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嫌いな人

「おばあちゃん! 私ちょっとお買い物に行ってくるね!」


「しーちゃん。気をつけていってくるんだよぉ〜」


「わかってるよ。おばあちゃん! じゃあ行ってきまーす」


 ガラガラガラ。


 私は家を飛び出して、本屋に向かう。

 昨日発売の本を買いに行くためだ。

 人気作だからあるといたんだけどなぁ……

 タイトルは『奪え!ファーストキス』で、内容は学園内のラブコメ。作者はホワイトキャッスルさん。

 この人の本が私は大好きだ。

 あ! 本の話をしていて自己紹介が遅れたわね!

 

 私の名前は氷堂時雨、よもぎ大学付属高等学校の3年だ。学内では『氷姫』なんて呼ばれている……

 私はとある理由でおばあちゃんとおじいちゃんと暮らしている。

 その理由はあんまり言いたくない……


 私は家を飛び出し、よもぎ商店街の方へ向かった。

 私はよもぎ商店街にある『山口書店』の常連さんだ。

 古い本から新しい本まで沢山あって、行って飽きないし、古い本は安く譲ってくれる。

 

「すみませーん。山口さ〜ん」


「あらあら! しいちゃんじゃないの! 今日はどうしたんだい?」


 私がここを愛用するもう一つの理由は店主さんが女の方だからだ。

 私は男性が苦手……いや、嫌いだ……

 それはものすごく……

 まぁ、そんなこと話すだけで気分が悪くなるからやめてくけど……


「山口さん。昨日発売のホワイトキャッスルさんの小説ありますか?」


「あぁ……ごめんね……昨日の時点で完売しちゃったわ」


「はぁ、やっぱりですか……」


「うちにはないけど……きっとショッピングモールの三つ葉書店にはあると思うわよ!」


「あぁ! 確かにそうですよね! ありがとうございました!」


「いいんだよ〜! 気をつけて行ってくるんだよぉ!」


 私は大好きな小説のためによもぎショッピングモールへと向かう。

 早く読みたいなぁ……


 歩くこと15分くらい。

 ようやくショッピングモールに着いた。


 私はショッピングモールに本を買いに来ただけなので、そのまま三つ葉書店へと向かった。



 えーっと、最新作の場所はどこかなー?


 あっ。あった! よかったぁ……あと一冊って運がいいものね。


 よしこれを買ってさっさと帰ろっと。


 私は三つ葉書店で、ホワイトキャッスルさんの新作を買って、帰ろうと思った時。



「やったー! わたしあれが欲しいー!」


 そんな声が聞こえてきて、私は聞こえた方向を見た。そしたら……佐藤篤樹。


 私の大嫌いな佐藤篤樹がそこにいた。

 私は男性が嫌いだ、その中でも佐藤篤樹は上位に存在する。


 私が見たのは、佐藤篤樹とその隣にいる黒髪ポニーテールの女の子と亜麻色のショートボブの女の子。

 どちらともわたしは面識がない……

 

 やっぱり、わたしは佐藤篤樹のことが嫌いだ……

 女の子を物で誑かすなんて……

 それに、きっといつも学校で佐藤篤樹の側にいる子にはこのことを伝えてはいないんだろう……

 遊ぶだけ遊んでキープだけして捨てる……

 どうせそうに決まってる……

 少しばかりスペックが高いからっていって……

 女の子を物のように扱って……

 佐藤篤樹はクズだ……

 いつもいるあの女の子がかわいそう……

 彼の周りにいる女の子はきっと不幸になる……

 そう……わたしとお母さんみたいに……


 わたしは佐藤篤樹を見て、本を買った時の嬉しさを忘れ、気分を悪くしながら家へと帰って行った。

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