クリエイティブとネイティブ 前編
九尾をテイムした俺は女神様から授かりし神託を告げると満場一致で賛成決議。
俺たちの新しい家が決まった。
「んじゃ、今日からここに住むってことで!」
俺は地下に案内するなり部屋の使い方をみんなに教える。
床暖房はこっちの世界では普及していない技術のようでペトラは早速絨毯でゴロゴロだ。
リシアに関してはスイッチひとつで部屋に灯りを付けられることに感動したらしく、カチカチと点けたり消したりを繰り返していた。
女神様曰く、最善期スキルの効果を付与させたアーティファクトのお陰で電気や水道が使えるのだとか。
それでも磨耗はするらしく、50年程で効果も切れるらしい。
「それじゃあ、まずは買い物だな」
幸いな事に昨日の一件でお金はたんまりとある。
食料や日用品を全て買い揃えておこう!
「でもさ、ここまで運ぶの大変じゃない?」
確かにペトラの言う通りだ。
街から遠いこともあってできれば買い物は1回で済ませたい。
「ペトラって異空間収納みたいなスキル持ってたりしないのか?」
いわゆる四次元ポケ〇トみたいなスキルだな。
「ううん。初めて聞いた」
「そっかー。リシアは?」
「私も初耳。そんなスキル、聞いたことないよ」
この世界には存在しないスキルなのかな?
『どうなんですか? 女神様』
とりあえず念じてみる。
『この世界にはないわね』
気持ち悪いくらいの即答だった。
やっぱり暇なんだろうなぁ。
「じゃあさペトラ創造スキルでそういう袋みたいの作れないかな?」
「うーん。作れなくはないと思うけど、上手くイメージができないから今すぐに作るのは難しいと思う」
「あ、あの! でしたらワタクシにお任せ下さい!」
「え! クハクできるのか?」
「妖術の類なので創造スキルとは少し違いますが問題ないかと!」
「おお! 流石は狐ちゃんだ! 是非ともお願いします!」
「はい! では主様にはできるだけ鮮明にその袋を創造して頂きとうございます」
「了解。えっと魔法袋は……」
できるだけ細かく詳細に想像する。クハクにも伝わるように言葉だけでなく画としても細かく……。
「あ!」
「把握できました!主様!」
クハクとの声が重なり俺の小さな声はいとも簡単に掻き消えてしまった。まぁいいか。
クハクはよくわからない呪文みたいなものをブツブツ唱え出すと……。
宙に一筋の光が指す。
その光はやがてある物を形作る。
──そう。
俺とリシアとペトラの頭上にそれぞれ1枚ずつ白ブリーフが落ちてきたのだった。
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後編は夜中に投稿しますのでそちらもお願いします!




