表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
萌えっち  作者: 虚無人
3/4

キャラと学校行く


3 キャラと学校行く


キキッ


自転車通学で校内の駐輪場に自転車を止める。

前輪の買い物かごから友喜に頼まれた秋葉の買い物袋を取り出す。初めに部室に向かうことにした。オタク部の部室は校内ではなく屋外のプレハブ小屋にある。最初は物置であったが先代のオタク部の部員が改良し。電気が通った立派な部室にしたのである。プレハブ小屋の前に立ち扉を開ける。先輩達が朝早いので既に部室には先客がいると確信していた。

ガチャ

扉を開くと予想通り先客がいた。

三年C組女子の蟻加ありか先輩である。フィギュア造りを得意とし。プロの原型師並の腕を持つ。何度か大会にも出場して賞もとっている。業界からも仕事の依頼来るほどである。

部室のパイプ椅子に座りテーブル前で彫刻刀やへらを使い何やら削っている。骨組みされた人形みたいたものを巧妙に繊細に輪郭の細部を削っていく。

じょりじょり


「おはようございます。蟻加先輩。」

「·······。」


集中しているようで返事はなかった。

俺は邪魔しちゃいけないと思い。友喜から頼まれた秋葉の買い物袋を置いて早々に立ち去ろうとする。

秋葉の買い物袋を邪魔にならないように部室の隅っこに置く。


「それ····何?。」


普段口数が少ない蟻加先輩だが興味あることになると口数が増える。


「親友の友喜に頼まれた秋葉原で買ったものです。後で友喜が取りに来ますから。」

「そう···フィギュアは入っているの?。」


蟻加先輩はフィギュアのことにしか興味がない。フィギュアに関係したもの或いはフィギュアのためになることしか興味を持たないのだ


「ええ、確かロケットロイド少女期間限定6/1スケールバージョンフィギュア6体が入ってる筈です。名前は詳しくは知りませんが。」


フィギュア業界のこともよく知らない。フィギュアに手を出すと取り返しがつかなくなるという格言のようなようなものがあるようなので関わらないようにしている。


「ロケットロイド少女の期間限定6/1スケールバージョンフィギュアですって!?。」


蟻加先輩は友喜に頼まれた限定物フィギュアに異常な食い付きを見せた。


「頂戴!。」


蟻加先輩はフィギュア作業を止め勢いよく迫りながら萌えっちの初期キャラのルピネと同じような台詞を言う。ただ相手は大の大人の先輩なので萌えのような可愛いさなどはなく。その代わり圧倒するほど執念、気迫、圧力プレッシャーをあたえてくる。


