あの子を落とせ〜春先生のトキメキ編⑩〜
俺、佐藤篤樹は今、深夜0時にこっそりと外を出歩いている。
今、俺は大人の姿に変身している。
今回の目的は、春先生に電話をすることだ。
春先生の電話番号を入手した俺は彼女に来週のデートの事を伝えるために、公衆電話へと向かう。
公衆電話を使用するのは、家からだと身元がバレる可能性があるのと、父さんと母さんに気付かれる可能性があるからだ。
手には父さんの財布から持ち出した、10円玉を何枚か持っている。
あ! ちなみに、今日取り出した千円札は俺の貯金箱に入れてある。
あれは俺の臨時収入だな。
俺は横で寝ているお母さんとお父さんに起こさないようにこっそりと家を抜け出してきた。
父さんはナマケモノだな……
昼間にあんなに寝ておいて、今もぐっすりな様子である。
俺は春先生に電話を掛ける。
プルルルルル。プルルルルル。プルルルルル…………
彼女はどうしてか、最初は全然出てくれませんでした。
あれ!? もう寝ちゃってるのかな?
プルルルルル。プル…………はい!
「はい!もしもし!」
春先生が電話に出てくれました。
俺は声を大樹のものに変えて、
「大樹だけど、寝てたかな?」
「ううん、起きてたよ! でどうしたの?」
春先生の声の調子が高い、これは乙女のそれだ。
「来週のデート、今日と同じで11時に丸の池公園の時計のとこ! それと、お弁当また食べたいな! じゃあ、そんなけだから!」
「うん。わかった! じゃあ、また来週ね♪」
ふぅ。だいたい30秒くらいかな? お父さんの財布からありったけの10円玉を持ってきたけど、結構余っちゃったな……
よし! これも臨時収入ってことで!
俺は急いで家に戻った。
母さんと父さんはぐっすりと眠っている。
俺はその2人の間に入った。
あったかいなぁ。母さんは綺麗だなぁ。
俺は暖かい2人の間で、今日の出来事を振り返っていた。
今日、春先生とのデートの楽しかった記憶。そして、今後の懸念点。
俺は今日デート中に彼女を【鑑定】してしまった。
そこに現れたのは、
一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一
【名前】温井 春
【年齢】21
【誕生日】3月24日
【3S】B: 79 W: 59 H:80
【親愛度】85
【好きなもの】こども
【嫌いなもの】なし
【H】D
【テクニック】D
一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一
【称号】
【子どもの守護者】
一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一
【ひとこと】
今日は人生初デート♪
一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一
彼女の俺に対する親愛度が85を超えていたのである。
つまり彼女と体液交換さえすれば温井春、春先生の攻略は完了となる。
俺はこのことに一瞬だけ気分を高揚されるのだが…………
ここで重大な問題が生じてしまった……
それは……
彼女を攻略するのはいったい誰なのか、ということだ。
俺、篤樹なのか? それとも、俺が演じているニセモノの大樹なのか?
このまま大樹と偽って、彼女と過ごしていくことも可能であろう。
だか、いつか、必ず綻びが生じてしまう。
彼女はそのことに確実に混乱することになるだろう。
大樹を好きでいる彼女、春先生が保育園で俺と会った時に、春先生は少なからず俺に対して変な感情を抱く。
そうなった際に混乱してしまうのは確実に春先生自信なのだ……
その思いに頭を悩ませるのも春先生なのだ。
それだけ俺がもつ【魅了】のもつ力は強大なのだ。
俺も一人二役を演じるのは今後足枷となり得ない……
俺はこれからどうすればいいのだろうか……
大樹として春先生と結ばれるのか……それとも……
俺は小さな頭(外見だけ)で深く考えた。
そして、たどり着いたのは……
『キス逃げ作戦』だ!
彼女、春先生にキスだけして彼女から立ち去ろう!
そして去り際には酷いことを言って春先生に大樹のことを諦めてもらう!
そして、よもぎ保育園で会った際に、俺、篤樹として、先生を慰めてやろう!
完璧だ……恐ろしく完璧な作戦だ……
俺は春先生を攻略することができるし、春先生の初恋は破れるものの……って初恋成就してね!? 春先生が好きなのは俺だもん!
大樹なんて外見でだけで囚われるのはよくないと思うね! 春先生はおれの中身に惚れてくれたはずだから、別に篤樹のものになるんだから、結果オーライだよね!
今聞こえたよ! あなたの声が……『お前最低だな! なんで、そんな結論になるんだよ』ってね。
しょうがないじゃないか……
これしか俺は思いつかない!
だから、次のデートの時に俺は彼女にキスして立ち去る!
彼女とは二度と大樹として会わない!
これが俺の目指す結末!
だから、春先生には申し訳ないけど、初恋は砕かせてもらうよ!
なんたって初恋なんて散るものだからね!
初恋で結ばれた人は是非、僕に教えてください!
きっといないだろうけどね!
ってな感じで俺は最低の男を演じるよ!
あ! 聞こえたよ!
『もうすでにそうだろ!』って声がね。
まぁまぁ、許してよ!
こんな性格だけどさ。結構女の子のこと大切に思ってるんだよ。だから、ね?
ってことでおやすみなさい!
とりあえず、お母さんのおっぱいを一揉みっと。
モミモミモミ。
今日もぐっすり寝れそうだ……




