婚約成立Part2!
さっきの魔法の冷気がこちらに風に乗ってやってくる。
綺麗な金髪をなびかせているその少女はとても、とてもきれいだった。
いつ見ても、どこで見ても変わらぬその美貌をもった彼女はもうすぐ僕の元へやってくる。
「お前名前はリルといったな。もしかして別の国の王族か何かか?苗字はなんという?」
それは気になる。僕があらゆる手を使って調べても一切出てこなかった彼女の素性。
彼女の苗字や親などの情報はどこにもないといい切れるだろう。
彼女の記憶以外は。
「すみません。私は4歳頃からの記憶しかなく覚えていないのです。協力できず申し訳ございません。あともう一つ質問してもよろしいでしょうか?」
ちょっと待って質問の前に4歳からの記憶しかない?
今は7歳、ということはリルは3年前に何か合ったってことだ。
リルの魔力暴走、それからの身体の変化、女神の力が弱まりおきた闇の時間、つながった。
彼女は女神の関係者、もしくは女神自身だ。
「ああ。構わない。」
「ではありがたく。あなたがたのお名前はなんでしょうか?」
「え、知らないのか?」
シンプルに知らないとは思わなかった。誰しもが知っていると思っていた。本当にリルは女神関係のものなのか怪しくなってくる、そのレベルでの常識の無さ。
「ええ聞いていませんでしたから。」
「何も説明せずに進めてしまって申し訳ない。私の名前はトニミスタ・ディア・アレア。
トニミスタ王国の現国王である。」
父上も戸惑っているだろう。まさか自分が国王だとわかっていない状態で話が進んでいたとは思わないだろうから。本当に面白い。
「そして俺はこの国の第一王子であるトニミスタ・ディア・ルキハだ。」
(ぜひ覚えてくれたまえ!)心のなかでそう訴えながら自己紹介をした。
微かにリルの額には冷や汗が滲んでいる。
普通はみんな王族を前にすると貴族でも頭を下げ頭を垂れる。そんな者たちを前にしていたのだ。
少し間が空く。馬車からの隙間風が涼しい。
「国王様と第一王子様でしたか。お気づきになれず申し訳有りませんでした。」
「良い。孤児であればあまり勉学はできず知らぬことが多いのは当たり前だ。気にするな。そして心が痛むがこれは命令だルキハとお前を婚約させる。」
この言葉にリルが静かに頷いた。
命令。その言葉を待っていた。その言葉さえあればリルは僕のものとなる。
はぁ、長かった。本当に長かった。
心が痛む?なぜ?だって王族と婚約できれば将来は勝確。これ以上の相手はいないのに?父上はどこを見てどう判断しているのだろう?
父上がろこにリルの部屋の案内を任せて僕と父上は各々部屋に戻っていった。
僕は静かな誰もいない部屋で喜びに浸っていた。
世界が色づいたあの日から願い続けていたもの。とうとうかなったのだ。
僕は汗で少し崩れた髪をかきあげろこに頼んであった影映しの姿見でリルの様子を確認する。影映しの姿見とはその鏡に写っている物の姿とその場所の音声が聞こえるというもの。でも弱点もある。少し色が青色になるんだ。でも無知なリルならばしばらくは大丈夫だろう。
僕にとって二人の会話を聞くのは新鮮でとても楽しいものだった。
リルの魔力にはまだ余裕があることがわかった。
あれほどの魔法を使ってまだ余裕があるとは少しびっくりだな。
集中して聞いているうちにあっという間に時間は経って行き就寝時間となった。
リルはすぐに寝てしまった。
「気持ちよさそうに寝るな⋯」
かわいい。まだ婚約するという実感が沸かないのは僕だけだろうか。君もそうなら嬉しいな。
そんなほのぼのした気分の僕にろこが報告にやってきた。
だいたい状況はわかっているけど一応聞いておこう。
ろこが報告した内容はこうだ
「リル様は魔力がとても多いということ。少し警戒心が強いということ。そしてこれは多分ですが彼女は人に助けを求める天才だと思う。彼女のまわりには救いたがりのような人が多いようです。」
ということだった。
助けを求める天才か、、、面白いな。でも今日からは僕が君を助けてあげよう。
こう思う僕は救いたがりだろうか?
実はろこはルキハ陣営だったんですね。
ルキハのヤンデレ度がよく分かるように書きたいのですが語彙力がなくてすみません。
これでも伝われば嬉しいです。
裏の話、これからも書いていこうと思います。もしかしたら間にリル視点の続きを書くかもしれません。




