囚われしもの
すいません!かなり遅くなりました!
そしてかなり重めです!
もう一度眠りに落ちた俺は夢を見ていた。元カノと幸せだった頃のこと…
………………
(ハルくん、私たちずっと一緒だよね?離れたりなんてしないよね?)
不安そうな彼女は言った。俺は彼女を安心させたかった。だからこの言葉を選んだ。
(当たり前だろ。俺は、お前が好きだ。愛してる。これから離れることなんてない。絶対にだ。)
その後二人は、抱き合って眠っていた。
…………
そこで俺は目が覚めた。何て夢を見てしまったんだ。あれからしばらくたっているし、もう夢にすら出てこないだろうと思った人が出てきた。やっぱりあの再会が与えた影響はあまりよくない方に進んでいるようだ。病室で立ち上がろうとするが目の前がチカチカして目眩がし、力も満足に入らないまま床に大きな物音をたてながらたおれこんでしまった。
「あー…何でこんなになってんだろうなぁ…こんなことならさっさとあの日、死んでおけばよかったなぁ…」
あの日…裏切られたあの日、死にとどまった俺に呟いてみる。どうだ?…満足か?こんな状態で。あいつのことだけでここまでなにもできなくなる情けない男だ。俺はやはりダメなやつだったんだ。
そう考えているとなぜか…俺は寂しくなってきた。人が恋しくなり、抱き締めてほしいなんておもいだしたのだ。…助けがほしかった。俺を理解してくれる人から。でも俺にはもういない手にはいることはもうない…そう思っていた。異変に気づいたのだろう足音がものすごい勢いで近づいてくる。
「春樹さん!どうしたんですか!?」
そう…それは美姫だった。でも俺は、一瞬…あいつと見間違えてしまった。助けてくれるそんな…か細い希望を抱いてしまった。最低だ…。
「何でもないよ。ちょっとベッドから落ちただけだよ。」
床に倒れたままそういうと美姫はすぐさま
「嘘です!だって…苦しそうですよ?助けてほしいんですよね?寂しいんですよね。」
とベッドに座れるように介助しながら俺に言ってくる。付き合ってもない、知り合ってまもない子にまさか見抜かれてしまうとは…俺は情けない。必死に取り繕おうとしていた壁ですら既に決壊寸前。
「…そんなことないよ。ほんと大丈夫だ。ありが…」
俺がお礼を伝えようとしているとき不意に暖かさを感じた。なにか懐かしい…俺にはそんな気がした。…美姫が抱きついてきたということに気づくのはすぐだった。そして…俺の中のなにかは壊れた。頭を撫でながら美姫は優しく微笑む。
「大丈夫ですよ…。私でよければそばにいます。だから存分に泣いてください。」
泣く?俺が?そんなことできるわけと思っていると涙が頬を伝っているのに気がついた。もうダメだ…。
「…苦しかった。寂しかった。なんで…守ろうとすればするほどすり抜けていくんだよ…。俺はあいつのそばにいたかった。好きだった…大好きだったのに…。もうそんなこと言えるはずがないんだ…。再会してしまったら…また苦しむことになるから…逃げてたかった…。なんであいつがいるんだよぉ…。なんであんなに苦しそうなんだよ…。俺には…助けることなんかできない…信用することなんてできない…だからやめてくれぇ!」
…俺は抱え込んでいたものを美姫に抱き締められながら…ポロポロと溢してしまっていた。最低なことだとわかりながらもう止まることのない寂しさ。悲しみ。…そのすべてを吐き出すかのように俺はただ静かに泣き続けた。




