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萌えっち  作者: 虚無人
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萌えっち


    秋葉原電気街



がさがさ


「え~と、マジコミポスター6枚、ロケットロイド少女期間限定6/1スケールバージョンフィギュア6体、マリ子先生サイン入り同人誌10冊、妹ものギャルゲー5本に、アイドル天使カラー下敷き4枚と···。はあ、何で俺がこんなお使いを···。」


笹月ささつき静妬しずとはため息を吐き。注文の紙を確認して両手の手提げ紙袋に入ったゲーム類、グッツ類を確認する。

オタクの悪友で友喜ともきにお使いを頼まれた。休日用事があって外せない様子で秋葉原で代わりにお使いを頼まれたのだ。

特にやることはないとはいえあっちこっち店を駆け回りながら友喜の要望する品を探すのにはとても疲れた。何せ注文の紙に売り切れ、完売していたら他の店の指示あったからだ。買う店一つに絞れやと思ったが限定品とか、希少品、レア物等が入っているからなのだと友喜に切な説得で仕方無くお使いをしている。


「後は最後に猫耳コスプレメイド服セット?てっ、何に使うんだよ!。」


ぞぞぞ〰️

急に背中に鳥肌がたつ。友喜が猫耳でメイド服着た姿を想像してしまった。

友喜に注文書に指示されたコスプレ店は店と店の間の路地の薄暗い奥にある怪しげなお店だった。店内はコスプレ服だけでなく大人のジョークグッツも置いてあった。友喜の注文書に書いてあった猫耳コスプレ服セットを買って帰路につこうする。

帰り道である店と店の境目の薄暗い路地を歩いて行く。


「そこの君、中々良い趣味をしておるではないか。」


突然声をかけられ振り向くとそこには白衣を着たぐるぐる眼鏡をかけたアニメや映画にでてきそうな博士みたいな格好した老人がたっていた。


「レアなマジコミポスターにロケットロイド少女限定6/1スケールバージョンフィギュア、アイドル天使カラー下敷き、紙袋の上からでもわかるよ。お主中々のオタクとみえる。」


白衣を着た博士のような姿をした男は感心したように頷ぐ。


「いや、これは友達に頼まれて····。」

「謙遜することはない。これほどの希少でレアな限定品を集めることができるオタクなどそうそういない。」


静妬は眉を寄せ顔をしかめる。

白衣を着た老人は変な勘違いしているようで関わったら確実に面倒事になると察した静妬は早々に去ろうとする。


「じゃ、自分はこれで。」

「待ちなさい。君が見る目があるオタクとみて頼みたいことがある。」


白衣を着た変な格好の老人は勝手に話をすすませようとする


「ですから自分はオタクじゃなくて!。友達がオタクなんです。」


何度説明しても怪しげな白衣を博士のような老人は信じてくれなかった。


「まあ、直ぐにすむ話だ。お主は携帯育成ゲーム知っておるか?。」

「携帯育成ゲーム?。」

「キーチェーンゲームともいったが、昔の全盛期には親、子供男女問わず人気があった卵型でご飯をあげたり掃除したり育て進化したりする。アレだよ。」

「確か··たま○っちですか?。自分は特に育成ゲームには興味ありませんでしたけど。親が熱中していました。」

「そう、それだ。私はねえ。この携帯育成ゲームを遊んで思ったんだよ。愛情込めて育て別の生物に進化する。素晴らしいことだ。バトルに特化した携帯育成ゲーム機も誕生して子供達には大人気だ。」

