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怪 談   作者: 冬月 真人
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【鬼門と霊道】

英雄の運転する車に家族全員が乗って出掛けた。

行き先は宅地造成、区画整理も終わった新興住宅地。

「ここに家が建つんだぞ」

英雄が指差した先には何も無い空き地があった。


透はその隣の区画、未来のお隣さんの土地が気になっていた。

祭壇が作られ神主が祈り、お隣ファミリーがこうべを垂れている。


「あれは何?ウチもやるの?」

透は英雄に尋ねた。

「ウチはやらんよ」

英雄が答えると和恵が続ける。

「なんかあの家の婆ちゃんが『鬼門だから地鎮祭をしなきゃダメだ』ってゴネたらしいよ」

「ウチは鬼門じゃないの?」

「鬼門ってのは北東にある玄関のことで、鬼の出入り口なの」

オカルト大好物の和恵が説明した。


後日……

とは言っても引越してからの話で数ヶ月後。

近所の事情通の奥さんの噂話。

『あそこの家って霊道が通っているって話で着工前にお祓いをしたんですって』


聞いた話、霊道を封印したりすることは相当に高い能力者を以ってしても難しいらしい。

そんな時、彼等は霊道をずらすそうだ。

高位の能力は無くとも僅かにずらすことは出来るらしい。


……なるほど。

ずらした先が我が家だったのかもしれない。

あれだけ出るんだもの。

彼等は道を歩いているだけの一見いちげんさんなのだ。

だからポチ以外、誰も同じ霊を見たことが無い、






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