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怪 談   作者: 冬月 真人
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【心霊写真】


「ちょっと、これ心霊写真じゃない!」

涼子がアルバムを持って母の和恵に見せた。

そこには戦前の集合写真があった。

劣化した画質の白黒写真。

祖父のものだ。

前列の人達の足と足の間に頭があった。

怪奇現象大好物の涼子と和恵は狂喜乱舞の大喜びだ。

「これ、兄ちゃんにもみせてあげないとね」

別段、透は大好物ではないのだが迷惑にも二人は大盛り上がりだった。


盆休み。

同じ町内に住む祖父の家に集まったのだが英雄と透は今日まで仕事。

祖父の家の掃除をしているウチに発見した古いアルバム。

「心霊写真とかあったりして」

そんな会話から掃除そっちのけで二人はアルバムを漁っていた。

そうして見つけた心霊写真。

祖父の家に帰宅した透に涼子はアルバムを差し出した。


「年代物の心霊写真だよ!」

何故かドヤ顔の涼子から受け取ったアルバム。

「見つけてごらん」

更に上から目線だ。

透はゆっくりと、じっくりと写真を見ていった。

1ページに1枚から数枚の写真。

ページをめくり探しているうちに最後のページも終わってしまった。

「分からん」

透が降参するとセンスの無い人を見るような目で涼子がアルバムめくり始めた。

「透、分からないの?」

母の和恵は九九の暗唱で詰まる子供に言うような風だ。


少しして涼子が小さく声を上げた。

「……無い」

「ん?」

「無くなってる」

涼子がアルバムのページを開いてこちらに向けた。

「ここにあったの!ここにあったのに写真が無くなってるの!」

たしかにそこは不自然な空白のあったページ。

和恵も「どうして」と幾度か言葉を繰り返した後、絶句した。



その写真はいまだに見つかっていない。



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