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昭和25年生まれ 木村悦子75歳  作者: 天田 れおぽん @初書籍発売中


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第17話 バタバタ孫育て

 年を取っての子育ては疲れます。


 でも保育園の運動会は癒されますね。

 孫の玲子はハイハイレースで一番になりました。

 順子に似て負けず嫌いのようです。


 0歳児さんが土の園庭で敷物の上に置かれて、ただ座っている、ただ転がっている、ただ泣いているという種目(?)は癒されました。

 孫もまだまだ幼児ですが、0歳児さんたちの乳飲み子独特のあの可愛らしさ。

 たまりませんね。

 なかなか見ることのできない姿を堪能できて満足です。


 頼もしい保育園の先生方を頼りながら、乳児クラスで入園した玲子も、幼児クラスへと順調に成長していきました。


 忙しく孫育てを手伝っていた2001年、平成13年の9月11日にアメリカ同時多発テロ事件が起きました。

 あまりのことに一瞬、茫然としましたが、3歳児が側にいては不安な姿を見せるわけにもいきません。

 現実に起きたことではありますが、その映像は刺激が強すぎて、幼児の目にはなるべく触れさせたくはないものでした。

 情報は気になるものの、玲子が一緒にいるときには、なるべくニュース映像など見せないようにしたものです。


 こうやって気を使って育てても、時期がくれば順子と同じように生意気なことを言い出すのでしょう。

 それはそれでいいのです。

 ただ幼い今だけは、心のなかの平安が保てるよう願いました。


 平和がいいです。この子たちのためにも。

 わたしは戦争を知らない世代ですが、悲惨な話は両親や親戚から聞いています。

 暴力は嫌です。

 孫には平和な世界で生きて欲しい。

 難しいことは分かっていますが、難しいからこそ祈ります。


 第二次世界大戦が終わったのは、わたしの生まれる5年前。

 判事をしていた方が配給量を守っていて栄養失調で命を落としたのは1947年、昭和22年のこと。

 いつでも平和が側にあって、物が豊かにあるとは限らない。

 

 だけど幸いなことに時間は戻らない。

 第二次世界大戦が再び襲ってくることはない。

 だけれども油断すれば、別の争いに巻き込まれる。


 だから幸せであれと祈る。

 

 順子に多少、至らぬ未熟なところがあってもいいじゃない。

 わたしたちが、あの子と哲也さんを支えたらいいのだもの。

 あちらのご両親も健在で、受け入れてくれているのだもの。

 玲子はこんなに可愛くて、とてもいい子。


 わたしたちは幸せだ。


 たくさんの争いごとや、たくさんの不正や、たくさんの不穏がニュースとして流れてくるけれど、わたしはわたしの出来ることしか出来ないから。


 わたしは、忙しくて料理の腕がなかなか上がらない順子の代わりに、運動会のお弁当作りに精を出した。


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