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クズね

「おばあちゃん、今からお買い物行ってくるねー!」


「しーちゃん! 気をつけていってくるんだよぉ!」


「うん! ありがとう! じゃあ、行ってきます!」


 私、氷堂時雨は家を飛び出て、よもぎ商店街の山口書店へと向かう。

 今日はわたしの好きな作家の小説の発売日、タイトルは『性悪聖女の陥落』作者はサンフラワーさん。

 サンフラワーさんとホワイトキャッスルさんはジャンルは違えど、どこか似ているそんな気がする。

 まぁ、それが好きな理由でもあるんだけど……


 それと今日は本だけじゃなく、服を買いに行くつもりだ。

 買った服はどこで着るかというと、敦子ちゃんとの温泉に行く際に着ようと思っている。

 だから、まずは服を買いに行こうと思って、よもぎ商店街に入ると、


「なっ!? またアイツ!」


 どうして、いつもいつもわたしの前に現れるんだ!

 それに隣にいるのは銀髪の少女に、いつも学校に一緒にくる子……

 それもかなりべったりしている……

 前見つけたのはショッピングモールに行った時だった……

 その時は黒髪のとても美人な子に、亜麻色の可愛い女の子が歩いてた……

 今度は、全く違う人……


「やっぱりアイツはクズよ!」


 そんな様子を見ていると……


「なっ!? 高校生でアクセサリー屋さんに堂々と入る!? それも女の子を2人も連れて!?」


 やっぱり、アイツは女の敵よ……

 女の子を高価なもので、垂らし上げて、

 女の子は彼の周りにいたら、きっといつか不幸になる……

 女の子たちはものすごく可哀想だけど、私は佐藤篤樹には関わりたくない! 絶対に……

 見ているだけであの人を思い出して、気持ち悪くなる……


 さっさと服の本を買って帰ろう……

 

 なんやかんやいって、服を買うのには時間がかかってしまった。

 まぁ、可愛いやつが買えたからいいんだけど。

 わたしは次に山口書店へと向かう。


「山口さん!」


「あら! しーちゃん! こんにちわ!」


「今日も来てしまいました!」.


「あぁ。今日発売のやつね! そこにあるよ!」


 と、そんな時、どこから声が聞こえてきた……

 嫌な声。男の人。それも佐藤篤樹。

 わたしはすぐさま山口書店の奥へと隠れた。


「しーちゃん! いきなりどうしちゃったの?」


「あっ! 山口さん、少しばかり匿ってもらってもいいですか?」



「……なんか、よくわからないけど、わかったわ」


 佐藤篤樹の声はしたものの、中に入ってくる気配はなかった。

 入ってきたのは銀髪のとても綺麗な少女だけだった。

 ものすごく美人でいて、とても可愛いらしい。そんな印象を彼女にもった。


 銀髪の少女が買っていったのはわたしが買おうとしてたやつと同じ。


 それだけで何故だか、とても親近感が湧いた。


 そのあと一瞬、銀髪の少女と目があったのだが、それからは何も起こることなく、銀髪の少女は外へと出ていき、徐々に佐藤篤樹の声が遠ざかっていった。


「はぁ……よかった……それにしてもあの子すっごく美人さんだった……」


「……しーちゃんに何があるのかはわからないけど、協力できてよかったわ!」


「はい! 山口さんありがとうございます! じゃあ、これください!」


「はい! 少し安くしとくね!」


「いつもありがとうございます!」


「じゃあ、気をつけて帰るだよー」


「はい!」


 わたしはすぐさま家へと帰り、今日買った本を数時間足らずで読み切るのだった。


 来週は敦子ちゃんと温泉旅行。

 楽しみな気持ちと少しばかり不安な気持ち、そんなものが胸の中に混在しているようだった。


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