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怪 談   作者: 冬月 真人
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【おや?】


透が以前に住んでいた農村部の屋敷。

そこの家で聞こえた男女の会話。(第32話)

あの土地にまつわる何かなんだろうと思っていたが引っ越した先で2年目に『おや?』と思う出来事があった。


就寝しようとテレビを消してベッドに身体を横たえると人の話し声が聞こえる。

初めは表で通行人が話しているのかと思ったが、零時を回ったこの時間に他人の家の前で立ち話も無いだろう。

念の為にカメラ付きのドアフォンのモニターを確認したが人影は無かった。

両隣は高齢の老人宅。

よもや深夜番組を見ているとは思えない。

ラジオかもしれないが、テレビにしろラジオにしろ少し様子がおかしい。

話す様子が以前の家で聞いた男女の会話によく似ていた。


『話し声はしっかり聞こえるのに何を言っているか分からない』


気付いた透の中では『おや?』から『マジか!』に変わっていた。

付いて来た!

いや、憑いて来た?


きっと引っ越した初日から一緒に来ていたのだろう。

ただ、新しい環境はあの農村部とは真逆の街中まちなか

喧騒、騒音、振動。

久しぶりの感覚ばかりで透が気付いていなかったのだ。


それにしてもこれはあの土地から憑いて来たのか、それ以前から透に憑いていたのか……



もちろん心当たりは無い。








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