「はあ。」


静妬は曖昧に返事を返す。


「だが私は想う。この携帯育成ゲーム機はそれ以外にも特に全てオタクの男性諸君達に夢を与える可能性があるのではないかと思うのだよ。」


白髪ハゲ頭の博士のような老人は力強く意味不明なことを熱弁する。


「はあ~つまりどういうことで?。」


静妬は首を傾げる。

要領が掴めない携帯育成ゲーム機が何故オタク特に男子全員に夢を与えるという意味が理解できなかった。


「解らないかい?。この携帯育成ゲーム機には男子オタクが好む萌えに特化した携帯育成ゲームの可能性があるのだよ。」

「萌えですか?。」


オタクよく使う造語だ。


「そう、男子なら誰しも想うはずだ。自分の理想の女の子、色んな性格の萌えキャラを育てみたいとね。そしては私はその願望を理想を叶える為の携帯育成ゲーム機を開発した。初期キャラ育てある一定のパラメーターに到達すると別の萌えキャラにキャラ変身チェンジする。多種多様の性格とかわいさを売りにした萌えに特化した携帯育成ゲーム機その名も····『萌えっち』だ!!。」


「······。」


静妬は微妙な顔を浮かべる。

どうみてもたまご○っちのバッタもん臭にしか感じられなかったからだ。


「そうですか·····じゃあ頑張ってください。」


関わってはいけない相手だと思い静妬はそそくさと去ろうとする。


「待ちたまえ!。君はこの萌えっちの一番目のテストプレイヤーとして選ばれたのだ!。」

「そんなの入りませんから!。それに俺は携帯育成ゲームは苦手ですし。興味もありません!。」

「それなら大丈夫だ。私の開発した萌えっちは時間がない人や短期の方の為にスピード育成という機能がある。上げたいパラメーターをスケジュール入力すると瞬時にパラメーターが上がり直ぐに色んな種類の萌えキャラにキャラ変身チェンジする。まあ、どんな萌えキャラになるかは自分でパラメーターを確認し模索するしかないだが。だがそれがツボでやりこみ要素もあって面白いぞ!。」

「やり込み要素?。」

「そう、萌えっちに出てくるキャラは全て最後の語尾にがつく萌えキャラなんだが。全ての萌えキャラを制覇し解放すると。なんと!男性全て理想中理想。究極の萌え隠しキャラその名も女神っが降臨するのだあ!凄いだろ!。」


博士の格好した老人は興奮気味に語り静妬はそれを冷めた眼差しで眺める。


「はあ、女神ですか····。」

「何だノリが悪いのう。女神だぞ。女神、男子誰しもが憧れる女性萌えキャラ。慈愛に満ちた微笑みと包容力のあるその豊かで慎ましいショーツに隠れた胸。どのオタク男子も女神に憧れを抱くものだよ。」


白衣を着た博士の格好した老人はニンマリと笑顔になる。

女神が男子全員の理想像なのかどうか静妬は正直解らなかった。


「男性の憧れの的が女神だと解りました。でも他所をあたって下さい。俺はいいんですから。」

「そんなことを言わず。ほれこれが実物だ。」


静妬はその場から離れようとするも博士の格好した老人は年配のとは思えない力で抑えられ。無理矢理手の平サイズ位の携帯ゲーム機を持たせられる。


「ちょ、何ですかこれ!?。」


静妬は驚いたのは携帯ゲーム機の内容よりもその外観デザインだった。


「どうしたのかねえ?。」

「何で携帯ゲーム機の外かくのデザインがハート型何ですか?。こんなもの日常で携帯してプレイしてたら女子からキモいとか変態とか言われるじゃないんですか!?。」


冗談じゃない!!。こんなデザインセンスの欠片もなさそうな携帯ゲーム機を日常特に学校内で持ち込んだら俺の男子生命が終わる。


「ふふん、女子からキモいとか変態とか言われるのはオタクとしての性質サガさ。気にすることはない。」


博士の格好した老人は何の茂なく自信満々に呟く。


「オタクの性質サガだろうが何だろうか嫌なものは嫌です!。お断りしますからあきらめてください!。」

「そんなことは言わずに!君は全てオタク男子の希望の光なのだ!。君のテストプレイが成功すれば全ての男子、全てのオタク男子が救われるのだ。全てのオタク男子の希望の星になってくれ!。」

