第23話。もうすぐお別れです。
特級魔法特大転移。発動まで90%。
勇者は残り10%だと大喜びで飛び上がる。
もうすぐだ。ユリア校長と別れて部屋へと戻る。勇者。
勇者は魔物の討伐依頼を完了して自分の部屋へと戻っていた。王宮内の部屋に住み着いて早10年。もう、この部屋ともお別れである、そう思った勇者であった。
「よくあるあるな転◯物ア◯メなら冒険して」
「その稼いだ金貨とかで一軒家を買うだろうなぁ」
そう勇者は独り言を呟くのであった。ベッドへ寝転ぶ勇者。窓の外を覗く勇者はある違和感を感じる。窓ガラスに、へばり着く小さな生き物がいた。
「あの、は、初めまして、私は風の精霊です」
慌てて窓ガラスを開ける勇者なのであった。
「水の精霊も餌と思って死ぬし!お前は風だろ!」
「失礼ね!私たち精霊は死ぬ事ないもん!」
「えっ……?そ、そうなんっすね、それじゃ?」
「1日が経てば〜復活〜♪」
「そうですか、それじゃ、さよなら、さよなら」
勇者は窓ガラスを閉めようとするのである。それを阻止する風の精霊であった。
「待て、待て、待て!話があるの〜!」
「なんですか?今から描いた同◯読むんで〜」
「どーじーん?何それ?読ませてー!」
「読ませる訳ねぇだろうが、帰れ!精霊め!」
「ちょっとー!精霊様に向かって失礼だぞー!」
「ユリア校長の精霊だろ?そうなんだろ!」
「ち、違うもん!ユリア何て、知らないから!」
風の精霊は目を反らし、うるうると涙目になる。
勇者は心の中で葛藤がうまれる「めちゃ、泣いてるぅ〜!ユリア校長、どんな扱いしてるだよ!」
「酷いの、かっこいい男を見つけたら私を使うの」
「あの、大人を尾行しなさいって……ヒック」
「待て、待て、待て、待て、待てえぇぇい!」
「それ!完全にナンパだからな!ナ・ン・パ!」
「勇者〜もう嫌だょぉ〜うわ〜ん……」
風の精霊は勇者に抱きつくのであった。泣き叫ぶ。
「よしよし、辛かったな……よしよし〜」
「えへへ、勇者〜勇者〜えへへ」
『コイツを利用して大精霊に格上げよ♪』
『馬鹿なら精霊め!俺のパシリにしてやる!』
風の精霊と勇者の心が今一つになろうとしていた!
「風の精霊様、アイスを買って来てください」
「任せてー♪フユユとフカカのアイスね!」
「うん、はい、別ので……お願いします!!」
風の精霊はもうスピードで飛んでいくのである。
そして勇者は思うのである。
フユユとフカカの料理番外編♪。
フユユとフカカの肉盛り。
フユユとフカカのデザード。
フユユとフカカのサラダの盛り合わせ。
フユユとフカカのアイスクリーム。
全部、その名前じゃねえか!と心の中で呟く。
勇者は目を閉じる、いけない、前と同じなる。心を『水』にするのだ。勇者よ。己に言い聞かせる。
耐えろ、耐えるのだ、もうすぐお別れなのだ。
次回、第24話。謎の妖艶女性が勇者を見にきました。




