十三.魔力結界(後編)
ホームルームが終わり、休み時間に入ると優輝が話しかけてきた。
「昨日はありがとな。本当に助かった。」
「いやいや、親友の為なんだから動いただけだよ。どうせ俺も付き添えて一石二鳥だったし。」
返答すると優輝が
「ま、なんにしても助かった。これからも緊急の時はまた助けてくれよな。俺もお前が大変な時は協力するからよ。」
そう告げて去っていった。
その後俺は、静かに読書をしていると周りの女の子たちの話がたまたま耳に入ってきた。
(決して聞きたくて聞いたのではなく、本当にたまたま聞こえただけですよ。決してやましい心はないです。)
と、軽く誰かに忠告し、話を聞くと内容は…
「へぇ~。一年生に外国人の転校生ですか。それもまたイケメンで成績優秀。一度見てみたいですね。」
ブルーが聞いていたのか知らないが急に反応してきた。
「そうみたいだな。昼休みに紋章をつけに行くとき見てみるか。」
すると、キラーが少し考えているのが感じられた。
―昼休み―
莉奈と優輝といつも通り弁当を食べたあと(今日は教室で)、俺は紋章をつけるためにキラーに言われ屋上へと向かった。
屋上には俺以外誰もいなかった。
「まだ誰もいないな~。で、屋上のどこにつけるんだ?」
「まず、四隅書き込んで、次に俺が指示したところを順番に触れ。」
俺は、キラーに言われた通り四隅に持ってきていたチョークで紋章を書き込んで、次々と指示通り特定の場所を触っていると、誰かが屋上に上がってきた。
見てみるとそこにはとてもイケメンで金髪碧眼の外国人(身長は俺と同じぐらい)が立っていた。
そいつは俺に気付いたみたいで、少し早歩きで近付いてきた。
「こんにちは。僕は今日この学校に入った一年の転校生『スパーク・ウェンズ・カール』と言う。[スパーク]と呼んでくれ。よろしくな。」
軽い自己紹介してこちらに手を伸ばしてきた。どうやら握手がしたいようだ。
「二年の神田繋だ。こちらこそよろしく。」
俺も自己紹介をし、手を伸ばし握手をした次の瞬間手が軽く電気が流れたような感じで痛みが感じられた。
なので、とっさに手を外すと、
「どうかしたか?」
スパークが頭にハテナマークをかかげていた。
「いや、軽く静電気がきたみたいだ。すまないな。」
「いえ、そういう事なら気にするな。」
「では僕はこれで。じゃあな。」
スパークは一礼して振り向き、
「あいつが『リンク』か…。フッ。」
俺に聞こえないぐらいの声で言い去っていった。
「なんだったんだ、アイツ?」
何故話しかけてきたのか疑問だったが、俺は紋章づけを再び開始した。
(にしても、話し方変だったなー……。)
屋上をつけ終わると、ブルーから
「次は二階、最後に靴を履いて外に出て指示した所へお願いします。」
と、言われた俺は二階に移動し、なんの問題なく終え外に出た。
―運動場―
「ハァハァ。運動場ってあと何カ所だよ。」
「あと~、…12カ所ですね!頑張ってくださーい!」
「ハァ~。めんど~。」
俺は、東京ドーム1/2ぐらいあるかというぐらいの運動場をトボトボと歩いていた。
「なら俺と代わるか?前みたいにさ。」
「いや、いいよ。また全身痛くなるの嫌だしな。」
こんな感じで二人と話しながら紋章をつけ終えた。
―中庭―
この心帝中学は金持ちの理事長が小中高一貫校として建てた学校だ。(アニメみたいに大きい過ぎず、小さ過ぎない敷地面積だ。運動場は例外の一つ。)
この中庭は、その中央部分で、小中高全てに繋がっている。
「ここで最後ですね。」
「やっとか、ていうか高校と小学校はいいのかよ?」
「やっても良いですが、疲れますよ?バテバテに。」
「やっぱり良い。遠慮しとく…。」
などと雑談していると、紋章をつける場所も少なかったためすぐに終わった。
「はぁ~。終わった~!」
俺は、紋章づけが終わり中庭でのんびりしてると、
「おーい!つなー!」
と、やけに聞き覚えのある声が上から聞こえたので見てるとそこには、
「と、智姉!」
なんと、俺のことを『つな』と呼び、また俺の従姉の椎名智恵(19歳)が現実離れした軍用ヘリから降りてきた。
「よお。つな、おっひさー!」
「いやいや、おっひさーじゃないよ。何しに来たの?」
智姉は、普段仕事上の関係で海外に行っている。だから、事故に遭うときにはおらず、母達みたいに元からいなかったようにはならなかったようだ。ま、それは置いといて何故学校に!
「今日は、つなに預かって欲しい子供がいてな。ほれ。」
智姉は、子供一人入れるぐらいの麻袋を投げてきた。
「ちょっ……!これどうするの?」
なんとかキャッチして、もう一度智姉を見た。
「説明している時間が無いから中に入っている手紙呼んどけ。じぁ、私はこれで。じゃあな~。」
しかし、智姉は軍用ヘリに乗り直して去っていった。
「全く、毎度毎度智姉は…。はぁ~。」
俺は、疫病神以上に厄介な智姉から預かった袋を開けてみた。すると中には、
「…北条琴音…です。…よろしく…です。」
小学四年生ぐらいで腰あたりまで伸ばした黒髪が特徴的なここの小学校の制服を着た無口そうな女の子が自己紹介して出てきた。
「神田繋だ。こちらこそよろしく。」
俺は、多少驚いたがアニメみたいだったのですんなりと受け入れる事ができた。
俺は、琴音ちゃんが持っていた手紙を渡してきたので開けて読んで見た。
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ヤッホー!
つな~!元気~。
早速だけど琴音ちゃんについて説明しとくね。
その子は、ニューヨークの路上でダンボールの中で捨てられていたのを私が保護した!
私は、忙しいからどうしようと考えたすべ、暇そうなつなに任せることにしたんだ~。
琴音ちゃんは、つなの学校の小学四年生で転入させたからよろしくな~。
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「なんで俺なんだよ。他にも知り合いで暇な奴いくらでもいるだろ!オイ!」
俺は、智姉の手紙に一人でツッコミしてしまった。
さて、これからどうしたものか。
今は昼休みだし、かといって一人で帰らすのも危険だしな~。
あれこれ考えていると琴音ちゃんが、俺の服の裾を少し引っ張ってきた。
琴音ちゃんの方を見てみると、学校の図書館を指していた。
「図書館で待ってる、て事?」
琴音ちゃんはこくり頷いた。
「良いけど、一人で大丈夫?」
と、聞くとまたこくり頷き図書館の方へ歩いていった。
「これから大変ですね~。」
「ご愁傷様。繋。」
と、ブルーとキラーが話しかけてきた。
結局あの後キラーに指示してもらい、ブルーにサポートしてもらいながら魔力結界をはることに成功した。
「これで、完成ですね。」
「意外と上手く出来たな。本当に意外だ。」
少しキラーの言葉が気になったが昼休みが終わりそうになったので無視して教室へと戻った。
続く




