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JKだけど異世界で真の漢に俺はなる  作者: 相川ミサヲ
第1章
18/78

◇ストーカーと傷痕◇

脳内会議してる時ありますよね?。天使と悪魔とかに例えられたりしますが、

「あいつならこー言いそうだよな」とか「こいつはこーとる」とか考えていたりしますよね。まぁハズれる事も多いので面白いんですが。


 雨があがってから、けっきょくはレオを背負って家にこっそり戻った。


 俺がんばった!


 都合のいいことにレオの奴、高熱だして寝込んでくれた。

 喉腫れてるから多分扁桃炎。

 熱にうなされてボーっとしている。

 寝ていりゃかわいいのに。ずっと寝ててくれないかな。


 ウィルには

「迎えにきてくれたんだけど、傘こわれちゃって、濡れちゃったから風邪ひいちゃったみたい。てへぺ(ry」

 といつになくぶりっこしてかわいく言ってみた。


 何故、壊れる事になったのか言えないけどな。


 あぁ胸が痛い…。




 レオを背負って砦まで行くわけにもいかず、結局クリスが家にやってきた。

来てそうそう「荒療治をしたのかい?」

と聞かれたが、ウィルの手前、目が泳いでしまった。


 目と舌と喉を診て、「俺の専門は怪我の治療なんだけど」

とかいいつつも薬を調合して漏斗で飲ませる。


 …なんでもそれ使うん?

 えぇ、たしかに雨に濡れて怪我したせいで熱だしたんだと思いますけど。


 ウィルにレオの看病をまかせて、スミス夫人に「持病の癪が…ついでにクリスに診てもらいますね」

と言って、自室にクリスを引っ張りこんだ。


 ライラさんあたりが見たら、

 「あら、積極的なのね。フフいけない子」

 とでも言われそうだし、スミス夫人には

 「持病の癪って…」

 と不審に思われてしまっているだろう。

 が、今は誰にも聞かれたくない話をしようとしているのだ。


 ドアを後ろ手に閉めているとクリスがそわそわしている。

 「あの、アリサ…俺も一応男なんだから言われのない事を言われたくないのでドアは開けておいて欲しいのだが。」

 何故か顔を赤らめている。


 ライラさんあたりが見たら

 「あら?私と言われのない事を言われるのは不本意かしら?」

とか言いそう・・・


 って!

 なんでいちいち人の妄想小話にちょくちょく出演してくるんだライラさん!


 多分現実逃避だ。


 頭の中のライラさんを追い出し(妄想の中で不本意そうにふくれていた)

俺は正座した。

 すごく反省している証明のために正座して土下座しました。


 「ど・・・どうしたんだい?」


 「ゆうべうっかりレオを殺りそうになりました」

 俺の告白にクリスは口をぽかーんと開けた。






 しばらくたって

 「えっ?」

 と間の抜けた声をだした。




 「「なんでまた????」」

 声が、はもった。


 ウィルが紅茶をのせたトレイを持って立っていた。

 …スミス夫人だって気をひきかせて入ってこないのに、なんでこの場に紅茶持って入ってくるんだ。


 「お、落ち着いて?まず絶対紅茶をひっくり返すと思うからそこにおいて」


 俺はまず自分が落ち着くために深呼吸をし、ついでウィルとクリスに深呼吸をするように求めた。


 ウィルには内緒にしたかったのが仕方がない。

 これは恩人に隠し事をするなという啓示なのかも?と仕出かした事を白状する覚悟を決めた。


 二人が深呼吸し終わったのを確認して、俺は話しはじめた。

 「…いいですか?驚かないで聞いてね?」

 ゴクリと喉がなった。

 

