第30章 帰還のちに会話(無機物含む)
長さはともかく30話まで到達できると思ってなかったのでうれしい限りです。今後もよろしくお願いします。
「ダンジョンの偵察ご苦労様だったな、勇者殿」
「いえ、俺はほとんど何もしていないので…」
スパーダ王国に帰った後、王様に帰還の報告を行った。
実際俺はほとんど戦闘に参加していないし、したことといえば身元不明の獣人を連れてきたということだ。
「王様、ダンジョンで獣人の女の子を保護したのですが城に入れてもよろしかったでしょうか?」
「うむ、報告はすでに受けている。獣人はかつての友好の種族だ。なぜダンジョンにいたかはわからないが城で面倒を見よう」
寛大な王様だ。
「遠征で疲れたであろう、勇者殿はもう休んでもよい」
「ありがとうございます」
とりあえず王様への報告はこれで終了した。
この後は俺の部屋でルーと少し話をしよう。
「んで…だ」
「なに?」
目の前で首を傾けて俺を見るルー。
その姿はとても可愛らしい…が、絵面と状況的に結構犯罪臭い感じがする。
「ルー…お前は何者だ?なんであんな場所に縛られていた?」
「?ルーはルーだよ」
それはそうなんだが…
「あそこで縛られてたのは身を隠すため」
「身を隠す?」
確かにダンジョン内で魔物に見つからないようにするためには身を隠すのは道理だが…
「あの鎖は私の力で作ったもの。魔物に見つからないようにする効果がある」
「つまり自分の力で自分を縛っていたということか…」
少しずつ状況が見えてきた…
「もう起きるつもりはなかった…でも懐かしい気配を感じたから起きた」
「懐かしい…ね」
最初に会ったときに言っていた『ケイト』とやらと俺の気配がそっくりなのだろうか…
「ケイトの気配であってたけど…それだけじゃなかった」
「それだけじゃない?」
どういうことだろうか…
『ルー、その先は言ってはいけませんよ』
急にデュランダルが話しに割り込んできた。
「わかってる…」
なぜ俺を置いてきぼりで話をするのだろうか…
「デュランダルはルーのことを知っていたのか?」
『はい、彼女のことはよく知っております』
「ルーとデュランダルは大切な仲間…友達」
なかなか親交があるようだ。
「ルーは迷惑かけない。それに強い」
「戦闘能力高めなんだな…」
とりあえず魔王討伐の仲間が出来たと考えておこう。
「ルーは眠い。おやすみ」
そういってルーは俺が寝ていた布団で横になった。
「ルーがベッドを使うなら…俺は床で寝るか。布団とかないだろうか…」
「?寒いし床は固い。一緒に寝よ?」
いやいや、それはさすがにまずいでしょう。
「一人で寝るのは寂しい。ずっと独りぼっちだった分これからは一緒にいたい」
「むむむ」
良心に訴えかけてくるとは…
「…そうだな、一緒に寝させてもらうか」
俺がしっかり我慢すれば何の問題もないのだ。
そんなこんなで一日が終わった。




