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寝とられ男の足掻きと挽歌  作者: ピョン太郎
24/24

禁術

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」

俺はカトレアの胸に突き刺さり張り付けにしていた槍の穂先を抜き、抱き抱えた。

カトレアの目は見開かれ顔は恐怖に強張っている。体の温度は無く、心臓の鼓動も息遣いもない。

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお……」

俺はそのまま一晩中哭き、吠えた

その声はただでさえ魔王の出現により怯えきっていた王都の住民達をさらに疲弊させ絶望させた、だが俺は吼える事をやめられなかった。そうしなければ俺は自分の心を保てなかった。自分の体の大切な物があっけなく無くなってしまったような例えようもない喪失感、怒り、憎悪、悲しみ、憤り、ありとあらゆる負の感情を込め、吠えた。声が枯れても吠え続けた。

そして一つの考えに思い至った。


禁術


以前に教会本部の地下で見つけた書物。

邪悪な魔術

ネクロマンサが使うような紛い物の蘇り等ではなく、もう一度生を与える再誕の魔術

けして行ってはならない禁じられた魔術


俺はカトレアの見開かれた瞳を閉じ、材料を集めに奔走した。



まず初めにハーラ・アインツバッハのもとに向かった

そして開口一番こう言った

「お前を父親にしてやる」

「ん?勇者殿が何を言っておるのかわからんな。俺の病の事は知ってるだろう。市井の者の噂にもなっている筈だ」

ハーラが俺を睨みつけながら言う

「聖女の本当の父親はお前だ」

「……まさか」

「聖女が魔王に殺された。生き返らせるには近親者の命が必要だ」

「……少し考えさせてくれ」

「駄目だ」

「…………わかった。行こう」

「1週間後世界樹の湖まで来い。来なければ殺す」

「フン、どうせ死ぬのだろう」

「1週間後だ」

それだけ告げ、去った


そして残りの材料を集めた



1週間後、カトレアの体を泉に伸び出た世界樹の根の上に寝かせ、材料を周りに配置し、カトレアの体に義父の灰を振りかけた時にハーラが来た。

「それが残りの材料か?」

「そうだ」

「俺はどうすればいい?」

「カトレアの枕元に立ち、手を組み祈りを捧げろ」

そしてハーラがカトレアの枕元にいき、手を組み、目を瞑った。

そして俺は呪文を、呪いの文言を唱えた

全ての供物を捧げた。


暫くしてカトレアが目を開いた


「パパ……どうして」

「いいんだ、ごめんよ、ごめんよカトレア」

俺は娘を抱き締めた

ハーラの死体の目の前で。

100人の無垢な子供の亡骸に囲まれて

俺はきっと魔王を倒しても、世界を救っても天国等にはいけないだろう

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