十一.緊急事態発生
学校につき教室へと向かっていると優輝が慌てて階段を降りてきた。
「おい、優輝。どうしたんだ、何かあったのか?」
「おぉ、繋か。大変なんだ!俺の妹たちが交通事故にあったって今先生から知らされたんだ。すまんが急ぐからまた後で。」
そう告げて優輝は去っていった。
「たしか、優輝の妹たちって双子の小学五年だったよな。大丈夫かな……。」
「オイ繋!何ぼさっとしている!柏木を早く追いかけろ。」
キラーが優輝同様焦った感じで言ってきた。
「なんでだよ。」
「なんででもだ!」
フゥ、と俺は軽く溜め息を吐いて仕方なく優輝のあとをメールを送りながら追った。
―正門前―
「待ってくれ優輝!」
俺が、優輝を呼ぶと走るのを止めて振り向いてくれた。
「どうした繋。さっきも言ったとおり俺は急いでいるのだか。」
「俺も一緒に行ってもいいか?」
「なんでだよ?てか学校はどうするきだ。」
「親友の妹たちの一大事だからな。あと、学校の方は莉奈に任せたから大丈夫だろう。」
(さっきのメールは莉奈に送っていたのか)
キラーが、そうふと考えていたがスルーした。
「ま、いいか。一人より二人の方が心強いからな。よし、行くぞ!」
「待て待て。行くったってどうやって。」
「走る。」
「どこへ。」
「××病院」
「お前は馬鹿か!××病院ってここからどれだけの距離だと思っているんだよ。」
「そんなの百も承知だよ。だけど、タクシーに乗るためにも金ないし、先生達は何だか慌ただしくて車出してくれない。そんな中走る以外どうするってんだ。」
優輝は、すごい剣幕で言ってきた。
くそ!こんな時に先生は何やっているんだ、と考えているとブルーが
「繋さん。これからあなたの人格の主格をキラーにします。キラーだったら『肉体強化』の能力と繋さんの能力を使って一気に病院までつけます。しかし、体にあとから凄い負担、主に痛みが発生しますが良いですか?」
と、提案してきた。
親友を助けるにはこの方法しかないと思った俺は
「出来るならしてくれ!キラーよろしくな!」
「この俺を誰だと思ってんだ!任しとけ!!」
すると、意識が少し遠のく感じがした瞬間、俺は体の内側に引っ張られる感覚が感じた。
「主格変更完了です。キラー頑張って下さいね!」
ブルーの声が間近で感じられた。
「おい、柏木。俺に乗れ。」
「は?なに言っているんだお前。ふざけて場合じゃないんだぞ。」
「ふざけてない。いいから乗れ。じかんがもったいない。」
と、俺の体は「神田繋」の意思とは別に有り得ないぐらいの力で優輝を持ち上げ、背中に乗せた。
「よし、行くぞ。」
「お、おい!」
俺の体は何が起きたか分からず戸惑っている優輝を無視して車より速いんじゃないかというくらいのスピードで走り出した。
体がまるで他の誰かに操られているかのようだった。
―十分後(××病院到着)―
「ありがとうな。繋。本当に助かった。」
と言って優輝は背中から降りて、病院内に入っていった。
その時だった今まで自由があまりきかなかった体が急に動きだした。
「お疲れ様です。キラー。」
「いや~疲れた。あとはよろしくなブルー、繋。俺は寝る。」
俺は何が何だか分からなかったが、優輝の後を追おうとした。その瞬間全身に稲妻のように激痛が走った。
「いっ…てーーー!!!」
俺はその場に膝をついた。
「頑張って優輝さんを追って下さい繋さん。お願いします。」
現状を知っているのにブルーは俺に追い討ちのようなお願いをしてきた。しかし、このようになる事を知っててお願いしたので俺はブルーに言われた通り優輝を追った。
優輝は、とある病室から出てきた。表札には「柏木リリ・柏木モモ」と書かれていた。
優輝に追いついた俺はもうヘトヘトだった。
「ありがとう。繋。妹たちは命に別状ないようだ。でも、二・三週間入院だそうだ。」
と、優輝は安心した表情で報告してくれた。
そして俺達は近くにあった椅子に座る事にした。
「にしてもお前凄いな!少し見直したよ。」
「そりゃどおも。てか少しだけかよ。」
二人で話していると優輝の妹たちの担任の先生が来て優輝と何やら話し始めた。
話が終わると先生が俺達を車で送ってくれると言ったが、優輝は妹たちが心配だと言って残る事にしていた。俺は、もう体が限界だったため優輝には悪いが帰ることにした。
(優輝が説明してくれて先生は快く送ってくれた。)
続く




