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カノアゲーム  作者: 朔
4/11

決闘

アリアに戻ると、砥石を買った。このカノアゲーム、武器の耐久度は設定されていないが、切れ味が落ちることはあるのだ。


砥石で双剣を磨いていると、色々な人にパーティーに誘われた。攻略組から、木の剣しか持っていない、おそらく寄生プレイをしようとする奴。全て丁重にお断りした。


だが寄生プレイをしようとする奴は、諦めが悪かった。

「どうせ双剣を使いこなす自信がないんだろう?」

だの

「木の剣同士で戦ったら絶対俺が勝つだの」

とよく喋る。


「そんなに強いなら、なんで木の剣なんだよ」

と回りに聞こえるように、大きい声を出したら、失笑をくらっていた。


「俺はチーミングで失格になっただけだ。この男には負けない」

と強気な発言。


「じゃあ、お互い2000Gを賭けて、木の剣でPvPをしよう。それなら文句はないだろ?」

と言う。


「良いのか?全財産賭けちゃって?アリアで路頭に迷うことになっちまうぞ」


「別に構わない。勝てば良いだけだからな。俺にはメリットしかない」

と煽る。


「トンズラなんて出来ないからな。きっちり2000G払えよ」


「だから2000G払うのはお前で決定なんだってば笑」

更に煽る。


「じゃあ今すぐ決闘だ」

そう言ってPvPの誘いを送ってくる。負けたものは勝ったものに2000G払う。この条件を見てから、同意ボタンを押す。


直径六メートルの不可侵領域ができ、お互い木の剣一本で対峙する。


ケンチャンは開始と共に、器械体操部の床の如く技を繰り出していった。男は初見では対応できずに負けた。勝負は一瞬で決まったのである。


「じゃあ約束どおり2000Gは頂いていくぜ」

と声をかけたが、男は放心状態だった。


この戦いを見ていた者達は俺に対してPvPを仕掛けて来なくなった。


「なんなんだよ!さっきの動きはよー。さては適応率100%を越えているな」

さっきの男が放心状態から戻って文句を言いに来た。


「あんたの言うとおり適応率100%だよ」


「適応率100%ってことは実力どおりってことじゃないか。あんな動きが出来るのか!?」


「ああ、若いときに器械体操部に所属していたからね。久しぶりに体を動かすと気持ちいいもんだ」


「知っていたら、喧嘩を売らなかったのに・・・残念だ」


そういうとそそくさと男はこの場を後にした。


再び双剣を砥石で研ぐ。ピッカピカになった双剣を見て満足するケンチャン。


「今、手持ちが4000Gだから装備でもかっちゃおうかな?」

ということで、裏路地のプレイヤーメイドのお店にやって来た。


「こんにちは。どんなものを売っていますか?」

すると店長と思わしき女性は

「は、はい。革装備が一式と鉄装備がいくつかあります」

そう言って商品を見せてくれた。


「じゃあ、革装備一式と急所ようの鉄装備を頂こうかな?」

「はい、ありがとうございます!値段はこちらになります」

と言って見せられたのは80G。

「これじゃあほとんど利益は出ないんじゃないか?」

「良いんです。より多くの方に装備して頂きたいですから」

「俺の名はケンチャン。そっちは?」

「イ、イツキです」

「良ければフレンド交換しないか?」

「はい、ケンチャンさん」

「そこはケンチャンで大丈夫だぜ!」


無事ケンチャンはフレンド一人目をゲットしたのだった。

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