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昭和25年生まれ 木村悦子75歳  作者: 天田 れおぽん @初書籍発売中


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第15話 孫育て開始

 戦後最悪の不況が続く1998年、平成10年でしたが、我が家は孫の誕生に沸きました。


 1996年から2001年あたりは金融ビッグバンといって政府が大規模な金融制度改革を行ったので、健太郎さんは大変そうでしたが、わたしから見たらいつも同じ。

 健太郎さんは基本的に、いつでも大変そうだったのであまり意識していませんでした。


 わたしたちは48歳。

 健太郎さんは働き盛りの年齢です。

 孫は可愛いけれど仕事は忙しく、かかわる時間があまりとれなくて残念そうです。


 順子はちゃっかりしていますからね。

 仕事をしていなかったわたしを、上手に育児へと巻き込んでいきました。


「私、しばらくは実家で子育てするわ」


 そう宣言した順子は、ほぼ実家での子育てを開始しました。

 自宅へは週末に帰ればいいほうです。

 下手をすれば、哲也さんが我が家にやってきて寝食を共にしていきます。


 わたしは二度目の子育てです。


 赤ちゃんのおむつを替えたり、沐浴させたり、日々は忙しく過ぎていきます。


「嫁にやったはずなんだが」


 健太郎さんは苦笑しています。

 わたしも同感です。


「いいじゃない。お父さんだって、この子がみられて嬉しいでしょ?」


 ソファに体を預けている順子が、小さな玲子の体を見せびらかすようにして腕を少し持ち上げて回しています。


 誰に似たのでしょうね。

 図太いです。


「本当にあなたは産後鬱とは無縁ね」

「んー、ちょっと産後ハイかも。あとから来るかもしれないから、私のこともちゃんと見てててね」

「はいはい」


 本当に順子は、ちゃっかりしています。


 わたしの両親や健太郎さんのご両親も、我が家を訪れることが増えました。

 赤ちゃんのお世話の手伝いに、順子の産後ケア、我が家の家事に接待にと大忙しです。


 当然ですけど、哲也さんのご両親が我が家へ来ることもあります。

 

 孫は可愛いですが体はしんどいので、ちょっと禿げました。


 順子も産後の大量の抜け毛を前に禿げることを心配していましたが、まだ若いので目立つほどではありません。


 むしろわたしの心配をしてほしかったほどです。

 年齢的にデリケートな時期だったので、孫は可愛いけれど、更年期も重なって体はしんどい。


 だけど順子は産休があけたらしっかりと働かないといけないので、今のうちに体をしっかり回復させないといけません。


 産後に無理をすると、年を重ねた後が大変といいますからね。


 わたしは専業主婦ですから、なるべくしてあげたいと思います。

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