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それから


 俺、佐藤篤樹さとう あつきは10歳の時、初めて、実の妹、当時3歳の佐藤希さとう のぞみと仲良くお風呂に入った。


 俺は希の体を優しく洗ってあげ、そして一緒に湯船で温まっていた。温度は熱くも温くもなく、のぞみが気持ちいいと思うくらいの湯加減である。



 俺と希が仲良くお風呂に浸っている時、突然目の前にあるものが表示された……


一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一

【名前】佐藤希

【年齢】3

【誕生日】5月21日

【3S】B:85 W: 59 H:87 (見込み)

【親愛度】95

【好きなもの】にいに

【嫌いなもの】パパ

【H】F→A

【テクニック】F→A

一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一

【称号】

【希望の光】【ブラコン】【アツキの嫁】

一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一

【ひとこと】

 にいにー! にいにー!

一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一


「えっ!?」


「にいに!?」


「あっ!? ごめんね! のんちゃん! 驚かせちゃって」


 あれ!? 一体どういうことだ……

 俺は妹が俺のことを大好きで親愛度が80を大幅に上回ってたことも知っていた……

 だから俺は希が飲み食いしたものも食べるのを避けたし、俺が食べたものを希が食べないようにも注意していた……

 いつかは攻略しようと思っていた……

 だが、【魅了】の力が強力な以上、こんな小さいうちにスキルを使ってしまうのは流石に気が引けた……だから、俺は自制していた……それなのに……


 何でだろうか……


「…………」



「にいに!? にいに!? でる!」



「あ! ごめんな……もうでよっか」


 俺が思いもやらない事態に頭を悩ましているうちに時間が経っていき、希が顔真っ赤にしてのぼせてしまっていた……少しばかり【魅了】の力もあるのだろうが……とりあえず、考えるのは後にしよう。




「のんちゃん。バンザーイして」


「ん! バンザーイ」


「よしよし! のんちゃんは偉いねー」


 わしゃわしゃわしゃ。


「にいに! もっと!」


「わかったよー!」


 わしゃわしゃわしゃ。


「ん〜〜〜♪」


 俺が髪をもう一度拭いてあげると、希は目を細めて気持ちよさそうな唸りを上げていた。


「はい! 次はお着替えしようね!」


「ん! やる!」


「うん! のんちゃんは自分でできるもんね!」


「ん! できる!」


 よしよし。


「えへへへ」


 俺はすぐに自分のパジャマに着替え、のんちゃんが着替えるのをじっと見守っていた。


 父さんがようやく息を吹き返して、希と俺の元へとやってきた。


「おー! 篤樹がお風呂に入れてあげたんだな! えらいな! 今度は俺が入れるからな!」



「パパ、やー!」



 グサリ。

 かなり深く刺さったようだ。

 父さんはまた意識を深い闇へと手放してしまった。



「……のんちゃん、パパが泣いちゃうよ?」


「パパやー! にいにいいー!」


「そっか……」


 よしよし。


「えへへへ」


 なんだか俺は複雑な気分だ、俺も父さんにはいろいろ悪戯をして、足蹴にしてしまったところもあったが……3歳の娘にこんなことを言われるなんて、父さんが流石にかわいそうだ……せめて俺だけでも、父さんには優しくしてあげなければならない……父さん今まで本当にごめん……


 俺は深く父さんに謝罪するのであった。



 のんちゃんが自分でお着替えが終わったので、次は髪を乾かさないといけない。


「のんちゃん! こっちおいでー!」


「ん! にいにーーー!」



 希が俺の胸へと勢いよく飛び込んできた。

 それを俺は希が怪我しないように、勢いをある程度いなし、自分の胸元に優しく抱きとめる。


「のんちゃん! 髪を乾かすよ!」


「ん! あっと!」


「はい! どういたしまして!」



 ウィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ。


 ドライヤーが大きい音とともに暖かい空気を流しだす。


 わしゃわしゃわしゃ。

 


「のんちゃん…どうですかーー?」


「………………」


「あれ!? のんちゃん!?」



 こくり。こくり。こくり。



「あ!? のんちゃん寝ちゃってる……」



 俺が希を抱き抱えながら髪をとかしながら乾かしていたところ、安心したのか希は首をこくりこくりとして眠ってしまっていた。

 そんなところに、



「あらあら! のんちゃんったら、お兄ちゃんの胸の中ですやすや気持ちよさそうに寝ちゃって……」



「かあさん! シーー!」


「あら!? あっくんごめんなさい……あっくんは優しいおにいちゃんね! のんちゃんはいいわね! こんな優しいおにいちゃんがいて」



 母さんは俺と希の両方を優しく撫でた。


「じゃあ、あっくん。そのままのんちゃんをお布団で寝かしてきてあげてくれないかしら」



「うん! 任せて」



 俺は希を優しく抱えて寝室へと運び、希が眠る布団に希をそっと優しく乗せて、ぐっすりと眠っている希の頭を優しく撫でた。


 少し暑いのだろうか……せっかく乾かしたはずの紙が汗でしっとりとしめっていた。


 俺は希の寝顔を見ながら、ようやく落ち着いたのかさっきの出来事の整理をした。



 俺がお風呂に入る前は希に【魅了】は発動していなかった……

 つまりお風呂で何かがあったということだ。

 親愛度はもともも95あったから、理由として考えるのはお風呂という場においての体液交換……


 いつ? 俺が希の体液を受け入れた? そして、いつ希が俺の体液を受け入れた?


 そんな機会一度もなかったはず……

 俺は希をあらい、一緒に湯船に浸かった。

 ただそれだけだ……


 じゃあいつ……


 それより、体液の基準ってなんなんだろうか?

 口元の唾液、血液……他には?

 あ!? もしかして…………




 汗も!?


 俺がお風呂に入り、知らず知らずのうちに汗を流していた……


 そして、その汗が湯船に混ざり込み、そして、なんらかの形で希へと吸収された?


 もし……そうだとしたら……



 この【魅了】チートすぎないかぁぁぁぁ!


 俺は隣でぐっすり眠っている希を眺めながら、脳内で一人悶絶をしていた…………



 はぁ……久しぶりのハプニングだよ……

 でも、希も将来可愛くなるし、俺がしっかりと愛してあげよう……妹としても、1人の女としても。


 俺はその時そう心に決意を固めるのであった……






◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



 時は戻り、俺が学校へ登校する朝。俺の家の玄関にて。


「母さん! いってくるね!」

「はい! あっくん! 気をつけていってらっしゃいね!」


「あぁ! じゃあ!」



 ガチャ。



 俺は玄関の扉を勢いよく開けた。

 そして、俺の家の前に1人の少女がいた。



「あっちゃん! 遅いよ。遅刻しちゃうよ」

「あぁ……すまん! じゃあ行こうか!」

 


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