第21話。魔法発動まで残り20%!っしゃー!
残り20%で帰れる。勇者はそれは、それは。
痛く喜びに満ちていた。ここに身内は居ない。
別に別れは寂しくもない、勇者なのであった。
100%になる時に決め言葉を決めよう。
「国民の皆さん〜!お世話になりましたぁー!」と。
こう叫んで日本に帰ろうと……。
彼は国民に出会う度に笑顔で微笑み、手を振る。「後でサインを貰うかのぅ〜」「勇者様やぁ〜後で食べにおいでねぇ〜」
何故か勇者は年寄りに好かれていたのである。
そして勇者は一つの疑問に行き着く「ヒロインはどこにいるんですか?」と。
何故、自分の世界だけ「ヒロイン」が居ないのか。
勇者は、ユリア校長を見て呟いたのだ「うん、全然、ヒロインじゃねぇ」
決して、あのユリア校長をヒロインと見てはいけない。勇者は死ぬまで誓うのであった。
そう、この物語には「ヒロイン」不在の物語でもあったのだ!
勇者は魔法学校の校長室に呼ばれていた。
校長室の扉を「ギィ」と開いて「バタン!!」と強く閉める。
「やだ、勇者、もう少し優しくしてよ……」
「んで?何ですか?ユリア校長」
「あっ、ユリア校長、『35歳』の誕生日、おめっす」
「勇者……!覚えてくれてたのね!嬉しいわ」
ユリア校長は顔を赤らめる。何故かモジモジしている。勇者は心の中で思っていた……。
『アラフォーの仲間入り、おめでとう!』
『はっきり言って、早く結婚しろや!!』
『てめぇ!誕生日ぐらいで喜ぶなや!』
『これがヒロインならア◯メ、漫◯は終わってるからな!』
っと。彼は心の中で、そう思う事にしたのであった。
「それで、今日、呼んだのは何ですか?」
「あの3人組の件ね、そろそろパーティー訓練を」
「あー確か15歳になったら勇者のパーティーに」
「そうよ、今年で、あの子たちは15歳になるの」
「分かった、ユリア校長の言う通りしょう」
「あなたも素直になったわね、5年前なんて」
「ふふ、ユリア校長よ、今年で25歳ですから!」
「クスッ、そうね、いい大人だものね」
「はやく、彼女を見つけるのよ、勇者様♪」
そう言ってユリア校長は校長室を出るのであった。
そして勇者は心の中で思っていた「そのままの言葉を返す」と。
すると勇者は気になる、本を見つける。
「これは!?相手の投影を記録する魔法の本か!」
「そうだ、プリンの製造方法を記録しておくか」
「いけねぇ!用事があるんだった、後で記録だな」
「ユリア校長にはいつもお世話になってるからな」
勇者は、この5年間で日本料理の再現を試みた。先に勇者の好物である「プリン」から着手したのである。この世界には「砂糖」の概念がなかった。
ゆえに勇者は「甘みを持つ調味料」を探していたのであった。
「さてと、今日も魔物退治、退治〜」
勇者はユリア校長室を出るのであった。
刻々と勇者の大魔法発動まで残り20%になっていた。
第22話。偉大なる。大魔法師ユリア様へ。




