智也の思い
俺の名前は高橋智也だ。
よもぎ大学附属高等学校の2年。
そして、バスケットボール部に所属。
俺は身長、179.5センチある……
俺は切実に思う、あと0.5センチ伸びてくれ! っと。
俺は学校内でもモテる方ではあるのだが……この学校には俺以上のやつがいる。
俺より身長は高いわ、めちゃくちゃイケメンだわ、運動神経も高いってか高すぎるし、学校のテストは勉強なんてしてないくせに全ての教科満点をとる。
ひどく羨ましいやつがこの学校にいる。
それに、そいつは俺の親友だ。
親友の名前は佐藤篤樹。
モデルに俳優をこなす、有名人だ。
俺は篤樹と初めて話した時、有名人に対して感じる畏敬の念なんかよりはどこか親しさを感じた。
話してみると、その親しさは正しいかのように、篤樹とすんなりと打ち解けた。
俺はあいつの親友になれたことを誇らしく思う。
そして、ある日の出来事だった。
俺が部活で学校の外周を走っている時だった。
俺はそこで足をくじいてしまった。
俺は外周を走り出すのが遅かったせいで、一緒に走るやつがいなかった。
そのせいで俺は一人で壁を頼りにしながら学校へと戻ろうとした。
くじいた足が痛くて痛くて、歩くスピードが遅かったのだが……
そんな時に、
「あの〜、大丈夫ですか?」
ひとりの女子生徒の声が聞こえた。
俺はその少女を見た時、運命だと思った……
そんなに目立って美人ってわけではないんだが、顔は整っていて……
俺はその彼女の姿を見て放心してしまっていて、
「あの〜、大丈夫ですか?」
彼女に二度も同じことを聞かれてしまった。
俺は手放した心を掴み、胸へと押し込んで、
「ちょっと、練習中にくじいてしまって……」
「そうなんですね……部員さんたちはいないんですか?」
「はい……練習に参加したのが遅かったので、それに外周はかなり距離があるので走るのは一周なんですよ……」
「そうですよね……この学校の敷地とても広いですもんね……」
「はい……情けないです……」
「そんなことないですよー。わたし帰宅部ですから、部活やってる人はすごいと思いますよー」
「そうなんですか……ありがとうございます」
「わたしも帰宅部の活動中ですが、一回中断して、あなたを学校まで送りますね」
「え!? そんなことしなくていいですよ……」
「だめですよ……だって、部員さんこないんですよね?」
「はい……じゃあ言うことを聞いてください……」
「わかりました……」
俺は足を引きずりながら、壁に体を預けながらもゆっくりと歩いた。
なんだか、痛みは無くなってきた感じがしたのだが……
まだゆっくり歩いていたい……
そんな気持ちが俺の足に夢想の苦痛を与える。
声をかけてくれた彼女が俺を学校の校門まで付き添ってくれて、
「ありがとうございました! ここからは俺1人で行けます!」
「うん。わかったよ。じゃあ気をつけてね」
こうして、俺は運命の出会いだと思った彼女と別れた。
歩いている時に尋ねた彼女の名前。
それは……
鈴木美幸。
その出会いをきっかけに俺は彼女に恋をした。
彼女が篤樹の幼馴染と知ったのはその後の事だった……
その後は篤樹を通じて、いろんなアプローチを図ったが……
効果はなく、出来たことと言えば篤樹に美幸の連絡先を聞きつけ、彼女の誕生日におめでとうを言ったことくらいだ。
何を言ってあげればいいのかわからなかったから、かなりの長文になってしまったんだけど……
返信はすぐ帰ってきて、ありがとうとただそれだけだった。
俺はものすごく嬉しかった。
ただそれだけで……
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
今日は6月17日水曜日、俺には今日部活がない。
そして親友の篤樹も何か用事があるみたいで、遊べないらしい。
俺は予定がないので、家へと帰ろうと校門を出たところ、ある人物の姿をみた。
ひとりトボトボと帰っていく人物。
その人物……
それは、あの時俺に寄り添ってくれた彼女。鈴木美幸だった。
俺はひとりで帰る美幸のことを追いかけた。
なんだかチャンスだと思ったから……




