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ご帰還ですか

「帰還されるんですか?」

「ええ、明日のお昼の予定だそうです」


 九日目の朝、ウィルの魔法で文が届きました。魔法が届く範囲にいるのに、転移で帰ってこないのはなぜでしょう。ロバートも同じ疑問を抱いているようです。


「公爵家の警備隊を派遣します。おそらく旦那様は転移をしないか出来ないでいて、陸路で帰還されていると思われますので。王宮と伯爵家にも使いを出しましょう」

「お義父様にもご相談してください。アレク王子も同行されているのだし、王宮の兵を出すとおっしゃるかもしれないわ」

「承知しました。文には明日ご帰還とありますので、元気を出してくださいね」

「ありがとうございます」


 少し疲れた顔のロバートと、顔を見合わせて苦笑します。たぶんお互いに同じような顔をしているのでしょう。


 だけどやっと帰還されるんだと思うと、少しだけ安堵しました。恐らくご無事なのでしょう。転移は出来ないご事情があるけれど、魔法が使える。文が出せる状況なのであれば、お身体に問題はないのかもしれません。私はそう思い直して、明日に向けて準備を進めました。


 翌日。ウィルをお迎えするために、夕食のメニューや飾るお花を打ち合わせて、私もドレスを選びます。メイドの皆さんに手伝ってもらい、着飾って待つこと数時間。


「ウィルったらまだなの!?」


 お義母様が何杯目かの紅茶を飲みながらお怒りです。昨日連絡が来てから続報はありません。公爵家の隊を出そうとしていましたが、やはり王宮からの兵が迎えに行くことになり、今はウィルの帰還か王宮からの知らせを待つしかありません。兵が動くとなれば、まずは公爵邸でなく王宮に帰ることになるでしょうから、帰ってくるのはもっと遅くなるのかも。色々な理由を探して、自分を説得しながらじっと待っていました。


 しかし、深夜になってもウィルは帰ってきませんでした。


***


 ウィルが帰宅したのは、翌日の昼間。転移で帰宅したかと思うと、すぐに王宮で執務をするそうです。慌ただしく準備しています。私がウィルの部屋に行くと、ちょうど着替え終わったウィルがいました。


「ただいま、ローズ」

「おかえりなさいませ」


 前回の帰還の時は厚く抱擁してくれたのに、今回はありません。心なしか目も合わない気がします。


「三日間ときいていましたのに、長かったので心配しておりました。お仕事お疲れ様でございました」

「あぁ。連絡があまり出来なくて申し訳ない。では、行ってくる」


 そうして彼はすぐに転移してしまいました。光の粒が消え、誰もいなくなった彼の私室で、私は茫然と暫く立っていました。



ウィルがせっかく帰ってきたのにイチャイチャしなくてごめんなさい!

そのうち何故か判明しますが、あと少しもにょもにょします。あと少しですっ!よろしくお願いします!

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