 俺のこめかみもストレスでピクピクしている。


 「レオに襲われそうなったからです」


 「…それは合意の上じゃなかったって事?」


 何を聞いていたんだよ、ウィル。いや信じたくないだろうがさ。


 合意の上のレ●プってねーだろ。


 それ特殊な状況か、ただの趣・・・あ、俺の脳内会議に前の世界での腐った方面のお友達が出演しそうになるのを押しとどめる。




 クリスが俺の両頬の腫れと両手首についた圧迫痕に気が付いた。

わざと治さなかったのだ。


 「それ…」

 と、クリスは震える声で言った。


 「未遂です。ただ抵抗した結果、大怪我をさせてしまいました。すぐにヒールで治したんですけど…治したから許されるわけじゃないけど…ごめんなさい」


 謝ってすむことじゃないけど、もしかしたらウィルを怒らせて追い出されるかもだけど頭を下げた。


 そうなったら最悪、冒険者で生きていくってのもありだけれども、アジャールの町ではもう活動できないだろう。

 他の異世界人に会うという希望も潰えるだろうし。


 「それが、事実なら…許されるものじゃない」

 ウィルが拳をにぎってブルブルさせた。


 そうだよな。大事な弟を殺されそうになったんだものな。


 「ちょっと、レオを〆てくる!」


 あ、いいの?殺りそうになった事はいいの?

 ぉぉい!死ぬって、あの状態で〆られたら確実に逝くって。

 部屋を飛び出していこうとしたウィルをクリスが飛びついて抑えた。

 見事なフライングアタックだった。クリスさん、意外に…出来る…。


 「こんな事を言うのはとても心苦しい。いろいろお世話になってるのに」


 俺はまっすぐウィルを見ていった。


 「レオは病んでいる、重症だ、所謂ヤンデレという状態だ」



 「「ヤンデレ?」」


 はじめて聞いた言葉に、二人の声がハモった。







 俺は覚悟を決めてウィルとクリスにレオとの間にあったことを話した。

 「一番最初に変だと思ったのは、ギルドでわざと冒険者達を煽ったことです」

 そう、普段着で冒険者ギルドにいけば目立つに決まっている。

 それにレオはウィルにギルドには近づくなと言われていた。

 それらを推して俺にギルドへの興味を抱かせ、行きたいと言わせた。


 冒険者ギルドはならず者がなるというイメージがあるが、所謂武闘派には憧れの職業だ。

 初対面で足払いをかましたり、粗暴な態度を取る俺が興味をもつと思った彼は、

 ギルドへ普段着のまま登録に連れていき、冒険者を煽り、俺を怖がらせ、アジャールから出ていかせようと思ったのだろう。


 彼の頭の中では俺は、かわいそうな記憶喪失を演じる強かな女であり、その目的は彼から大好きなウィルを奪う事であったろう。


 生憎と俺は異世界人で同じ記憶喪失は演技だが、本当にこっちのことは何もしらない。

 レオの中では俺の常識のなさも演技であり、さぞ胡散臭く思えただろう。

 それに、すぐにでも王都へ連れていくはずだったのが、それが魔獣の襲撃で遅れてしまった。


 俺がウィルに懐けば懐くほど、彼の精神は平安を失っていったんだろう。


 「うぅん。それだけかなぁ。」

 クリスが呟いた。

 「ほとばしる熱いパトス的な発露があったんじゃないかなぁ。ほら…性春だし!」

 字が違ってるし、それ却下。

 誰もかれもが発情したからって人を殴ったり、襲ったりしない。




 「もしかしたら、これが原因かも」

 ウィルがシャツをまくった。


 割れた腹筋が見える。

 キャー!オクサマ大変!目の毒ですよ!。


 だからあなたは自分の視覚的特徴が周囲に与える影響をですね、もっと真摯に考えるべきなのですよ。


 彼は俺の心の抗議の声など軽くスル―して、くるっとうしろを見せた。

 なめらかに続く筋肉質な臀部へのラインがエロいですな。


 これは、俺の脳内の友人を萌え死させる気ですね!

 あっちの世界の住人だけど、ちょくちょく俺の脳内会議に出演しようとする奴ですよ。ライラさんなみの露出です!いい勝負です。!


 「…なんか俺の身体ヘン?」

 いえいえ、そんな事は。

 逆にガン見して気分を害させてはいけないと緊張しているだけです。


 「この傷…見える?」

 人が見ないように苦労しているというのに。

 いいでしょう、そんなに言うならガン見してやりましょうとも!

 むしろ視姦する勢いでって…


 ああ…あの傷。



 やっぱり刺されたんだ。




 ストーカー女に!



 ダメ、付き纏い、ゼッタイ!



 迷惑行為はいかんですよ。



 「俺と付き合ってるとか白昼夢みている女に刺された」



 …ああ、うん。人型の時の(ウィル)の容姿ならフツーにそういう人涌きそうだよね。





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