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どんぐり飴&綿飴篇 【形状について】

「属性に関してはこれくらいで良かろう」

「(頷いて)そうですね。正直申しまして、此れ以上話す事はありませんし」

「此の木の芽を介して行使される力は、大概惨事を引き起こすのだが(苦笑して)……天子の最終手段でもあるが故に、已む無しの認識で以て語られる事が多い」

「民にしてみれば迷惑な話ですよ(冷笑)」

「中の思惑は解らん。だが、万が一其れを西洲で行使する事あらば……吾が流れ汲む存在(もの)全てが、中に弓引くだろうの」

「……何気ない声音で語られるお言葉とは思えませんが?」

「(笑みに滲んだ視線で)何、真の言葉は何気ない存在(もの)よ」

「(何とも云えぬ笑みで)お言葉、刻みましょう」

(剣呑な雰囲気の中を、なんの感慨も無く専科が三方に載せた綿飴を持ってくる)

(双方の丁度前に置き、何事も無かったかのように退場)

「…………瑠璃の流れの者は、小回りがきくのぅ」

「…………きき過ぎる気も致しますが」

(とりあえず、今迄の砕かれた空気は無かった事とされ、双方の視線が三方の上に注がれる)

「では、形状の変化に伴う行使される力の変化を説明致しましょう」

「(三方から小さくまとめられた綿菓子の一つを摘み上げ)球形の存在(もの)を糸状にするか。真、森の竜女殿は恐ろしい(苦笑)」

「(肯定する様な苦笑を浮かべつつ)球形(もと)の儘であれば、内包する強大な力を取り込むにしても放つにしても、膨大な力が一気に解き放たれる事になります」

「うむ。だが、糸と化された此の形では荒れ狂う嵐の様な力の爆発は成し得ぬが、内包された強大な力を暴れる事無く小さく長く生じさせる事が可能となったと云う事よ」

「其れがどれだけ驚異的な事であるのか……森の竜女殿には、御理解戴けますまいね(心底困った様に息を吐く)」

「仕方無し。其れが、異界の方と云う事で在ろうさ」

「……剛毅でいらっしゃる」

「なんの、年寄りは割り切りが早いだけの事よ(ニヤリと笑って見せ、珍しく辟易する随従(かげみ)を楽しげに眺め見る)」









「……さて。今回は此れで(何やら取り出した紙の束を繰り眺め)終了のようですね」

「随分時間がかかった割には、あっけない事だ(呆れた様に)」

「其の御意見、私も心の底から同意させて戴きますよ。(本気で呆れた様に笑み捨て、正面を向き直る)長々とお付き合い戴きました方々には、厚く御礼申し上げます」

「又、企画が持ち上がる事もあろうが、今はさらばと云わせて貰おう」

「では、又(小さな笑みを口の端に浮かべる)」

(カメラが離れる様に、画面の中の景色が広がっていく)

(二人の姿が段々小さくなり、雲の様な霞が時折かかるようになると、其の白が徐々に画面を覆っていく)

(真っ白になった画面の中央に、終の文字が浮かぶ)


(フェードアウト)

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