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昭和25年生まれ 木村悦子75歳  作者: 天田 れおぽん @初書籍発売中


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第30話 落ち着かない日々

 玲子は小学校を卒業し、中学校へ入学しました。

 震源地は離れているとはいえ、頻繁に起きる地震に玲子は怯えています。

 わたしもそんな玲子を1人にしておくのは不安なので、中学生になっても相変わらず帰ってくるのは我が家です。


 背も伸びて大人っぽくなってきましたが、やっぱり子どもです。


 ただ中学生くらいになれば、変な男が寄ってきたりしますからね。

 その辺の警戒も外せません。


 わたしは庭で軽い家庭菜園を始めました。

 趣味で花を育てていましたから、土いじりは嫌いではありません。

 スイスチャードは見た目も綺麗で、玲子も美味しいと食べるので育てがいがあります。


 シソやバジルも始めました。

 ネギは……検討中です。


 外で作業していると、軽い地震であれば気になりませんから、その点でもよかったです。


 晴れた日は下校時間に合わせて庭に出て、ちょっとだけ作業しながら玲子を待ちます。

 なぜ子どもって、道を歩いているだけであんなに可愛いのでしょうか。

 生命力にあふれていて、見ているだけで元気をもらえます。


 まだ入学したばかりの一年生は、部活も選んでいる途中なので帰宅が早いです。

 地震が続いていますから、その辺の配慮もあるのかもしれません。


 バタバタと忙しく、いろいろなことがありましたが、わたしが心を配ったのは玲子のことです。

 ただでさえ不安定な成長期に、必要以上の不安を与えたくはありません。


 なるべく平穏に、いつもと変わらないようにしてあげたい。

 テレビをつければ物騒なニュースは流れてきますから、なかなか難しいことですが。

 それでもことさら穏やかに。なるべく安心できるように。

 明るくふるまうことで、玲子の気持ちが安定するのなら、そのほうがいいのです。


 世の中は怖いことだらけですが、その中でも生きていかなくてはなりません。

 わたしはなるべく玲子が笑顔になるように、気を使っていました。


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