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お人形さん〜終焉〜  作者: 月影 ゆかり
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0×8つめ

1.


また、私のことをバカにしてる。


男子の中心にいる男子…秋田(あきた) 龍斗(りゅうと)は、よく人をバカにしている。


少し大きなくしゃみをしただけで、クスクスと笑う。


男子と2人での活動の時なんて、最悪だった。


運悪く私は秋田と同じペアになり、私は特に喋らなかった。


まぁ、喋るわけないよね。


それで、使えないやつだの 自分は1人でやって偉いだの。


本当にウザかった。


たぶん、男子の中で1番嫌い。


しかもうるさいし。


私はよく思うのだ。


あいつがいなければ、どれほど幸せだろうかと…。




2.


そして、その機会は巡ってきた!


お人形さん…


一種のオカルトだが、お人形さんに頼めば嫌いな人を殺してくれるらしい。


あの秋田を殺せる。


なんて清々しいのだろう。


想像するだけでも、気分が上がる。


お人形さんのやり方もバッチリだ。


友達の友達、夏風さんに教わった。


確かに代償は必要だけど、まぁ幸せのため。


犠牲は付き物だと思う。


でも、少し罪悪感というのはある。


なんてったって、人殺しなのだから。


そう、間接的な人殺しだ。


でも、そんな罪悪感も一瞬で消えた。


数学の時間。


私が問題を間違えてしまい、秋田は大爆笑をした。


瞬間、クラスの男子たちも笑い出す。


私は恥ずかしさとイラつきでいっぱいだった。


絶対殺してやる。殺してやる!




3.


家に帰り、ネットに書き込む。


<深夜0時、ウザい男子をお人形さんで殺す>


よしっと。


もう、これで決心は揺るがない。


あとは深夜0時まで待つだけ。


あいつの死んだところを想像するだけで、顔がニヤける。


夜ご飯を食べている時も、お母さんに何か良いことでもあったの?なんて言われてしまった。


その良いことは今から起こる。


なーんて、お母さんには言わない。



深夜0時。


私は扉を背に正座する。


目の前には勉強机がありパソコンが置いてある。


私は目を瞑り唱えた。


「お人形さん、お人形さん どうか秋田 龍斗を殺してください」


私はゆっくりと目を開けた。


お人形さんがいつ、代償を貰いにくるのか わからない。


私は少し怖くなり、本棚の隣にあるベッドで横になった。


眠ってしまえば、代償を取られたことに気づかないと思ったのだ。


それでも、なかなか眠気がこない。


いつもなら、もう眠たいはずなのに。


目はパッチリと開いてしまう。


早く寝なきゃ。早く寝なきゃ。早く早く。


バサッ


「ひっ」


私は音に驚き、ぎゅっと目を閉じた。


そして、やはり気になり ゆっくりと開ける。


「なーんだ。本が落ちたのか」


ほっと安心すると、本を棚に戻そうと起き上がる。


棚の前に落ちている少し分厚い本を拾い、棚に戻そうとした。


お人形さんがいる。


さっき、落ちた本のスペースにお人形さんが入っている。


ズリズリと出てくるお人形さん。


私は、さっき拾い上げた本を落としてしまった。


私は後ずさった拍子に腰が抜けてしまった。


怖くて怖くて、動けない。


手や足は震えているだけで、私の言うことを聞いてくれない。


お人形さんは今にも私を殺そうとする勢いだった。


私は目を瞑った。


早く、終わって。


お人形さんがこっちに近寄ってくる音だけが、耳に響く。


目を開けば、目の前にお人形さんがいる。


ガリガリ


頬が痛い。


ポタポタと手に垂れてくるのは、たぶん血だ。


お人形さんは皮を、次に肉を削いだ。


痛い痛い。熱い。頬が熱い。


涙がダラダラと零れ落ちる。


もう、いつも通りの日々を迎えることはできないだろう。

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