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配信ダンジョン育成中~育てた最強種族たちとほのぼの配信~  作者: 空野進
第4話『対決!? Sランク探索者の月夜の光』

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35/60

【配信】『決闘、月夜の光』(延長戦)

 なぜか唐突に始まった三人のバトル。

 三角形に睨みあう三人なのだが、ルシルの迫力と比べて、ミィちゃんはただ可愛いだけだし、ティナに至ってはじっくりと目を凝らさないと見落としてしまいそうであった。


 普通に見たならばまずルシルが勝つようにしか見えない。

 しかし、無情にも能力は一番低い。



「くっ、トカゲッ子には勝てませんねえ。ティナさん、少し良いですか?」

「どうしたの?」

「私と手を組まないか?」

「わかったの」



“さすが悪魔w”

“まぁこの戦力差なら仕方ないw”

“ティナちゃんも即答だ”

“それだけミィちゃん様が驚異なんだろう?”



 そういった瞬間にルシルの手は草の蔓に巻き付かれていた。



「これでいいの?」

「ぜ、全然良くないですよ」

「あはははっ、良いのだ」



 ミィちゃんが笑いながらルシルに殴りかかる。



“手を組むwww”

“蔓でぐるぐる巻きに組んでるな”

“縛ってるじゃないかw”

“笑顔のティナちゃんw”

“ミィちゃんは容赦が無いな”



「ぐはっ!!」



 ルシルは殴り飛ばされてそのまま壁へと激突していた。



「これであとはティナ一人なのだ」

「わ、私も負けないの」



 ミィちゃんとティナがにらみ合う。

 どこか余裕のあるミィちゃんに対して、ティナの表情は真剣そのものだった。



“ここからが本番”

“さすがに危険度SSSのミィちゃん様には勝てないな”

“俺はティナちゃんを応援するぞ”

“賭けるならミィちゃんだな”

“俺もだw”



「行くの」



 ティナが地面に手を付けると次の瞬間にミィちゃんの足下から蔓が現れる。それがミィちゃんに絡みつくが、力尽くでそれを打ち破っていた。



「この程度のものは聞かないのだ!!」」

「わかってるの。次はこれなの」



 今度は木が生み出され、それがミィちゃんめがけてドンドン伸びていく。

 しかし、ミィちゃんが軽く火を吐くとその木は燃え上がっていた。



“さすがに木と火じゃ相性が悪すぎるよな”

“そもそも戦力差がw”

“ティナちゃんに勝ち目があるのか?”

“そもそもティナちゃんの攻撃も相手がミィちゃんじゃ無ければ即死級なんだよな”



「むだむだー、なのだ」

「むむっ、やっぱり強いの」

「ティナも面白い魔法を使うのだ」

「今度はこちらから行くのだ!」



 ミィちゃんがティナに向けて拳を振り上げる。


 その様子が見ていられなくて僕は思わず目を閉じてしまう。



 ドゴンっ!!



 地面が陥没する音がする。



“あれっ? 消えた?”

“まさか粉々に?”

“大穴開いてるぞw”



 さすがにこれはミィちゃんの勝ちかな、と思い目を開ける。

 すると、ミィちゃんが周りをキョロキョロと見回していた。



「いないのだ!」

「えっ?」



 姿が消えて無くなるほどの威力!?



 さすがにティナのことが心配で必死に彼女のことを探す。



「こっちなの」



 ティナはまるで違う場所に姿を現していた。



“瞬間移動!?”

“いや、土の中を移動したのか?”

“精霊だもんな”

“姿が見えてる方が当たり前で気づかなかったな”



「そ、そっちなのだ!」



 再びミィちゃんが攻撃をするがティナは姿を消していた。



「すばしっこいのだ!」

「ティナは木を司ってるの。土のあるところなら好きに移動できるの」

「こうなったら土ごとダンジョンを吹き飛ばすのだ!」

「あっ、ミィちゃん、僕たちまで被害が及ぶ攻撃をするのはダメだからね」

「うぐっ、わ、わかったのだ」



“本気のミィちゃんなら軽く八代たんを吹き飛ばせるもんな。”

“景品から制限がw”

“こればかりは仕方ない”

“でも、それだとミィちゃんが不利?”



 ミィちゃんは殴る寸前のところで固まる。

 その瞬間を見逃すティナではなかった。


 一瞬のうちにミィちゃんを蔓でぐるぐる巻きにした上でいくつも次の攻撃を待機させていた。



「う、動けないのだ……。でも、こんな葉っぱくらい簡単に燃やせるのだ」

「知ってるの。でも、それより先にティナの魔法がミィちゃんを貫くの」



 ジッと見つめ合う二人。

 すると、まずはミィちゃんが笑い出していた。



「あはははっ、私には八代に被害を出さずにこれを抑えるのは無理なのだ!」



“通常攻撃が全体攻撃で即死攻撃なのが敗北理由だったな”

“ミィちゃんも嬉しそうだw”

“ルールが無ければミィちゃんの勝ちだったな”

“そもそも傷つけられてない訳だもんな”



 ミィちゃんの敗北宣言ともいえる言葉。

 それを聞いたミィちゃんは一瞬ぼんやりしていたもののすぐにその表情に笑顔が生まれた。



「や、やったのー、勝ったのー!!」



 ティナが俺の方へ向かって飛びついてくるのでいつものように胸ポケットに入れてあげる。

 そのあと、頭を撫でてあげるとティナは嬉しそうに目を細めていた。



「よく頑張ったね。ティナ」

「うん、なの」

「ミィちゃんは残念だったね」

「仕方ないのだ。八代を守ることを忘れてた私が悪いのだ」



 ミィちゃんの側に近寄ると彼女の頭を撫でる。

 


「よく頑張ったね」

「ありがとうなのだ。次は八代を殺さないように頑張るのだ」

「そこは絶対だからね」

「善処するのだ」



 善処って絶対じゃ無いんだ……。



 思わず苦笑いをしてしまう。



“綺麗にまとまった”

“いつか八代たんを殺してしまいそうだよな”

“でもティナちゃんが治せるだろ?w”

“ミィちゃん様が手加減できるようになると思ってる人が皆無の件w”



「あの……、わ、私めは……」



 ふらふらとしながら満身創痍の体のまま僕たちへ近づいてくるルシル。



「あっ、る、ルシルも頑張ったね」

「私めはおまけ……でしたか」

「あははははっ……」



“ルシル、忘れてた”

“さっきあれだけ熱い戦いをしてたのにな”

“俺も忘れてたw”

“可哀想w”

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