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【占い・後編】
その翌年、翔は会社の1年先輩と結婚をした。
そして透は翔が結婚する少し前に驚くような相談をされた。
「出来たんだよね」
それはスキー場に向かう車の中。
翔がポツリと言った。
「は?」
「芳江さんに」
名前は透も知っている。
彼女と別れた日の夜に、偶然遊びに来た彼女と飲んだ拍子で…と。
「寝たのは聞いてたけど、付き合ってた?」
「これを機に」
「付き合うの?」
「いやいや、結婚!」
「マジ?」
「それで、友人代表を透にお願いしたいんだ」
本気で驚いた。
いや、占い師の彼女が言った『もう出会ってる』もそうだが、透は彼女からこっそりと秘密を聞かされていた。
それは最後に彼女が言い淀んだ言葉。
翔がトイレに席を外した時に『意識すると未来が変わるかもしれないから、その日が来るまで秘密よ』と教えてくれた。
『翔くん、すぐにパパになるわ』
何をどう見たらそこまで分かるのか。
そしてその数年後、翔は転職をする。
28歳だった。
転職は大成功で、入社半年で主任。
翌年には課長とスピード出世。
年収は1千万に達した。
「翔、唯一外れた占いは『小金持ち』だな。十分、大金持ちじゃん」
透が翔の背中を叩いて笑うと、翔は苦笑いしながら首を振った。
「カミさんが財布を握ってるから、俺の小遣いは転職前と同じなんだよね」
二人は顔を見合わせると大きな声でひとしきり笑った。