「こ、これは友喜に頼まれたものでして、友喜の許可を得てくださいよ。」


このままだと勝手に買い物袋からフィギュアを取り出し漁り出しそうな勢いだったので念を推して断る。


「そう····残念··解った。」


蟻加先輩は残念そうにゆら~りと夢遊病者のように帰っていき座っていたパイプ椅子にもどっていく。

じょりじょり

再びへらで削り始める。


「····ちょっとだけでも開けて観ても良い?。」


再び蟻加先輩が顔を上げ上目遣いで聞いてくる。


「駄目です!!。」


俺はキッパリと返事をする。


「そう····。」


しゅん

蟻加先輩は子供がいじけたように落胆する。

この人本当に俺の先輩か?。

蟻加先輩のあまりにも大人げない行為に俺は疑念を抱いてしまう。


「それでは俺は教室にむかいますが、勝手に友喜フィギュアを漁らないでくださいね。ちゃんと許可をとってくださいね。」

「解った····。」


気落ちしている蟻加先輩を尻目に俺は部室を出ようとする。


「ちょっと観るだけでも····。」

「駄目ですっ!!。」


バタン

俺は蟻加先輩に再度の断りを入れて扉を閉め部室を出る。

校舎に入り下駄箱の靴を入れ換え教室に向かう。

俺の教室は二年B組である。二階に上がって左に曲がり長い廊下を進む。二年B組のプレートがついた教室の扉前に立つ。


ガラガラ


教室内には既にまばらに各々のコミニティをつくり同級生クラスメイト達がおしゃべりをして盛り上がっていた。

俺は俺の席である窓際奥の隅っこの席に向かう。


「よう、静妬しずと頼んだもの持ってきたか?。」


隣席では俺の悪友であるオタクの友喜が悪びれることなく座っている。

俺は自分の窓際の席につく。


「ああ、教室内で持ち込み禁止だから部室に置いたけど。蟻加先輩がお前のフィギュア狙ってたぞ!。」


念を推して断ったけどあの雰囲気だと勝手に箱から中身を出しそうないきおいだった。


「蟻加先輩か。あの人には困ったものだよ。まあ一応蟻加先輩にも一体プレゼントするつもりだったしなあ。」

「休み時間様子見に行ったらどうだ。あの先輩今にも中身出しそうな勢いだったし。」

「そうするよ。」


友喜は皮肉混じりの笑みを浮かべる。


「それと友喜相談したいことがあるんだが。」

「相談?。」

「ああ、秋葉のおつかいに変な博士に絡まれてなあ。事情はお昼に話すよ。いつもの屋上で。俺は購買に買ってから行くから。」

「購買?。お前いつも母親の弁当だったじゃなかったか?。」


友喜は眉を寄せ困惑する。


「養わなければならない子ができたんだよ。」

「?。」


    ----------


キンコンカンコーン


午前の授業終了のチャイムがなり。俺は席をたち。カバンからハート型の萌えっちを他の生徒に悟られないように急いで懐にしまう。


「じゃ、友喜屋上で。」

「ああ、それより静妬何を隠したんだ。ラブレターかあ?。」


めざとい友喜は俺はハート型萌えっち隠したことに茶化すように呟く。


「相談ってのはこの事に関してなんだ。」

「なるほど、いよいよ静妬にも春が来たってんだな。この羨ましリア充野郎!!。」


誉めてるのか茶化しているのかひがんでいるのよくわからない対応に静妬は微妙な顔を浮かべる。


「違うよ。それじゃ俺は行くから!。」


色々面倒くさくなりそうなので早く購買に行くことにした。


    ・・・・・


校内地下の食堂付近の購買では既に行列をなしていた。


「早く昼食買わないと。ルピネの好みは解らないし。適当に焼きそばパンとメロンパンでいいな。後は飲み物はイチゴミルクでいいかな。まだ見た目がお子様そうだし。」


萌えっちの初期キャラの好みなどマニュアルにも書いていただろうがちゃんと確認してはいなかった。

何とか購買の行列から焼きそばパンとメロンパンとイチゴミルクを手にいれる。


『静妬、ご飯ま~だ?。』


ギョッ

突然俺の懐のポケットに入っていた萌えっちからルピネの声が発せられる。


「おい、何か女の子の声しなかったかあ?。」

「ああ、俺も聞こえた。幼そうな可愛い声だったなあ。」

「はあ?お前ロリコンかよ。」

「違げーよ。何かキャラの可愛い萌え声のような声だったし。」

「お前オタクだったのかよ···。」

「だから違げーて。」


ルピネの声を聞いた周囲の学生が騒ぎだす。

俺は急いでその場を離れ屋上に向かう。


ダダダダ


「ルピネ!頼むから本当に大人しくしてくれ。ご飯はちゃんと用意するから」


屋上の階段を猛ダッシュで駆け上がる。


『は~~い。』


ルピネの反省したように幼い声が懐の萌えっちから発せられる。


最上階の屋上までたどり着き扉をを開ける。


「よー、待っていたぜ。じゃ、話してもらおうか?」


既に屋上にはオタクで悪友の友喜が弁当を広げて待っていた。

俺は扉抜け屋上に人がいないかを確認する。


「どうした?。挙動不審な犯罪者にみえるぞ。」


友喜は冗談まじりの悪態をつく。


「ああ、誰もいないよなあ。」

「ああ、俺しかいないぜ。リア充どもはカップルで庭や教室でディナー中さ。」


友喜はリア充にたいして吐き捨てるように呟く。


俺は友喜が弁当を広げている隣に座る。

自前の弁当と購買で買ってきたパンと飲み物を取り出す。


「静妬、そんなに食べるのか?。」


友喜はあまりにも食べる量があるので眉を寄せ困惑する。


「そうじゃないよ。それよりこれを。」


俺は懐のポケットからハート型の萌えっちを取り出し友喜に手渡す。


「これ?何だ?。静妬がこれが俺にたいしてのプレゼントだって言うならとてつもなく気持ち悪いんだが。」


友喜は形状がハート型なの謎の物体を嫌そうに眺める。


「携帯育成ゲーム機だって名は萌えっちだってさあ。」

「おいおい携帯育成ゲーム機って、形状がハート型で名前もあの有名な携帯育成ゲーム機の名前をパクったような名だし。静妬色々趣味悪いぞ。」


友喜は嫌々顔で幻滅した眼差しを俺に向けてくる。


「仕方ないだろう!。友喜の秋葉のお使いに変な博士みたいなのに絡まれて。その萌えっちという携帯育成ゲーム機のテストプレイヤーに選べばれてしまったんだよ!。変わってくれるなら変わって欲しいわ!。」


携帯育成ゲームなどやったこともないのにオタクの友喜に全部任せてしまおうかと思った。


「そうか··それは災難だったなあ。悪いが変われんぞ。その携帯育成ゲーム機のデザインやっぱ無いわ~。確かに携帯育成ゲーム機にはまった頃もあったけど。名前といいデザインといいやっぱ無理。オタクでも敬遠するぞ。そのセンス。」

「やっぱ無理か~。」


静妬は大いに落胆する。

できれば友喜にこの萌えっちという携帯育成ゲーム機を全部まかせたかった。


「友喜それと、実はこの萌えっちキャラが実体化するんだ。」

「はあ~?。」


友喜は眉を寄せ困惑する。


「昨晩雷が家に落ちてこの萌えっちに直撃して初期キャラが実体化したんだよ。」


静妬の言葉に友喜は憐れみ帯びた悲壮染みた表情を向けてくる。


「静妬、お前に彼女がいないのが解るけど。そんな昔の漫画やアニメのような展開の言い訳流行らんぞ。」

「本当なんだ。実際見てくれ!。」


俺はハート型の携帯育成ゲーム機萌えっちをとり正方形の液晶に声をかける。


「ルピネ、もう出てもいいよ。ご飯も用意したから。」

『わ~い。』


萌えっちの液晶から喜び満ちた声が響くとばあっと液晶から光が漏れだし。光のシルエットが空中に浮かぶ。

あやふやな光のシルエットが徐々に輪郭が確定すると光が収縮し。ばっと近未来的なドレス着た水色の髪をした幼い少女が現れる。

近未来的なドレス着た幼い少女はストと地面に降り立つと嬉しそうに駆けよってくる。

俺は買っておいた焼きそばパンとメロンパン、イチゴミルクをルピネに渡す。

ルピネはその場に座り袋を開けてパクパクと美味しそうに頬張り始める。

友喜はその光景を垣間見て一時硬直したが直ぐに我に返り。一気に絶叫というなの咆哮を放った。


「何じゃそりゃあーーーーっ!!。」






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