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昭和25年生まれ 木村悦子75歳  作者: 天田 れおぽん @初書籍発売中


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第28話 老後に備える

 最近の60歳は若いです。

 その年代で老後の準備を終えたというと少し早い気がしますが。

 親世代を見ているとこの時期に動いておいたほうがいいかもしれません。


 わたしはリフォームを終えた家の中を見回しながら思いました。


 だいぶスッキリして暮らしやすくなりました。

 夫婦2人で暮らすには充分です。


 二階の管理は順子に任せました。

 わたしは掃除などの管理はしません。

 窓を開けたり、閉めたりする程度です。

 洗濯物を干したいときにも……あら、意外と二階へは行ってますね。

 運動代わりになるからいいですけど。


 とはいえ、家庭内で事故があっても大変です。

 まだ健太郎さんは仕事をしていて日中は留守ですし、運動はなるべく外で行うことにしました。


 子育てをした家の変化は、ちょっと寂しい気持ちはありますが。

 そもそも子どもは独立しちゃってますからね。

 体が動くうちに自分でいろいろと済ませることができてよかったです。


 バリアフリーにしても、怪我をしたあとにするのと事前にしておくのでは違います。


 健太郎さんは補助金について調べて、申請などの事務手続きもしてくれました。

 わたしは家の中をガタガタと片づけたり、要望を伝えるだけの係です。


 せっかくリフォームするのだから太陽光パネルを屋根に設置しようか、という話は出たのですが。

 屋根が重くなると地震の時に心配なのでやめました。

 耐震補強はかけましたが、屋根はあまり重たくしたくないですからね。


 最近の若い人の考えは違うでしょうが、我が家は建て直しではなくリフォームですから考えが古くても正解だと思っています。


 建て直しではなくリフォームですから費用や工期の負担は少なかったですが、室内が少しだけ狭くなりました。

 でも安全のほうが大切ですよね。

 倒れる心配のある大型の家具はなるべく撤去して、備え付けの収納を増やしてもらいました。

 家がダメになったら一緒にダメになってしまいますが、倒れてくる心配がないから怪我は減ります。

 年を取って体が弱くなることはあっても、若返ることも、体が丈夫になっていくことも期待できません。

 もっと年をとれば掃除をするのも嫌になるでしょうから、なるべく物は減らしました。


 バリアフリーにして今感じているメリットは掃除のしやすさですね。

 その代わり、このホコリはどこから来たのかと驚くことはありますが。

 おおむねリフォームには満足しています。


 そして2011年、平成23年。あの日がやってきたのです――――

 

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