第31章 ルーの夢と二人の目覚め
『ルーは本当に食いしん坊だな…』
『ん…美味しいんだからしょうがない』
『あらあら、まだまだたくさんあるからね』
また夢を見る。
この世界に来てからはいろんな夢を見るようになっているな。
しかも内容もはっきりと覚えていることが多い。
だが今回見ている夢は今までと様相が違った。
まず俺らしき人物がいないことだ。
いや、俺に少し似ている男はいるが、俺の頭はあんなに赤くない。
『ミーシャの作るご飯は美味しい…』
『そういってもらえると作った甲斐があるわ、ありがとうね』
そういってルーの頭をなでる女性。
その姿は精神世界で見たデュランダルに似ている…ような気がした。
髪の色は青だし、目はデュランダルより優し気な感じだが、雰囲気が似ている。
『ケイトもまだお代わりはいる?』
『もらおうかな、ありがとうミーシャ』
とりあえず男は『ケイト』、女は『ミーシャ』というらしい。
『ミーシャは何でもできるな…いいお嫁さんになると思うよ』
『ふふふ、ありがとうございます』
なんだか二人のたわいもない会話を見ていると心が温かくなるような気がする。
別に見知らぬ男女が仲良くしてもこんな風に感じることなどないのに…
『ルーも二人と仲良し』
『そうね、ルーちゃんも仲良しね』
『そうだな』
もしかしてこれはルーの過去なのだろうか…
ケイトという名前とルーが出てきていることも含め、単なる俺の夢のようには思えない。
『ルー…こ……か…い…』
徐々に聞こえる声が途切れ途切れになる。
夢から覚めるのだろうか…
『ルーはもうなくさない、もう…独りぼっちは嫌だ』
ルーの声がはっきりと聞こえたのを最後に俺の意識はなくなった。
「ん…朝か…」
いつもの時間に目が覚める。
しかしいつもと違うこともある。
「いつの間にか抱き着かれている…」
ルーが俺に抱き着いている。
道理で普段より暖かいと感じるわけだ。
「…ん…ケイ…起きた?」
「おはよう、ルー。これから訓練に行こうと思うから離れてくれるかな?」
「まだ寝てたいけど…わかった」
そういってルーは離れてくれた。
「ルーも訓練…参加する」
「ルーも?」
確かに戦えると昨日言っていたな…
どれくらい戦えるのか確かめるのにもいいかもな。
「わかった。ルーも一緒に訓練しよう」
「ん」
俺とルーは一緒に部屋を出た。