「星になんてなりませんよ!。星って言っている時点で既に俺が犠牲や人柱になると確定しているんじゃないですか!。そんなものになりたくない!」

「頼むよ!君しか頼めるオタク男子がいないんだ。引き受けてくれなきゃここで首つって死んでやる!。」

「何でそんなに必死なんですかっ!!。て言うか俺はオタクじゃねえ!!離せええ~!。」


てんやわんやで博士の格好した老人は俺にしがみついて離さない。しかも頼みを引き受けないとその場で首つって死んでやる!ときた。何でこんな目に合うんだと静妬は絶望し思ったが全部悪友であるオタクの友喜が悪いと判断した。後で友喜にありったけの賠償額を払わせてやると心に決めた。



結局断りきれず俺はあの博士から押し付けるように外かくがハート型の携帯ゲーム機萌えっちとマニュアル本を渡された。自宅に到着し友喜に頼まれた買い物袋を部屋の隅に置き

ベッドに倒れ寝っ転がる。


「はあ~、本当に色んな意味で疲れた。」


静妬は押し付けられたハート型のデザインをした手の平サイズの携帯育成ゲーム機を拾い上げ天井にかざす。ハート型の正面に正方形の液晶の画面がついていた。しかも無駄に技術がこってるようでモノクロのドット絵ではなく。しっかりとした美しいグラフィックの色付3Dであった。

スヤスヤ

画面上からみえる奥行きが見える白部屋で近未来的なドレスを着た水色の髪をした幼い少女が気持ち良さそうに眠っていた。

萌えっちの初期キャラで萌えっ娘のルピネである。押し付けられたマニュアル本にそう書いてあった。

ルピネという萌えキャラを軸とし。パラメーターを上げてある特定のパラメーターに成立すると色んなキャラに色んな性格の萌えキャラにキャラ変身チェンジするそうだ。

静妬は初回の操作をしてみる。携帯育成ゲームは殆どやらないが普通の家庭用ゲーム機と変わらないだろうと思った。

初期の項目に貴方のことを何と呼ばせますかという欄がでた。

静妬は顔をしかめる。

この項目って恋愛ゲームとかによくあるけど····。

昔オタクの悪友友喜に嫌々ながらも恋愛ゲームをやらせられたことがあった。ほとんどの攻略する相手に告白が失敗し。玉砕されオタクの悪友友喜に馬鹿にされ茶化されたことを思い出す。

あ~今思い出してもムカつく!。


萌えっちの液晶の画面上の欄の項目にはこうある。

あなた アンタ ご主人様 お兄ちゃん 主 個人名

特にこだわりとかないので普通に静妬しずとにした。

ピピ

操作方法は確かに誰にでも解る親切設計であった。


「静妬、お風呂がわいてるわよ。先に入りなさ~い。」


一階から母親が呼ぶ声が聞こえる。


「萌えっちの操作は明日でいいか。解らなければ友喜に相談すればいいし。それにしても携帯育成ゲームって続くかなあ?。俺けっこうあきっぽいんだけど。」


静妬は勉強机の上にハート型の萌えっちを置き。ドアを開けて自室を出る。

ゴロゴロ

扉前に立つと屋外の空から稲光の轟音が響く。


「かみなりか····そういえば雨は降らないけれど雷雲が鳴るって天気予報で言っていたなあ····。」


ちゃぷ

「ふぅ~。」


湯船に浸かりくつろぐ。

ゴロゴロ ゴロゴロ


「何か···雷音が激しくなったなあ。」


浴槽内からも雷が轟く音が聞こえる。

ゴロゴロ ドッカっ~ーーん!!

ズズズズ

パチッパチッ

地響きが起こり浴槽の蛍光灯が点滅し停電する。


「わっ!何だ何だ!!。」


静妬は自宅付近では自宅そのものに雷が落ちたように感じた。


「静妬大丈夫?ブレーカー落ちたみたいだけと、お父さんがすぐ戻すから待ってて。」

「解った···。」


静妬は電気がつくのを待つことにした。

俺の自室大丈夫かなあ?。どうみても家事態に落ちた感じだったけど。


静妬の部屋では異常が起こっていた。

机に置かれた携帯ゲーム機が火花を散らし白い煙が部屋全体に舞い上がっていた。

部屋内に白い靄が出来あがりそこからうっすらと小柄な人影微かに浮かび上がっていた。




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