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入学式前日②

 校門をくぐるとすぐ大きな木があります。種類はよく覚えてませんが、なんでも学校ができたときに植えたとか。とてつもなく大きいので歴史を感じさせますね。


 その大きな根元には大きな(木ほどではないけど)掲示板のようなものが立っています。が、掲示板ではありません。F高校歌が書かれています。


 ……ずいぶん"あばんぎゃるど"な歌詞です。F高が日本一とか(実際そうですが)、F高生徒は天才だとか(実際そうですが)、すごく大きなこと(全て事実ではありますが)を言っています。あと作詞・作曲がマウンテン・タイガー太郎って。キャン○ルジュンよりとんでもないネーミングです。


 ふと、隣のお父さんを見ると複雑な表情を浮かべていました。おそらく自分の母校より素晴らしい歌詞でショックを受けているのでしょう。


 お父さんを無視して玄関に向かいます。校舎を見てみようという提案は、一度受験で訪れている僕には暇つぶし以上のものはないと思っていましたが、何かその時とは違った印象を受けますね。受験当日はやっぱり緊張感とかでいっぱいいっぱいなんですかね?あの時とても大きく見えた玄関が実はそれほどでもないことが分かりました。


 校舎内は土足禁止なので玄関で靴を脱ぎます。靴箱には結構な数の靴が入れてありました。在校生にとっては今日は春休み最終日のはずですが、部活でしょうか?


 スリッパを持って降りなかったので、靴下でペタペタと廊下を歩きます。F高の校舎はとても大きくて5階くらいまでありました。


 僕の今いる1階は特別教室が並んでるみたいです。化学室、生物室、物理室、社会科教室などなど……。どの教室もキレイで気持ちよく授業や実験ができそうでした。


 そのうち、図書室まで来ました。1階は、この図書室が半分くらいを占めてるみたいです。中が暗いので入っちゃいけないと雰囲気が出てますが、廊下からでも広いことが充分分かります。しかも階段のようなものが見えるので2階があるのかもしれません。


「おい、何してるんだ?」


「うわわっ」


 後ろからいきなり話しかけられました。情けない声をあげながらふりかえります。


 女の人でした。制服を着てるので在校生でしょう。綺麗な茶髪です。染めてるのか、もしかしたら地毛かもしれません。いかにも姉御肌って感じの美人さんです。


「物珍しそうに図書室なんか見てさ。中学生だろ?兄貴でも探してんの?」


 むっ。


「中学生じゃありません。明日からここに通うんです」


「へえ、そうなのか。そりゃごめんよ。……でもそれならまだ中学生じゃね?入学式はまだな訳だし」


 どうなんでしょうか。


「とにかく、もう高校生なんです」


「そっかそっか。よろしくな後輩」


 にかっと「先輩」は言いました。なんだか悪い人じゃなさそうです。


「そうだ、今あたしら部活やってるから、よかったら見てく?」


「部活って何部ですか?」


 と、先輩が答えようとしたとき、


「部長!!」


 向こうの階段から叫び声が聞こえました。その方向を見ると爽やか系の男子がいます。


「うるさいなぁ、睦月」


「うるさいなぁ、じゃありません!またふらっと出歩いて!早くしないと準備間に合いませんよ!」


「分かった、分かった。じゃ、ウチの部のことよろしくな?」


 バイバイ、と手を振りながら睦月という男子に先輩は引きずられて行きました。


 それにしても強そうな人でした。……いや、腕っぷしとかじゃなくて。なんか強そう。


 ふと時間を確認するともういい時間でした。そろそろ寮に行っといたほうがよさそうです。僕は玄関にのほうに足を向けました。


 あ、結局先輩が何部か分かんないまんまだ。

読んで下さりありがとうございます。なんか説明が多かった気がしますね。話が全然進んでない感じがすごいです。次回は24日(月)のつもりです。

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