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新しい朝

窓から差し込む陽の光。

耳に心地いい小鳥のさえずり。

朝だ、いつもと何も変わらない朝。

この静かな独特の雰囲気がいい。


バン!



「朝だよ、ご主人様!」



しかし、それはドアを蹴破る音とともに終わりを告げた。

そこにいるのはこの家の新たな住人。



「分かってる、少し現実逃避してただけだ……」



昨日までは安らぎの空間だったのに、随分賑やかになったものだ。

全てはこの一人の居候のせいなのだが。



「なんでそんな元気なんだ、悪魔とかは夜行性じゃないのか。」


「昨日ご主人様から吸い尽くしたからね。元気満タンだよ!」


「…………おい。」



俺が起きたとき、気だるい感じがしたのはそのせいか。

精気がなくなるっていうのは案外きついらしい。

慣れればどうってことないか。



「とりあえず一階に下りてろ。」


「なんでなんで?」


「着替えるからだ。」


「別にあたしは構わないよ。」


「昨日、自分で乙女とか言ってた奴が何言ってる。ほら下りた下りた。」


「はーい。」



まさか、これから毎朝ずっとこんな感じなのか。

…………疲れるぞ。



………


……




「ご主人様ー、ご飯まだー。」


「机をがんがんするな!ていうか、ご主人様がなんで飯用意してんだよ。上下

関係の倒錯もいいとこだぞ。」


「だって、あたし作れないしさー。細かいことは気にしない気にしない。」


「別に敬語を使うわけでもないし。ご主人様っていう言葉だけが完全に浮いち

ゃってるだろうが。」



ツッコミが追いつかぬまま朝食に手をつける。

テレビからは朝のニュースが流れていた。



『例の切り裂きジャックの町で正体不明の現象が見られました。ある路地の一

帯が大きく破壊されており、中には炎を見たという証言もあるそうです。現場

の佐藤さん……』


「早速取り上げられてるな。」



カメラが現場を映し出す。

まさか今世間を騒がせている切り裂きジャック事件とこの爆弾でも爆発したよ

うな惨状が同一犯によって引き起こされたとは思わないだろう。

加えて、悪魔でロリで……誰が予想できるだろうか。



『随所に焼け焦げた跡のようなものも見られ……』


「ほらよく見とけ、これ全部お前のせいなんだからな。」


「あ、ご主人様がぶっ壊した塀だ。」


「よそ見してないで、ハムエッグ食ってなさい!」



やはりテレビというのは子どもの教育上、よろしくない。

そんなことが俺の中で証明された。



「さてと、今日はどうしようかな。」


「あれ、人間って学校とか行くんじゃないの?」


「ふっふっふ、俺は特別なのさ。そんなものに縛られたりはしな……」



―“明日俺の弁当作ってきてくれないか?”



「…………忘れてた。」


「ん?どしたの?」


「お前のせいで俺は今日行かなきゃならんようだ。」



流石に弁当作らせておいてサボるのは笑えない。

ナツがどんな反応をするか……。

今回ばかりは大人しく行ったほうがいいだろう。

そうなってくると問題なのが……



「お前、一人で留守番とか……」


「ふぇ?」


「……連れて行くしかないか。」



学校に連れて行くのも相当躊躇われたのだが、こいつから目を離して家に残し

ておくほうが危険に感じられた。



「そういえば、呪いのことについてなんだけど。放っておくわけにはいかない

よね。」


「別に俺は力が使えるからいいんだが。」


「いや、でも悪魔の呪いだよ?いつどんなアクシデントがあるか分からないし、

それに呪いの負の効果だけを取り払って力だけ残すとかも可能だから。特にご

主人様の場合、発現してる魔力が闇属性でしょ。」


「何か問題が?」


「闇を司るのは悪魔の中でも高等な奴らなんだよ。代表としては王族クラスと

かね。それほどの悪魔がかけた呪いならますます油断できないってこと。」


「はぁ、具体的に方法とかあるのか?」


「残念ながら私は最強だけど、知識がそこまであるわけじゃないからね。今す

ぐ解呪っていうのは難しいかな。そういうのは専門がいたしね。」


「結局何も出来ないってことか。」


「そういうわけでもないよ。結局呪いなんてのは術者の残した力に自分自身が

負けなきゃいい話。ご主人様はそれを人間離れしたポテンシャルでこなしてき

たんだけど、所詮力業だからね。もっと効率のいい立ち回りがあるんだよ。」


「というと?」


「要は魔力の使い方を上手くなればいいってだけ。昨日ご主人様が魔力使って

たけど、あれは一般に“アウラ”とか言われてる魔法の第一段階でしかないの。

まあ、人間が何の知識もなしにそれが使えてることは十分凄いんだけど……、

とにかく魔力の使い方を覚えればもっと強くなれるし、呪いの暴走を防ぐこと

にもつながるってこと。」


「おー、それはいい話だな。けどその知識はどうやって得るんだ?」


「ふふ、魔法ならあたしに任せてよ。なんたって悪魔なんだから。」

イヴと仁、コンビの誕生です。


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