実力を見せてやる」
「俺たちは……勝てないな」
「(ふっ、楽勝ね)」
“ドキドキ”
“すでにトレンド入りしててやばいな”
“同接20万近くないか?”
“これだけ豪華な面々なんだから当然だろ”
“誰が勝つのか想像もつかないな。悪い意味で”
“最下位争いもわからないな”
「では、下から順番に発表していきましょうか。最下位はこのお方……」
「ごぶごぶごぶごぶ……♪」
なぜかゴブリンたちがドラムロールがわりに声を出していた。
“一瞬ゴブ太郎たちかと思ったw”
“わかる”
“そんなこともできるんだな”
“器用だしな”
「アメリカ探索者チーム、『ホイール・オブ・フォーチュン』です」
「嘘でしょ!?」
なぜか自信ありげな表情をしていたミーシャが飛び跳ねそうなほど驚いていた。
“まぁ、現物がなかったらな”
“すごい家だとしても、犬小屋が必要なのは今だし”
“マンションをこれから建築だと数年待たないといけないもんな”
「まぁ大方の予想通り、0票でした」
「そんなの嘘よ。信じられないわ!」
ミーシャさんが必死の抵抗をしていたがそれで数字が変わるわけでもない。
渋々引き下がってくれる。
「さて、サクサク行きましょう。次に第10位」
「ごぶごぶごぶ……♪」
「『月夜の光』の皆さんです!」
「あれっ? 最下位じゃないのか?」
「同情票が入ったのかもな」
「あれは悲しい事件だったわよね……」
“くっ、外した”
“絶対に最下位だと思ったのに”
“同率最下位にもならなかったか”
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