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命を継ぐ者(ラシル)の旅-逃亡編  作者: みのりっち
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プロポーズ

早朝、動物の水場を眺めながら、族長さんの娘さんが用意してくれた朝食を広げます。

「建国の準備、忙しい仕事を押し付けて済まなかった」

「ううん、いいの」

龍人族の皆さん、勇敢ですがあんなお仕事には慣れていません。

私、戦えませんけど、こっち方面なら十分お役に立てます。


「ラシル」

「はい」

金龍、私を優しく見つめます。

(ああ、心臓がバクバク。金龍に音が聞こえたらどうしよう?)


「長く待たせてすまなかった。改めて申し込む。儂の伴侶となってはくれぬか?」

「あの、虚空へ旅立つとかの話は?」

「今、ここにいられるのは、ラシルと龍人族のおかげ。少なくとも、その恩には報いたい」

「いずれ、旅立ってしまうの?」

「国の(いしずえ)ができ、安定するまで少なくとも百年はかかろう、それにアルシュからの申し出もある」

「・・・」

ああ、龍と人との時の感覚は違うのね。


「じゃあ、それまではずっと一緒なの?」

「ああ、途中で様子を見に出かけることもあるかもしれぬが、その時はラシル、一緒に連れて行こう」

それは遠慮するかも。だって、女神様の体験で懲りています。


「儂と一緒になり、龍人族を支えてやってくれ。龍族を何世代も崇めてきた彼らの苦労に報いたい」

(もう、そんなこと言われたら断れないじゃない)


「・・・はい」

小さく返事すると、満面の笑みでそっと抱き寄せられます。

すると、思わず涙が・・・。


「命ある限り、共にあらん」

「・・・はい」

(しばら)く、泣き止むことが出来ませんでした。


「これを!」

金龍、涙を優しく拭うと、深い緑石の宝冠と耳飾り、そっとつけてくれます。


「あれ、この石?」

「この地で取れる宝石だ。価値は金に等しい」

族長の娘さんから買ったあの彫り物、道理で高かったはず。いえ、むしろ安くしてくれたの?



一時後、村に戻った私達。族長さんと娘さんを先頭に、何故か龍人族総出でお祝いの用意。娘さんに誘われた一室には、豪華な衣装が・・・。

(もし、断っていたら大変なことになっていたかも・・・)


着替えさせられお化粧もしてもらい、再び皆の前へ。ひと際大きな歓声と鳴り物が。そして、一段高い岩の席、金龍と共に誘われます。


その後、族長さんを先頭に次から次へとお祝いの言葉。青龍と赤龍、姐さん、おめでとうございますと言った後、少しだけニヤニヤ。もう! 何か恥ずかしい・・・。


「金龍殿、ラシル殿、ご成婚、目出度く存じます!」

「ありがとうございます・・・」


跪拝するルドラさん、地味な恰好で旅させて悪かったわ、悪い虫が付かないためだったのよ、と後で笑っていました。


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